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2022-04-11 02:47 2 comments

752 野山判決による請求異議訴訟への言及

引用元 

令和元年11月、嶋﨑量弁護士原告の控訴審で東京高等裁判所第11民事部の野山宏裁判長は原告の主張を訴状通りにすべて認めて、満額判決を出しました。


こちらも、よくある訴状の申請通りに認可された、原告弁護士への高額給付金判決ですね。嶋﨑弁護士は興奮のあまり狂喜乱舞して連続ツイートしています。


しかし、嶋﨑先生は最後の一文を読んでいないか、はたまた甘く見て無視しているのか、誰も指摘していない大事なことですので、このエントリーで触れることとしました。


野山判決では、共同不法行為が成立した場合について、別訴で争えと書いています。つまり、共同不法行為が認定されて損害の上限が算出されたら、それについては請求異議訴訟を提起したうえで審理判断されるべきと述べています。


つまり、後々さまざまな事実と証拠が積み上がってきたら、改めて異議を申し立てろと。ということは、満額認容判決があまりたくさん出るのはまずいという自覚があったわけです。これは大問題ではないでしょうか。野山判決、大変無責任だと思います。


では、その部分を見てみましょう。比較対象に共同不法行為認定の棄却判決も掲載します。


まずは嶋﨑量弁護士(神奈川総合法律事務所 神奈川県弁護士会所属)のツイートです。







そして野山判決が請求異議訴訟に言及したのはこの部分であります。


仮に共同不法行為が成立するとした場合には、弁済が進んで弁済総額が相当額にまで累積し、かつ、共同不法行為の発生のメカニズム、実行行為者及び教唆者等が果たした役割、具体的行為態様など、事案の全貌の解明が相当程度進んだ将来の段階で、請求異議訴訟において審理判断するのが適当である。





それでは、2月から3月にかけて連続して出された横浜地裁の関口棄却判決により、算定された損害の上限額と、原告嶋﨑の主張をことごとく排斥した判決文を見てみましょう。


683 損害の上限は総額で200万円 嶋﨑氏棄却判決


696 共同不法行為の認定 嶋﨑氏棄却判決


本件運営者は、本件ブログ上で原告に係る懲戒請求を呼び掛け、希望する者には本件ひな形を提供するため、署名・押印等をして取り纏めをする本件団体に送付するよう求めたこと(前提事実⑺、弁論の全主旨)、前記前提事実⑻及び弁論の全趣旨によれば、原告に係る懲戒請求をした者らの多くは本件ブログを直接閲覧し、あるいは、親族や友人等からその存在を聞くなどして、上記呼びかけに同調したが故に、本件運営者の示す方法に従って、各懲戒請求書をそれぞれ作成し、本件団体をして神奈川県弁護士会に提出させたと合理的に推認し得ることからすると、本件運営者とその呼びかけに同調した個々の懲戒請求者とは、直接あるいは親族等を介して、互いに連絡を図り、原告に係る懲戒請求をしたものと認められる。


また、個々の懲戒請求者間についてみても、本件運営者による上記呼び掛けの方法及び内容並びに本件運営者が被告ないし選定者らを含む各懲戒請求者に本件ひな形を送付する際、併せて「ご家族・ご友人で賛同してくださる方がいらしたらご協力をお願いして下さい。」との記載のある書面を送付していたこと(乙8、弁論の全趣旨)からすると、上記呼びかけに同調した各懲戒請求書らは、自らの他にも付和随行する者がいることや今後付和随行する者が増えることを認識した上で、原告に係る懲戒請求をしたものと合理的に推認し得る。


なお、仮に、原告に係る懲戒請求をした者の中に、本件運営者による呼び掛けを認識せず、単に上記呼び掛けに同調した親族等に求められるがまま本件運営者の示す方法により原告に係る懲戒請求をした者がいるとしても(甲19参照)、同親族等とともに同一の懲戒事由かつ同じ方法にて原告に係る懲戒請求をすること自体は認識していたと考えられる。


これらの事情に加え、本件団体が、被告ないし選定者らが作成した各懲戒請求書を含め、本件ひな形を利用して作成された各懲戒請求書を順次取り纏め、神奈川県弁護士会に提出したこと(前提事実⑺、⑻、弁論の全趣旨)、本件ひな形は署名・押印欄及び日付欄の他は不動文字が印字され、同一の懲戒事由が記載されたものであったこと(前提事実⑺、甲3,弁論の全趣旨)、このように集団を成して懲戒請求がされたことにより、原告には強い恐怖や不安等が生じたと考えられることを総合考慮すると、本件各懲戒請求を含む原告に係る懲戒請求の間には、主観的にも客観的にも関連共同性があると認めるのが相当である。


したがって、上記各懲戒請求は、共同不法行為の関係にあるというべきである。


これに対し、原告は、まず、主観的関連共同性に関して、懲戒請求者同士には面識がなく、互いに語らって懲戒請求をしたものでもないから意思の共同がないこと、また、他の者による懲戒請求を自己の不法行為の手段としていないことからすると、主観的関連共同性は否定されるべきである旨主張する。しかし、主観的関連共同性が認められるためには、必ずしも面識や互いに語らうことまで必要なものではなく、不法行為をすることにつき共同の認識があれば足りると解するのが相当である(最高裁判所昭和30年(オ)第870号同昭和32年3月26日第三小法廷判決・民集11巻3号543頁参照)ところ、上記(イ)で認定・説示したとおり、個々の懲戒請求者は、本件運営者あるいはその意を汲んだ親族等の呼び掛けに応じて、他にも同一の懲戒事由かつ同一の方法にて原告に係る懲戒請求をする者がいることを認識した上で、原告に係る懲戒請求を行ったのであるから、少なくとも共同の認識があったと認められる。


また、仮に主観的関連共同性が認められるためには、他の者による懲戒請求を自己の不法行為の手段とする必要があると解したとしても、個々の懲戒請求者は、他にも本件運営者やその意を汲んだ親族等による呼び掛けに応じて原告に係る懲戒請求をする者がいることを認識した上で、自らも上記呼び掛けに応じるべくその者らと一定の集団を成して原告に係る懲戒請求をしたものと認められるから、他の者による懲戒請求を自己の不法行為の手段としておいたというべきである。


さらに、原告は、個々の懲戒請求者が主体的に判断し、原告に係る懲戒請求をしたことからすると、それらはあくまで独立した行為であるから、やはり主観的関連共同性は否定されるべきである旨主張する。しかし、各懲戒請求者が、本件運営者による呼び掛けに同調し、あるいは、それに同調した親族等の求めに応じて、一定の集団を成して原告に係る懲戒請求をしたことは、既に認定・説示したとおりであるから、各懲戒請求がおよそ無関係の独立した行為であるとはいえない。


また、個々の懲戒請求者が主体的に懲戒請求を行うことを判断したがゆえに、各懲戒請求者の間の上記行動の認識が消滅するものでないことは明らかである。

したがって、原告の主張は、上記結論を左右するものではなく、いずれも採用できない。


次に、原告は、客観的関連共同性に関して、個々の不法行為により複数の損害が生じている本件において客観的関連共同性があるというためには、各不法行為に強い関係性が認められる必要があるところ、その点に関する被告の立証がない旨主張する。しかし、本件各懲戒請求及び原告に係る他の懲戒請求は、本件運営者の同一の呼び掛けに直接又は間接的にも影響を受けて、同一の懲戒事由で同一の者(団体)を介して行われたものであることに加え、一定の集団を成して懲戒請求がされたが故に、原告に強い恐怖等が生じたことは既に認定・説示したとおりであることからすると、行為という観点からも、また損害という観点からも強い関係性があるということができる。


そうすると、個々の懲戒請求と一部の結果との間に個別的因果関係が認められるとしても、客観的関連共同性が否定されるものではないというべきである。したがって、原告の上記主張は採用できない。


なお、原告は、事後的に神奈川県弁護士会が複数の懲戒請求を一括処理したことは、客観的関連共同性を認める根拠とはならないとも主張するようであるが、同弁護士会による一括処理を理由として、客観的関連共同性を肯定しているものではないことは、上記のとおりである。


さらに、原告は、被害者の救済を容易にすることでその保護を図る民法719条1項の本質からすると、加害者を利する目的で共同不法行為の成立を認めること背理であると主張するが、同条の趣旨は、共同不法行為者に不真正連帯責任を負わせることで、被害者の必要な救済を容易にすることにあると解されるのであって、共同不法行為と認定すべき事案でありかつ、他の共同不法行為者による賠償により、既に被害者の損害が回復されているにもかかわらず、あえて単独の不法行為と認定することにより、被害者を過大に救済することを許容するものではないというべきである。したがって、原告の上記主張も採用できない。


以上によれば、被告ないし選定者らと本件運営者、さらには、原告にかかる懲戒請求をした他の者らとは、共同行為者と認められる(民法719条1項前段)から、本件各懲戒請求を含む原告に係る懲戒請求は、共同不法行為(以下「本件共同不法行為」という。)を構成する。


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