確定慰謝料回収では飽き足らず、とうとう「会社バレ」という嫌がらせを始めましたね。
ご覧の方は「そこまでやるか」という心境でしょう。同時に、法のプロゆえ合法的に行っているのでしょうが、道理、いや、人道に悖る手続きであることは看破されていますね。
そもそも、強制執行たる「債権差押命令」は、債権者である弁護士が、債務者である我々の債務不履行を理由にその旨を裁判所に申し立て、裁判所の「審理」の結果が発出されたことから始まります。当初、弁護士側は「支払請求書」の最後段に「一部を支払ったときは・・・元本の順に充当します。」と記載しています。この文面からは、分割支払い可能としか読み取れません。債務者はそれにしたがって許容範囲での分割払いで支払意志を示していた、という記述があります。(「528ブログ」参照)
実際、令和3年8月10日付「支払請求書」では、振込済みの60,000円は遅延損害金から差し引かれて計上されています。さらに7月27日付の債券差押命令の請求債権合計金額からは、振込済みの初回分30,000円が差し引かれています。ということは、債務者には支払いの意志があり、実行していることを西川治弁護士は認めています。しかも、一括で支払え、との限定はなされていないのです。これで債務不履行となるのでしょうか。
一方、当初、同一事件で別の選定者にも同様に「支払請求書」が届いています。当該選定者には分割支払いをした1か月後に再度「(支払い済みを差し引いた)支払請求書」が届いたようです。しかし、現在も強制執行はおろか、何ら通知は受け取っていないのです。おそらく、強制執行された債務者は、勤務先の特定によってターゲットにされ見せしめにされたとしか思えません。
ところで、「債権差押命令」は「裁判所の審理の結果」おこなわれるもの、と聞いています。
本人への「確認」も「聞き取り聴取」すらなくても良いのでしょうか?
「支払督促」や「仮執行宣言付支払督促」の通知もありませんでした。支払う意思があり、現実に支払中である者に「支払意志ナシ」としての「強制執行」は適法なのでしょうか?
じゃぁ「全額一括払い」で合意したの?
問い合わせや電話確認なんかされてないよ?
書面? 届いていないねぇ。
一般に理解されている「強制執行」とは以下のとおりです。
●「強制執行」の流れ
1,債務借金を「滞納」する。
2.「債権者」から「返済」を迫られる。(金融機関なら「差押予告通知」)
3.「返済」を無視する。
4.「執行裁判所」から「支払督促」が届く。
5.「支払督促」を無視する。
6.「執行裁判所」から「仮執行宣言付支払督促」が届く。
7.「強制執行」(財産差し押え)
「支払督促」は「強制執行」に発展する手続きです。
「強制執行」が確定すれば、日付を予告せずに突然に差し押えが執行されます。
●「強制執行」の対象となるもの
1.給料(手取りの4分の1まで)
2.現金(66万円を超える分)
3.預金口座(請求額全額まで対象となる)
4.不動産(持ち家・土地)
5.動産(自動車・骨董品・貴金属・有価証券)など
給料が差し押さえられると、勤務先にも知られることになります。
●「強制執行」が確定する前に「支払督促」の段階でできること
1.「執行裁判所」に「異議申立」をする。
2.文面に従い「借金を一括返済」する。
3.「弁護士」「司法書士」に相談する。
「支払督促」から「強制執行」までは時間がありません。
「支払督促」は絶対に無視せず、いずれかの対応をしてください。
●「強制執行」できない4つの場合
1.「超過差し押えの禁止」
動産の差押えにおいて、債権額に対して過大な財産しかない場合のことです。
たとえば、債務者が10万円の返済を怠っている場合、1,000万円の価値のある債務
者の宝石を差押えるのでは、債務者に著しく酷であるとして禁止されています。
2.「無剰余換価の禁止」
動産の差押えを行っても手続き費用すら回収できない場合のことです。
「超過差し押さえの禁止」とは逆に差押えの意味が無いため、禁止されています。
3.「差押えが禁止されている財産」
①給料(手取り=可処分所得の4分の3)
②家具類・家電類
●「預金の差押え」と「給料の差押え」の違い
「預金の差押え」は1回の申立てで1度しか行われず、口座残高に不足があれば、
再度の「強制執行の申立」が必要となります。面倒ですね。
「給料の差押え」は1回の申立てで債権額を充足するまで有効です。
ただし、勤務先変更時は再度の「強制執行の申立」が必要となります。
●強制執行に対する「不服申立」
執行機関の処分に対する手続法上の問題を理由とする「不服申立」には次があります。
但し、民訴法の適用準用が優先されます。(民事執行法1・20条)
1.「即時抗告」(民事訴訟法332条)
2.「再審の不服申立」(民事訴訟法338・349条)
3.「裁判所書記官の処分に対する異議」(民事訴訟法121条)
4.「執行抗告」(民事執行法10条)
5.「執行異議」(民事執行法11条)
●執行機関・執行官
裁判所が行う民事執行に関してはその執行処分を行う裁判所が、執行官が行う執行処分に関してはその執行官所属の地方裁判所が執行裁判所となります。
執行裁判所の執行に関する行為は口頭弁論を経ないで決定されます。(民事執行法4条)
この決定に対しては、「執行抗告」「執行異議」ができます。(民事訴訟法10、11条)
●「執行抗告」
執行裁判所の裁判により不利益を受けた者(債権者、債務者、第三者)が原則としてその手続瑕疵を主張して、裁判の取消・変更を求める不服申立です。
執行抗告が出来る旨の特別の定めがある場合に限って認められています。
抗告の濫用から、民事執行法での執行抗告は、民訴法での広告とは異なっているのです。
●「執行異議」
民事執行法第11条
1.執行裁判所の執行処分で「執行抗告」をすることができない者に対しては、執行
裁判所に執行異議を申立てることができる。執行官の執行処分およびその遅怠に
対しても同様とする。
●「執行異議申立」の方法
1.手数料
印紙代:500円×(申立人数) 郵便切手:1,099円×(申立人数)
2.必要書類
申立書正本(A判・横書き・左綴じ)
3.添付書類
疎明資料:執行調書などとともに、執行異議理由に足る内容の書類。
執行により生じる損害などを記述する場合が多い。
4.送付先
判決を行った裁判所