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2262 ら特集10仙台弁護士会⑤13(0)

引用元 

平成23年12月09日 生活保護における義援金等の収入認定に関する再度の申し入れ
ttp://senben.org/archives/3218
平成23年12月2日「生活保護における義援金等の収入認定に関する再度の申し入れ」
2011年12月09日
生活保護における義援金等の収入認定に関する再度の申し入れ
宮城県            御中
仙台市            御中
宮城県各福祉事務所      御中
宮城県各市福祉事務所     御中
仙台市各区保健福祉センター 御中
 1 当会は、平成23年9月7日付けで、宮城県及び仙台市並びに宮城県内の各福祉事務所、県内各市福祉事務所及び仙台市各区保健福祉センターに対して、平成23年5月2日付厚生労働省社会・援護局保護課長「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」(以下「厚労省5月2日通知」という。)の趣旨を十分に尊重し、これに反する運用が認められる場合には迅速に是正すべきである旨の「生活保護における義援金等の収入認定に関する申し入れ」を行った。
 2 ところで、今般、日本弁護士連合会が平成23年8月19日付けで、東日本大震災の被災5県及び各県内に設置された全福祉事務所131カ所に対し、義援金、仮払補償金(以下「義援金等」という。)と生活保護制度の運用に関する照会を行った結果、96カ所から回答がなされ、義援金等の受領を理由として生活保護を停廃止された世帯が458世帯に及ぶことが明らかとなった。そのうち、宮城県では、県内27カ所の福祉事務所のうち19カ所から回答がなされ、回答した福祉事務所における停廃止世帯は80世帯に上る。その内訳は、多賀城市福祉事務所18件を筆頭に、岩沼市福祉事務所11件、仙台市宮城野福祉事務所10件、気仙沼保健福祉事務所9件、仙台市太白福祉事務所8件、仙台市若林福祉事務所8件、大崎市6件、東部保健福祉事務所5件、栗原市福祉事務所3件、仙台保健福祉事務所2件である。
 3 厚労省5月2日通知においては、震災後、緊急的に配分される義援金等について、収入認定除外を求めるための自立更生計画に包括的に一定額を計上して、その使途確認をしないという運用が認められているところ、照会の結果、県各福祉事務所、仙台市各区福祉事務所、大崎市、白石市、多賀城市、岩沼市、栗原市等、宮城県内の多くの福祉事務所において、そのような取り扱いを実施していないことが明らかになった。また、同通知では、将来の自立更生に充てられる生業費、教育費、介護費等、将来の自立に役立つ費用であれば、当座に費消するものではなくても自立更生計画へ計上することが認めてられているにもかかわらず、回答した福祉事務所において、これを説明していない例もみられるうえに、説明したと回答した福祉事務所のうち、実際にこれらの費目を計上しているのは一部の福祉事務所にとどまっており、その説明の実効性に疑問の余地なしとしない。
 4 そもそも、義援金等は、被災世帯の生活基盤回復の補助、あるいは被災したことに対する慰藉等を目的として支給されるものであるから、本来、収入認定にはなじまないものである。また、今般の震災に際して私財を寄付した市民・団体等としても、通常の生活費(最低生活費)とは区別された、被災者の生活基盤の回復等のために充てられることを願って寄付をしたと考えられるところ、義援金等により当面の最低生活費が充足されたとして生活保護が停廃止に至るとすれば、寄付の趣旨に沿わないおそれもある。したがって、本来は義援金等を一律に収入認定しないことが望ましいが、少なくとも、上記の義援金等支給の目的及び市民・団体等による寄付の趣旨に鑑みて、保護受給世帯において広く義援金等を生活基盤の回復等に充てられるよう、以下の運用を徹底することを求める。
①厚労省5月2日付通知が認めている、包括的に一定額を自立更生計画に計上してその使途確認をしないという運用及び将来の自立に向けた費用の自立更生計画への計上については、県下の全福祉事務所においてこれを認めること。
①特に、将来の自立に向けた費用については、保護受給世帯に対して実効性ある説明を行うことにより、自立更生計画に計上する機会を十分に保障するとともに、各世帯の状況に配慮して、広くかつ柔軟な範囲での計上を認めること。 以 上
2011年(平成23年)12月2日仙 台 弁 護 士 会 会 長  森 山  博

平成23年11月11日 貸与制施行に反対し、今国会での裁判所法改正による給費制存続を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/3157
貸与制施行に反対し、今国会での裁判所法改正による給費制存続を求める会長声明
 今月1日、司法修習生に対する給費制が廃止され、貸与制に移行する裁判所法が施行された。一貫して給費制の存続を訴えてきた当会としては、同日までに法改正がなされなかったことについて強い遺憾の意を表明する。4日には貸与制を基本として、困窮者に返済猶予措置を講じることを盛り込んだ裁判所法改正案が国会に提出された。しかし、当会は給費制存続の道を決して諦めてはいない。国会での与野党の協議により給費制存続の修正がなされる可能性は十分にある。与野党の協議により、法曹養成制度全体の早期見直しと給費制継続の2点が明記され、給費制が継続される修正が図られるよう強く求める。10月27日に開催された日弁連等主催の「司法修習生に対する給費制の存続を求める1000人決起集会・パレード」には1500名の参加者があり、当会からも多数が参加した。復興財源を理由に給費制廃止を主張する声もある。しかし、弁護士を含む司法制度は憲法に基礎を置く人権保障のための社会インフラであり、そうであるからこそ戦後まだ貧しい復興期の1947(昭和22)年から法曹の養成を国費で行ってきたのである。その理念は震災復興が始まろうとしている現在においても変わることはない。むしろ、東日本大震災における被災者への法的支援やADRでの活動など、弁護士等法曹が市民のために果たすべき社会的役割がますます重要になっている今こそ、給費制の理念が再認識されるべきである。したがって、復興財源を理由に給費制を廃止することは給費制の理念を看過するものであって到底容認できない。当会は給費制の継続を求め続けている議員が大勢いることに確信を持って、内閣提出の法案について、法曹養成制度全体の早期見直しと給費制継続の2点が盛り込まれる協議がなされるように、宮城県選出の国会議員にさらに強力な働きかけを行うなど、日弁連や全国の単位会とともに、今後の活動をより一層強化し、給費制存続を実現する決意である。
2011(平成23)年11月11日仙 台 弁 護 士 会 会 長  森 山  博

平成23年09月09日 生活保護世帯が受給する義援金等の収入認定に関する申し入れ
2011(平成23)年9月7日仙台弁護士会 会長 森山 博
ttp://senben.org/archives/3033
平成23年07月27日 各種人権条約に基づく個人通報制度の早期導入及びパリ原則に合致した政府から独立した国内人権機関の設置を求める決議
ttp://senben.org/archives/2872
当会は,日本における人権保障を推進し,国際人権基準の実施を確保するため,次のことを政府及び国会に対して強く求める。
 1 国際人権(自由権)規約,女性差別撤廃条約,拷問等禁止条約,人種差別撤廃条約などにおける個人通報制度を速やかに導入すること
2 国連の「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」に合致した,真に政府から独立した国内人権機関を設置すること
以上の通り,決議する。
2011(平成23)年7月22日
仙台弁護士会 会長  森 山  博
提 案 理 由
1 個人通報制度について
個人通報制度とは,人権条約の人権保障条項に規定された人権が侵害され,国内で手段を尽くしても救済されない場合,被害者個人などがその人権条約上の委員会に通報しその委員会の意見を得て,締約国政府や国会がこれを受けて国内での立法,行政措置などを実施することにより,個人の権利の救済を図ろうとする制度である。 日本の裁判所は,これまで人権保障条項の適用について積極的とはいえず,人権水準の低下をもたらしていた。また,民事訴訟法の定める上告の理由には国際条約違反が含まれず,国際人権基準の国内実施が極めて不十分となっている現状がある。個人通報制度が導入された場合,国内の裁判で救済されなかったケースについて個別の救済が可能となる。さらに,裁判所は国内での裁判の後に条約機関での意見があり得ることを前提として判決を下すこととなるため,条約機関の見解を念頭において裁判せざるを得ないこととなり,結果的に日本の人権水準を国際標準に近づけることが可能である。この個人通報制度を実現するためには,各条約の人権保障条項について個人通報制度を定めている選択議定書等を批准するなどの手続が必要である。しかし,日本は,国際人権(自由権)規約,女性差別撤廃条約,拷問等禁止条約,人種差別撤廃条約等の人権条約を批准しているものの,これらが有する個人通報制度をこれまで導入してこなかった。世界では既に多くの国が個人通報制度を採用しており,OECD加盟30カ国やG8の8カ国など先進国とされる諸国の中で何らの個人通報制度も有していないのはわが国のみである。こうした状況をふまえ,当会は,2010年2月27日開催の定期総会において,個人通報制度を定める国際人権(自由権)規約に付属する第一選択議定書を早急に批准し,もって個人通報制度を速やかに実現するよう求める決議をあげた。また,民主党は,2009年の衆議院総選挙において個人通報制度の導入をマニフェストに掲げ,政権与党となり,その後,法務大臣は幾度となくその実現に意欲を示す発言を繰り返しているが,現時点においても実現に至っていない。そこで,当会は,政府及び国会に対し,改めて個人通報制度を速やかに導入するよう強く求めるとともにその実現に向けた運動を展開することを表明するものである。
2 国内人権機関の設置について
国連決議及び人権諸条約機関は,国際人権条約及び憲法などで保障される人権が侵害され,その回復が求められる場合には,司法手続よりも簡便で迅速な救済を図ることができる国内人権機関を設置するよう求めており,多数の国が既にこれを設けている。 国内人権機関を設置する場合,1993年12月の国連総会決議「国内人権機関の地位に関する原則」(いわゆる「パリ原則」)に合致したものである必要がある。具体的には,法律に基づいて設置されること,権限行使の独立性が保障されていること,委員及び職員の人事並びに財政等においても独立性を保障されていること,調査権限及び政策提言機能を持つことが必要とされている。日本に対しては,国連人権理事会,人権高等弁務官等の国連人権諸機関や人権諸条約機関の各政府報告書審査の際に,早期にパリ原則に合致した国内人権機関を設置すべきとの勧告がなされており,また,国内の人権NGOからも国内人権機関設置の要望が高まっている。現在,わが国には法務省人権擁護局の人権擁護委員制度があるが,独立性等の点からも極めて不十分な制度である。このような状況の中で,日本弁護士連合会は,2008年11月18日,パリ原則に則った「日弁連の提案する国内人権機関の制度要綱」を発表した。さらに,2010年6月22日には,法務省政務三役が「新たな人権救済機関の設置に関する中間報告」において,パリ原則に適合する国内人権機関の設置に向けた検討を発表するなど,国内人権機関設置に向けた機運は高まってきている。
3 結 語
 当会は,わが国における人権保障を推進し,また国際人権基準を日本において完全実施するための人権保障システムを確立するため,国際人権(自由権)規約をはじめとした各人権条約に定める個人通報制度を一日も早く採用し,パリ原則に合致した真に政府から独立した国内人権機関をすみやかに設置することを政府及び国会に対して強く求めるべく,本決議に及ぶものである。

平成23年01月28日 宮城県の性犯罪者等監視条例試案に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/2117
村井嘉浩宮城県知事は、2011(平成23)年1月22日、①宮城県在住の性犯罪前歴者、ドメスティックバイオレンス(DV)加害者に位置確認のための電子装置(GPS)の常時携帯を義務づけ、違反者には罰金等を科す、②再犯防止に必要と認められる場合、性犯罪の逮捕者にDNAの提出を義務づける、③弁護士らによる「地域行動支援委員会」を設置し、性犯罪前歴者に定期的に行動記録を報告させる、という内容の条例試案(以下「条例試案」という。)の検討の経緯を発表した。性犯罪被害、DV被害の深刻さに鑑みれば、これらを抑止する必要があることは当然である。しかし、性犯罪前歴者、DV加害者であっても基本的人権の享有主体であることに変わりはなく、人権の制限は必要最小限度のものでなければならない。条例試案は、すでに刑の執行を受け終わり、又は、裁判所からDV保護命令を受けた者に対して、さらに行動の自由及びプライバシー権を常時制約する規制を加えるものであり、これは実質的に見て新たな刑罰を科すに等しいとも言い得るものである。条例試案は、性犯罪等の再犯率が高いとされていることやGPS監視による再犯抑止効果があることを制度導入の根拠としているようである。しかし、1犯目が性犯罪であった者のうち再犯の中に性犯罪を含んでいる者は5%程度との指摘もあり(平成19年版犯罪白書)、窃盗、薬物事犯等に比して著しく高いとは言い難い上、宮城県内における性犯罪の再犯率についても県知事は具体的に何ら示していない。また、DV保護命令違反検挙数も宮城県内ではこの3年間は0~1名にとどまり、保護命令そのものによる抑止効果が相当程度認められる。さらに、他国での導入例があるとしても、GPS監視の抑止効果についても実証的な結果が出ているとは言えない。また、国は、平成18年以降、性犯罪の再犯防止を目指して「矯正施設における性犯罪者処遇プログラム」等の運用を始めているが、その実績の検証が十分に行われていない段階で、監視等による対策を採用することは拙速である。加えて、条例試案は、再犯防止を目的としてDNAの提出を義務づける内容を含んでいるが、裁判所の令状によらない証拠収集につながるおそれが高く、この点からも憲法に抵触する重大な問題を含むと考えられる。このように条例試案は人権保障上看過できない重大な問題を有するものであるが、そもそもこのような重大な人権規制を法律ではなく条例で行えるのかという問題も指摘せざるを得ない。性犯罪やDV被害は深刻な問題であり、根絶していかなければならない。しかし、それは個人の尊厳を基軸とする日本国憲法の下においては、監視ではなく、性犯罪前歴者が更生していけるプログラムの作成・実践等によって実現されるべきであり、宮城県もその方向で尽力すべきである。条例試案は、性犯罪等の抑止について、上記のような人権上の問題点を十分に検討しないまま発表されたと受け止めざるを得ない。よって、当会は条例試案に反対する。以 上
2011(平成23)年1月27日仙台弁護士会 会長  新  里  宏  二

平成22年12月16日 少年の裁判員裁判事件における死刑判決を受けての会長声明
ttp://senben.org/archives/2089
少年の裁判員裁判事件における死刑判決を受けての会長声明
 2010(平成22)年11月25日、仙台地方裁判所において、殺人罪等に問われた19歳(犯行時18歳)の少年に対して、少年の裁判員裁判事件で初めての死刑判決が言い渡された。子どもの権利条約は18歳未満の子どもに対する死刑を禁止しており、少年法も第51条で「罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。」として、罪を犯した当時18歳未満の少年に対しては死刑を科さないとしている。これは、18歳未満で重大な事件を起こした少年の場合、成育過程においていくつものハンディを抱えていることが多く、精神的に未成熟であることから、あらためて成長と更生の機会を与え、自らの行為の重大性に向き合わせようとする趣旨である。  これらの法の趣旨は、犯行時18歳・19歳のいわゆる年長少年の事件についても尊重されるべきで、その更生可能性の評価・判断は成人の場合以上に慎重を期して行われる必要がある。当会は、裁判員制度実施に先立ち、2008(平成20)年10月7日付けで「裁判員制度の課題に関する意見書」を発表し、その中で、少年逆送事件と裁判員制度のあり方について、「少年の原則逆送対象事件(少年法20条2項本文)は裁判員裁判対象事件でもあるが、少年事件は、少年の情操保護・更生への配慮が必要とされており(少年法1条、50条、刑訴規則277条)、保護主義の観点から逆送事件について裁判員裁判の問題点を検討する必要がある。」との意見を表明した。
 少年逆送事件、とりわけ死刑選択が争点となる少年逆送事件の裁判員裁判については、被告人となっている少年の更生可能性の評価・判断を成人の場合以上に慎重を期して行われる必要があることとの関係で、その審理のあり方や裁判員への説示等についてなお検討すべき課題があり、この点は裁判員裁判における最重要課題の一つとして早急に検討されなければならない。当会は、国に対して、少年逆送事件、特に死刑選択が争点となる事件の審理のあり方について、それらの事件を裁判員裁判の対象とすることの是非を含めて検討するように強く求める。
2010(平成22)年12月15日仙台弁護 士 会会 長 新 里 宏 二

平成22年08月26日 映画「ザ・コーヴ」上映妨害に抗議する会長声明
ttp://senben.org/archives/1830
平成22年8月25日会長声明2010年08月26日
映画「ザ・コーヴ」上映妨害に抗議する会長声明
 和歌山県におけるイルカ漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」について、上映を予定していた映画館が相次いで上映を中止するという事態が発生した。上映中止の理由については、映画を「反日的」と糾弾する団体が上映中止を求める抗議活動を予告したため、観客や近隣に迷惑がかかることを懸念した映画館が上映を自粛したものと報じられている。実際、上映した映画館に対して上映中止を求める大音量の街宣活動が繰り返され、映画館周辺における街宣行為を禁じる仮処分命令が発せられるという事態も起こった。その後、不当な抗議行動に対する世論の批判が高まったこともあり、抗議活動に屈することなく上映を実施する映画館が多数存在するに至ってはいるが、実力をもって表現行為を封じようとする不当な抗議行動が行われたことは、到底看過することはできない。 映画「ザ・コーヴ」の製作の手法や内容を巡って様々な批判や意見が出されていることは事実である。しかし、自分と異なる考えや意見にも耳を傾け、その表現の機会を保障するのが民主主義の基本的考え方である。今回のように、一部の団体の不当な圧力によって映画の上映が中止されることになれば、多様な意見や価値観に触れる機会を妨げられ、個人の自己実現が困難になるとともに、政治的意思形成の根本的基盤が失われ、ひいては民主主義が危殆に瀕することにもなる。よって、当会は、実力をもって表現行為を封じようとする不当な圧力に対して抗議し、また、映画館や公共施設に対し、表現の自由の重要な担い手として、今後とも、不当な圧力に屈することなく、上映の機会を提供するよう努力されることを期待する。
2010(平成22)年8月25日仙台弁護士会会長新里宏二

平成22年08月26日 死刑執行に関する会長声明
ttp://senben.org/archives/1782
本年7月28日、東京拘置所において、2名の死刑確定者に対して死刑が執行された。我が国における死刑の執行は、昨年7月以来1年ぶりのことであり、民主党政権に政権交代し、千葉景子法務大臣が就任してから初めての死刑執行である。死刑制度に関しては、1989年12月、国連総会で自由権規約第二選択議定書(死刑廃止条約)が採択され、また、2007年12月、国連総会において、日本を含む死刑存置国に対し、死刑制度の廃止を視野に入れた死刑執行の停止などを求める決議が採択されている。我が国の死刑制度に対しては、2008年10月、国際人権(自由権)規約委員会の日本の人権状況に関する第5回審査総括所見において、政府は、世論調査の結果に拘わらず死刑廃止を前向きに検討し、必要に応じて国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきであること、必要的上訴制度を導入し、再審・恩赦の請求に執行停止効を持たせること、再審弁護人との秘密接見を保障すること、死刑の執行を事前に告知することなどが勧告されている。我が国の刑事裁判においては、4つの死刑確定事件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)の再審無罪判決が確定し、死刑確定事件における誤判の存在が明らかとなっているが、近年においても、死刑が執行された飯塚事件で有力証拠とされたDNA鑑定に誤りがあったとして再審請求がなされており、誤判が生じるに至る制度上、運用上の問題点は抜本的な改善が図られていない。日本弁護士連合会は、2002年11月、「死刑制度に関する提言」を発表し、死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし、また、死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法)の制定を求め、2004年第47回人権擁護大会においては、「死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開及び死刑問題調査会の設置を求める決議」を採択し、死刑の執行停止を求めた。当会もまた、2009年には、二度の会長声明において、死刑執行に遺憾の意を表し、死刑の執行停止を強く要請してきた。このような状況において、今般、国際的要請を無視し、死刑の制度上、運用上の問題に関する国民的議論のないまま、再び死刑が執行されたことは、甚だ遺憾である。千葉法務大臣は、死刑執行後の記者会見において、今後、刑場を公開し、死刑制度の存廃を含めた死刑制度の在り方についての勉強会を立ち上げる意向を示した。これらの提案は、今回の死刑執行に先立って行われるべきだったものではあるが、上記提案が速やかに実行に移され、それを契機として、死刑制度の問題点について幅広い議論がなされることを期待する。当会は、政府に対し、死刑制度が最も基本的な人権に関わる重大な問題であることに鑑み、死刑の執行を停止したうえで、死刑制度の存廃も含む抜本的な検討を行うことを重ねて強く要請するものである。
2010(平成22)年8月25日仙台弁護会会長  新里 宏二

平成22年06月17日 横浜弁護士会所属弁護士の殺害事件に関する会長声明
ttp://senben.org/archives/1675
2010(平成22)年6月2日,横浜弁護士会所属の弁護士が,その勤務する法律事務所において執務中に,同事務所を訪れた男に襲われ,刃物で胸部等を刺され,搬送先の病院で死亡するという事件が発生した。この事件は,犯人の素性や事件の原因・背景等はいまだ明確に特定されてはいないものの,弁護士業務に関連し,弁護士業務を妨害しようとしたものである可能性が極めて高い。
  そもそもこのような犯罪は断じて許されるものではなく,社会正義の実現と基本的人権の擁護を使命とする我々弁護士の業務に対する重大な挑戦であり,自らの要求を暴力によって実現しようとする手法は絶対に許すことができないものである。当会は,このような犯行を行った者を強く非難するとともに,捜査機関に対して厳正かつ迅速な捜査と真相の究明を強く求める。また,このような暴力的手段による弁護士業務の妨害に対し,一致団結して毅然と対処し,弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現のために全力を尽くす決意である。
2010(平成22)年6月16日仙台弁護士会会長新里宏二

2010年06月17日高校無償化制度の平等な実施を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/1681
高校無償化制度の平等な実施を求める会長声明
 政府は,本年4月1日,「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(以下「高校無償化法」という。)を施行し,公立高等学校の授業料を原則無償とするとともに(法3条1項),私立高等学校等についても,在学生のための就学支援金を支給することとした。ところが,文部科学省は,本年4月30日付け告示「高等学校等就学支援金制度における外国人学校の決定について」において,朝鮮高級学校について,他の外国人学校と取扱いを異にし,就学支援金支給制度の対象である「高等学校の課程に類する課程を置くもの」(法2条1項5号)に指定しなかった。その上で,指定するか否かについて,本年5月26日に設置した省内の専門家会議で検討することとした。しかし,高校無償化法は,全ての意志ある高校生達が安心して教育を受けられるよう,高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り,もって教育の機会均等に寄与することを趣旨とするもので,この趣旨は国籍や使用言語を問わず当てはまるものである。そして,朝鮮高級学校は,各都道府県知事から各種学校としての認可を受け,その際必要に応じて教育課程についての情報も提供されており,確立したカリキュラムにより安定した教育を長年にわたって実施している。また,日本全国のほぼ全ての大学が,朝鮮高級学校の卒業生に対し,「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」として大学受験資格を認定している。これらの社会的事実に照らせば,朝鮮高級学校も,日本の私立学校や他の外国人学校と同じく,「高等学校の課程に類する課程を置くもの」として,就学支援金支給制度の対象に指定されるのが相当である。にもかかわらず,朝鮮高級学校のみを就学支援金の支給対象から除外することは,高校無償化法の立法目的に適合しない上,憲法26条1項,子どもの権利条約,人種差別撤廃条約及び国際人権規約に照らし,朝鮮高級学校に在学する子どもたちに保障される学習権について,他と合理的な理由なく差別するものにほかならず,憲法14条に反するものである。よって,当会は,内閣総理大臣及び文部科学大臣に対し,朝鮮高級学校について,就学支援金の支給対象から除外することなく,速やかに法2条1項5号の各種学校に指定するよう求めるものである。
2010(平成22)年6月16日仙台弁護士会会長 新里 宏二

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