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2018-02-02 01:44
2352 どんたく滋賀弁護士会③(0)
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どんたく滋賀弁護士会③
各人権条約に基づく個人通報制度の早期導入を求める決議
ttp://www.shigaben.or.jp/chairman_statement/20130116_1.html
当弁護士会は、我が国における人権保障を推進し、国際人権基準の実施を確保するため、市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下、「自由権規約」)をはじめとして各人権条約に定める個人通報制度を早期に導入することを政府及び国会に対し強く求める。
以上のとおり決議する。
決議理由
個人通報制度とは、自由権規約等をはじめとする人権条約で保障された権利を侵害された者が、国内の裁判等の手続を尽くしても権利の回復がされない場合に、各条約の定める国際機関に直接救済の申し立てができる制度である。
多くの人権条約が条約上の権利の確保を実効化するために、各々個人通報制度を設置しているところ、この制度を我が国が受け入れるためには、自由権規約、女性差別撤廃条約等においては、本体である人権条約の加入とは別に個人通報制度を定める選択議定書を批准する手続きが必要であり、また人権差別撤廃条約等においては本体条約中にある個人通報条項を受諾宣言する必要がある。しかし、我が国は、いずれの選択議定書への批准および個人通報条項の受諾
宣言もしていない。
諸外国の状況については、自由権規約の選択議定書を批准している国は114カ国、女性差別撤廃条約の選択議定書を批准している国は104カ国にのぼる。また、OECD加盟国34カ国のうち、個人通報制度をもたない国は、我が国を含む2カ国のみであり、さらにG8サミット参加国のなかでは、唯一我が国のみがいかなる個人通報制度も有しない(本段落につき、2012(平成24)年4月現在)。
我が国は、自由権規約をはじめとする多くの人権条約に加入しているところ、これまで我が国の裁判所は、憲法ー条約ー法律ー命令という序列のもと我が国の法令の解釈にあたっては憲法のみならず条約適合性をも考慮しなければならないのはむしろ当然のことであるにもかかわらず、条約上の権利保障条項の適用に積極的とはいえず、我が国が加入している人権条約が定める国際人権条項の国内実施状況は極めて不十分なものとなっている。
例えば、婚外子に対する相続差別規定(民法900条4号但書前段)に関しては、日本政府は、これまで自由権規約委員会等からあらゆる差別の撤廃等を規定した自由権規約2条、24条等の条項に合致するよう、婚外子に対する差別的な規定を除去するよう勧告を受けてきたにもかかわらず、日本政府はなお婚外子差別規定を容認しており、最高裁判所は、同規定が憲法14条1項に反しないとした最高裁大法廷平成7年7月5日決定以来、同規定の合憲判断を続けている。その他にも、日本政府は、これまで国連人権条約機関による審査において、死刑制度、代用監獄や密室での取調べ等刑事司法制度全般、外国人に対する差別、女性に対する差別的規定などについて改善するよう勧告等を受けてきたにもかかわらず、これらの勧告を十分履行しているとは言い難い状況である。
各人権条約における個人通報制度が我が国に導入されると、裁判所は、判決後に個人通報がなされ、自由権規約委員会等条約上の国際機関による勧告によって判決に対する人権条約違反の指摘がなされる場合があることを事実上想定しなければならないため、条約上の国際機関の一般的意見等国際的に通用している権利条項の解釈について目を向けざるを得ず、その結果として、我が国における裁判の内容が条約上の権利を踏まえたものに大きく変わり、ひいては立法、行政においても国際的な人権基準を踏まえた法律改正、法律の運用を促す契機になり、我が国における人権保障水準が国際水準にまで前進することが期待される。
当弁護士会では、これまで人権救済申立てに対する調査及び警告勧告等の措置を講ずるなど人権擁護活動に真摯に取り組んできたところである。
そこで、当弁護士会は、我が国における人権保障を推進し、国際的水準での人権保障の実施を確保するため、自由権規約をはじめとした各人権条約に定める個人通報制度を早期に導入することを政府及び国会に対し強く求めるものである。
以上
2013(平成25)年1月16日  滋賀弁護士会
会長 荒川葉子

秘密保全法制定に反対する会長声明
ttp://www.shigaben.or.jp/chairman_statement/20130117.html
1.はじめに
2011年(平成23年)10月、政府における情報保全に関する検討委員会は、同年8月8日付「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」を受けて、秘密保全法制法案化作業を進めることを決定した。
しかし、秘密保全法案(仮称)は、以下に述べるとおり、憲法上の諸規定に抵触するおそれが高い。また、有識者会議の議事録が作成されず、議事メモも廃棄したと説明される等、その検討過程の多くが不透明なままである。
当会は、2012年(平成24年)11月3日、沖縄密約事件の当事者である西山太吉氏らを招き、シンポジウムを開催した。同シンポジウムにおいて、西山氏は、沖縄返還協定に絡む日米間の密約の存在を否定し続けてきた政府の姿勢からすれば、秘密保全法案は、政府にとって都合の悪い情報を隠蔽するためのものであると考えられること等を指摘した。また同シンポジウムにおいては、秘密保全法案が、情報公開の流れに逆行するものであること、メディアの取材の自由に対して萎縮的効果をもたらす危険性を持つこと等多数の問題点があることも浮き彫りとされた。
そこで、当会は、秘密保全法案を到底容認することはできず、本声明を発する次第である。
2.立法事実の不存在
秘密保全法を制定しようとする動きのきっかけとなったとされる尖閣諸島沖中国漁船衝突映像流出事件は、国家秘密の流出などとは到底言えない事案であった。また、前記報告書には、秘密保全法制の必要性を基礎付けるため、「主要な情報漏洩事件の概要」が資料として添付されているが、情報漏洩に関してはいずれも国家公務員法100条(罰則同109条)や自衛隊法59条(罰則同118条)等の現行法制で十分に対処できるものであり、新たな法制を設ける必要性はない。
3.国民の表現の自由との抵触
報告書によれば、禁止行為の一つに、「特別秘密」に対する「特定取得行為」がある。ここで、「特別秘密」とは、国の安全、外交、公共の安全及び秩序の維持の3分野において各行政機関が特に秘匿を要するものとして指定したものとされる。
かつて廃案となったスパイ防止法の対象範囲は、国の安全、外交であった。そして、報告書は、これに「公共の安全及び秩序の維持」を付加している。これは極めて広範囲、かつ、その外延も不明確なものである。そこで、報告書は、自衛隊法の別表方式によって限定列挙をすることが適当とする。しかし、自衛隊法の別表方式も、概括的網羅的であるから、同様の方式では何ら限定にならない。
また、秘密指定権者は当該秘密を作成・取得する各行政機関とされている。これに対して、第三者によるチェックの仕組みは何ら想定されていない。時の権力者の恣意的な権限行使により、表現の自由が著しく制約されることは、沖縄密約事件からも明らかである。
次に、「特定取得行為」には、社会通念上是認できない行為を手段として特別秘密を取得する場合も含まれるものとされる。
しかし、通常の判断能力を有する一般人の理解において、いかなる場合にそれに当てはまるのか、適用基準が不明確である。
さらに、故意による漏えい行為のみならず、過失による漏えい行為、共謀行為、独立教唆行為及び扇動行為をも処罰対象としており、秘密保全法案の想定する禁止行為は過度に広汎である。
このように、過度に広汎で漠然とした規制がなされた場合、取材・報道の自由を含む表現の自由に対して、萎縮的効果が及ぶ。その結果、取材・報道が差し控えられると、国民の知る権利は大きく損なわれる。
4.次に、現行法は、扶養義務者の扶養は保護の要件とはせず、単に優先関係にあるものとして(現行法第4条2項)、現に扶養(仕送り等)がなされた場合に収入認定してその分保護費を減額するに止めている。
しかし、実際には、全国の福祉事務所の窓口において、あたかも親族の扶養が保護の要件であるかのごとき説明がなされ、親子兄弟に面倒を見てもらうよう述べて申請を受け付けずに追い返すこともなされていた。また、扶養義務者への通知によって生じ得る親族間のあつれき等を恐れて申請を断念する事例も少なくなからず見受けられ、このような要保護者の心理を利用して申請を断念させることもなされた。これらも、いわゆる「水際作戦」の一種であり、申請権を侵害する違法な行為と評価が出来る。
この点、改正案第24条8項は、保護の実施機関に対し、保護開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、扶養義務者に対して、厚生労働省令で定める事項を通知することを義務付けており、さらに、改正案第28条2項は、保護の実施機関が、保護の決定等にあたって、要保護者の扶養義務者等に対して報告を求めることができるとしている。また、改正案第29条1項は、過去に生活保護を利用していた者の扶養義務者に関してまで、官公署等に対し必要な書類の閲覧等を求めたり、銀行、信託会社、勤務先等に報告を求めたりすることができるとしている。
このような改正がなされ、扶養義務者に対する通知が義務化され、調査権限が強化されることになると、要保護者の保護申請に対し萎縮効果を及ぼすことは明らかである。
5.こうした改正案に対する批判の高まりを受けて、厚生労働省は、「書類の提出は保護決定まででよい」、「扶養義務者への通知は極めて限定的な場合に限る」などとして、従来の取り扱いを変更するものではないとの弁明をしている。
しかし、改正案の文言上、そうした解釈自体困難である。仮に、そうした取り扱いを法律の下位規範である省令等をもって定めるとすれば、改正案の内容に正当性がないことを自認することになるし、法律で義務付けられた事項を下位規範で緩和することができるか自体疑問である。
6.当会は、生活困窮者支援のための活動に関与する会員が増えている中、いわゆる「水際作戦」による被害の個別救済に全力を挙げるとともに、本年4月13日には、憲法記念行事として、「本当にいいの?生活保護バッシング~保護基準引下げが市民生活に及ぼすこと~」と題した集会を行うなど、貧困問題について積極的に取り組んできた。
改正案は、これまで違法とされてきたいわゆる「水際作戦」を合法化するものであり、一層の萎縮的効果を及ぼすことにより、客観的には生活保護の利用要件を満たしているにもかかわらず、生活保護を利用することのできない要保護者を続出させ、多数の自殺・餓死・孤立死等の悲劇を招く恐れがある。
これは我が国における生存権保障(憲法25条)の精神そのものを踏みにじるものであり到底容認できない。
よって、当会は改正案の廃案を強く求めるものである。
以上
2013(平成25)年6月11日
滋賀弁護士会 会長 甲津貴央

パリ原則に基づき政府から独立した国内人権機関の設置を求める決議
ttp://www.shigaben.or.jp/chairman_statement/20130329.html
当会は、わが国における人権保障を推進し、また国際人権基準を完全実施するための人権保障システムを確立するため、国連の「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」に合致し真に政府から独立した国内人権機関を速やかに設置することを、政府および国会に対して強く求める。
以上のとおり決議する。
2013(平成25)年3月29日  滋賀弁護士会
決議理由
国内人権機関とは、裁判所とは別の、人権侵害からの救済と人権保障を推進するための国家機関である。裁判よりも簡易・迅速に人権侵害からの救済を図る必要があること、及び人権保障推進のための提言や教育の機能を裁判所に求めることはできないことから、国連は、国内人権機関の設置を世界各国に求めている。
わが国も、1998年の国際人権(自由権規約)委員会による勧告以降、国内人権機関の設置勧告を何度も受けており、政府は本年3月14日の国連人権理事会で、国内人権機関の設置勧告をフォローアップすると表明したところである。
ここで、世界中で国内人権機関のあり方の基準となっているのが、1993年の国連総会で承認された「国内人権機関の地位に関する原則」(いわゆるパリ原則)である。具体的には、1.国内人権機関には、人権の促進・擁護のため、できる限り広範な職務が与えられること、
2.国内人権機関は、政府・議会等に対し、自らの権限で意見・勧告等をすること、
3.構成員の任命は、人権の促進・保護にかかわる(市民社会の)社会勢力からの多元的な代表を確保できる手続に従って行われること、4.国内人権機関が、政府からの独立性に影響しかねない財政統制のもとに置かれることのないよう、自らの職員と土地家屋を持つことを可能とする十分な財源をもつこと、5.国内人権機関の真の独立にとって不可欠である構成員の安定した権限を確保するため、構成員は一定の任期を定めた公的な決定によって任命されること、等が必要とされる。
この観点からみると、現行の法務省監督下の人権擁護委員制度では政府からの独立性が認められず、2002年に政府が国会に提出した「人権擁護法案」も、人権委員会が法務大臣の管轄下にあるとされる等、パリ原則が求める独立性を満たすものではなかった。
また、2012年11月に政府が国会に提出した「人権委員会設置法案」(同月衆議院の解散により廃案)、でも、人権委員会による調査手続の対象となる人権侵害行為を「司法手続においても違法と評価される行為」に限定しており(法務省政務三役「人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要」)、その権限に著しい制約が加えられていたこと、人権委員会を法務省の外局として設置するとしており、拘禁施設や捜査機関を抱える法務省内局との関係を完全に分離することができないこと、事務局の事務を法務局長・地方法務局長に委任することができる旨定めており、政府からの独立性の確保が不十分であること等の問題点が指摘されてきたところである。
当会では、今までにも、人権侵害救済申立てに対する調査を行い、必要な警告・勧告・要望等を行う等の取り組みを通じて、人権擁護に真摯に取り組んできたところである。しかし、調査を行うための十分な組織的基盤が存在しないこと、調査権限が任意のものにとどまること等から、その活動には一定の限界があったことも否定できない。
そこで、当会は、わが国における人権保障を推進し、また国際人権基準を完全実施するための人権保障システムを確立するため、パリ原則に合致し真に政府から独立した国内人権機関を速やかに設置することを、政府および国会に対して強く求めるものである。
以上
4.国民の裁判を受ける権利の形骸化
仮に、秘密保全法違反により起訴された場合、当該被告人の地位は、公開裁判の原則との間で緊張関係に立たされる。
公開の裁判で特別秘密の内容が明らかになれば、もはやそれは秘密ではなくなる。そこで、ある情報を特別秘密にした理由と秘密指定の適切さが立証されることにより、当該秘密が実質秘であることが推認される等の外形立証の方法を検討せざるをえなくなる。しかし、これでは被告人の防御の対象は極めて不明確なものとなる。
さらに、弁護人による防御活動も共謀行為、独立教唆行為等に問われるおそれがある。これにより弁護活動が萎縮すると、被告人は適正手続により裁判を受ける権利を十分に享受しえなくなる。
5.国民のプライバシー権との抵触
報告書によれば、秘密情報を取り扱わせようとする者について、秘密情報を取り扱う適正を有するかを判断するための適正評価制度が導入されようとしている。これにより、行政機関において特別秘密を作成・取得する業務に従事する者のみならず、特別秘密を取り扱う民間事業者、対象者本人以外にもその身近にあって対象者の行動に影響を与えうる者も、我が国の利益を害する活動への関与、外国への渡航歴、犯罪歴、懲戒処分歴、信用状態、薬物・アルコールの影響や精神の問題に係る通院歴等について調査される可能性が存する。
こうした調査事項は極めてセンシティブな情報であり、プライバシー侵害及び思想・信条の自由が侵害される危険性がある。
そこで、報告書は、対象者の同意を得ることが肝要とする。しかし、仮に対象者本人の同意が形式的に存しても、組織内における差別的取扱いのおそれがあり、実質的に対象者の自由意志が確保されたものとは言えない。
さらに、平成19年8月9日カウンターインテリジェンス推進会議決定に基づき、平成21年4月1日から実施された秘密取扱者適格性確認調査が実施されたところ、これは対象者の同意なしに行われたことが明らかとなった。かかる事実からすれば、同意を得る手続が履践されること自体に疑念を持たざるをえない。
6.結論
以上の理由より、当会は、日本国憲法を尊重する立場から、秘密保全法案の作成を直ちに中止することを強く求めるものである。
2013(平成25)年1月17日
滋賀弁護士会 会長 荒川葉子

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