あしながおばさん
≪市区町朝鮮学校補助金:支出ゼロだけど?編 その3≫
■千葉市監査委員
公開されていた資料では、委員の賛否について明示されていませんでしたので、連休明けに調べました。また、在任期間について勘違いしていましたので訂正してあります。
監査委員は「識見委員」と「議員委員」の2名ずつからなり、識見委員の任期は4年、特に再任を妨げる規定はないが、過去、3期を務めた人はいないそうです。議員委員2名は、千葉市の慣例では1年で交代していて、どの会派から出るかというのは議会が決めているので監査事務局ではわからないとのこと。ちなみに、今現在の議員委員は民進と自民です。
誰がどの判断をしたかというのは公開されておらず、他の自治体でも概ねそういう対応だそうです。もし具体的に知りたいとなったら「上司に相談しないと」ということでしたので、そこで電話を終えました。
第2回のメンバーからすれば石井茂隆議員が「請求に理由がある」と意見したのではないかと思われますが、そこは追って直接確認してみようかと思います。
第1回のメンバーに自民の森茂樹議員がいますが、棄却としています。この森茂樹議員は、H22年度に政務調査費の件で「市民オンブズ千葉:千葉市の渚法律事務所内」から住民監査請求を受け、合議不調となっています。
こうして改めて委員の詳細を見ると、「市職員OB」だの「弁護士」だのが入っていて、議員も偏っているとなれば、朝鮮学校関係の監査請求で「勧告」になるのは至難の業だということがわかります。
・第1回住民請求(H27.10.27)監査委員 ⇒全員棄却の判断
清水謙司(市職員OB)H27.4.1~現在
宮原清貴(弁護士) H23.10.1~現在:2期目
村尾伊佐夫(公明党千葉市議)H27.5.15~H6.13
森茂樹(自民党千葉市議)H27.5.15~H6.13
・第2回住民請求(H29.3.29)監査委員 ⇒合議不調
清水謙司 宮原清貴 ・・・前回と同じ
酒井伸二(公明党千葉市議)H28.6.14~H29.6.28
石井茂隆(自民党千葉市議)H28.6.14~H29.6.28
なおついでですが、元こども未来局長の川上千里氏の現在の正式な役職名は総合政策局参与でした。
■熊谷俊人千葉市長
○朝鮮学校補助金、交付せず 千葉市長、廃止言及も 弁護士「裁量権逸脱の恐れ」(産経ニュース2017.4.28)
千葉市が千葉朝鮮初中級学校(同市花見川区)への補助金交付の中止を表明した27日、同市は顧問弁護士から同補助金の今回の支出について「裁量権の逸脱や乱用にあたり、地方自治法に違反する恐れがある」との厳しい指摘を受けていたことを明らかにした。熊谷俊人市長は同日、同補助金のあり方を見直す考えを示し、廃止することにも言及した。
熊谷市長は会見で「朝鮮学校が地域から孤立しないように交流事業に補助してきたが、日韓合意を否定する展示などをしたことは、市の思いを踏みにじる行為だ。今回はもとより、これからも(同校への補助金交付は)厳しい」と述べた。
同市こども企画課によると、問題となった美術展は昨年12月6日に千葉市美術館(同市中央区)で行われたもので、当時現場を視察した市職員も内容に日韓合意を否定するものが含まれていることに気付き市に報告していた。
また、今年2月25日の芸術発表会での「白頭山に行こう」の歌の披露は、3月1日に行われた市議会予算審査特別委員会教育未来分科会で、小川智之市議(自民)が同発表会で同校が行った朝鮮学校の授業料無償化などを求めるチラシの配布とともに「(市が補助金を出す)交流事業にそぐわない内容だ」と指摘するなどしていた。
昨年9月1日付で同校から交付の申請があり、市も同5日付で最大50万円の交付を決定していたが、同年度末に提出された実績報告書やこれまでの市議の指摘などを踏まえ精査したところ、日韓合意を否認する展示内容などが外国人学校地域交流事業の要項とそぐわないとされた。
また、市の顧問弁護士から「公益上必要がない事業への補助金を出す場合、裁量権の逸脱や乱用にあたり、地方自治法に違反する恐れがある」と指摘があり、熊谷市長の最終決定をもって交付が中止となったという。
同市は外国人学校の地域との交流事業に補助金を交付するとしているが、市内で対象となる学校は同校しかないことから、事実上同校を念頭に置く事業となっていた。今年度も5年連続で最大50万円の補助金を予算化していたが、今回の問題を受け今年度の交付を凍結。再開についても当面予定はないとし、熊谷市長は「簡単に復活させていいものではなく、事実上の制度の廃止を含めて考えていくべきだ」と話した。
一方、北朝鮮が16日朝に弾道ミサイルを発射したことなどについては、「今回の決定に影響していない」とした。
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実際を何も知らずにこの記事だけを読んでいると、なんだか市長が英断したみたいに見えてしまいますが、これだけ経過をどっぷり見てしまうと、遅きに失したとしか思えません。
記者会見翌日の市長のツイッター。
4月28日
@kumagai_chiba
熊谷俊人(千葉市長)@kumagai_chiba
@jisoloveYG ありがとうございます。これまでも事業を巡って批判的意見も寄せられており、グレーだけれど白という判断をしてきたものもありました。繰り返し市や理解派の議員からも注意をしてきた中で今回です。法律相談でも今回は交付は難しいという見解が示されている以上、交付決定がむしろ政治的判断となります
posted at 10:55:47
「グレーだけれど白という判断をしてきたものもありました」。
この部分、後述する5月22日の陳情を審議した場で、千風の会ブログ筆者の指摘に対し、こども未来部長が「このグレーの部分につきましては、争点が分かれているですとか、解釈が分かれるようなもの、こういったものはグレーとして表現をしたというところでございます。そういったところから、恣意的に白と判断をしたということではないという意味合いでございます。」と答弁しています。
そもそも、急ごしらえのずさんな要綱を議会を通さずに勝手に作り(局長決済になっているので作ったこと自体は違反ではないらしい)、「支出ありき」で理由をこじつけてまで公金を北朝鮮に垂れ流した、というのがあなたのやった真っ黒なことなんじゃないですか?背任だと思いますけれども。
それに、補助金の対象は「朝鮮学校のためだけに設けたわけじゃない」のに「補助金のあり方を見直す考えを示し、廃止することにも言及」?朝鮮学校に支出できないなら役に立たないから壊しちゃえ、ですか。
「市の思いを踏みにじる行為だ」「繰り返し市や理解派の議員からも注意をしてきた中で今回です」って、被害者ポーズが上手ですね。
今年9月23日に行われた「拉致問題の早期解決を願う千葉県民の集い」に熊谷市長は地元主催者としてあいさつしたそうですが、全方位にいい顔をしたいということですか?
それと、この熊谷市長の判断に、住民監査請求と、千葉弁護士会への懲戒請求の影響があるったりするのかな??
熊谷俊人(千葉市長)
@kumagai_chiba
この案件について市長選があるからとか言っている人は、選挙の後に発表したらしたで騒ぐんですよね。法律相談の結果が出て、公正に判断し、淡々と発表しました。私は選挙とかで判断を変えません。見くびらないで欲しいですね。そんな政治的な話ではないんですよ、ルールのお話です。
1:47 – 2017年4月29日
市長選は5月28日でした。偉そうにドヤァされても。
議員人生のスタートは2006年の千葉市議選で民主党からの出馬。期待を裏切らないDNA。
「ルールのお話です」。そのルールの瑕疵を再三住民から指摘されてたことは棚に上げて。。。
補助金要綱の裏側を知らないある人は、このツイートにこう返す。
4月29日
返信先: @kumagai_chibaさん
要綱を読めば今回の市長の御判断が妥当な物とすぐ解るんですけどね。
別に特別に手心を加えているわけではない。ただルールを公正に取り扱っただけ。
この方、自己紹介に「日本を守りたい」と書いていらっしゃいました。。。
さて、ブログ「千風の会」に、行政訴訟の書面の一部が出ていました。
———-(転載開始)———–
千葉市の千葉朝鮮学校補助金問題 2017.9.11
平成29年(行ウ)第29号不当利得返還請求事件における、被告千葉市長熊谷俊人の陳述で、興味深い陳述がある。原告の訴状で以下の陳述に対する答弁である。
【原告】
8 朝鮮学校について
政府答弁による朝鮮学校の認識とは(甲23号証)。
平成24年3月1日衆議院文教科学委員会:松原国家公安委員会委員長は、
『朝鮮総連は、北朝鮮と極めて密接な関係を有する団体であると認識をいたしております。また、朝鮮総連は、朝鮮人学校と密接な関係にあり、同校の教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識をいたしております。警察においては、朝鮮人学校に及ぼす影響を含む朝鮮総連の各種動向について、公共の安全と秩序の維持という観点から、従前から重大な関心を持って情報を収集しているものと承知をいたしております。』と述べている。
この答弁は従前からの政府答弁を踏襲するものでもあるが、民主党政権下においても、千葉朝鮮学園を含めた日本国内の全ての朝鮮学校が北朝鮮の支配下にある朝鮮総連の影響下にあるということが、疑いようのない事実であるとした政府見解である。
【被告千葉市長熊谷俊人】
8 同8のうち、政府答弁による千葉朝鮮学校の認識及び及び松原国家公安委員会委員長の答弁は認め、朝鮮総連が北朝鮮の支配下にあることは知らない。(極めて密接な関係を有することと支配下にあることは同義ではない。)その余は原告独自の見解を主張するものである。
政令指定都市の首長が知らないらしい。
———-(転載終了)———–
この言葉は行政訴訟の起こされた6月以降の発言ですので、4月のツイッターより後です。そう簡単には「マンセー市長」の称号は剥がれ落ちないか・・・っと(白目)。
■千葉市議会「理解派の議員」のみなさん
○筆者は、2回目の監査請求の結果が出る直前のH297年5月22日に陳情書も提出しています。内容は、補助金要綱に不交付の条件をつける要望です。本文は長いので割愛します。7月3日の市議会「教育未来委員会」にて扱われ、不採択となりました。
ttps://www.city.chiba.jp/shigikai/documents/zanteiban-290703-3kyouiku.pdf
※議事録(暫定版)
委 員 長:秋葉忠雄(自由民主党)
副委員長:亀井琢磨(未来民進ちば)
委 員:三井 美和香(未来民進ちば)
山本 直史(未来民進ちば)
川村 博章(自由民主党)
阿部 智(自由民主党)
椛澤 洋平(日本共産党)
中村 公江(日本共産党)
酒井 伸二(公明党)
岩﨑 明子(市民ネットワーク)
委員長には採択の権限がなく、賛成票は自民党の2票だけでした。
自民の阿部智議員が、「我々の会派は、この補助金の適切な運用について、再三お願いしてきたところでございます。今回の陳情でございますが、県と同じ基準を、要綱で改正してほしいという陳情だと理解しております。我々としては、この県に準じたものがこの市の補助の要綱の中になかったということの御指摘は、非常に目からうろこというか、わからなかったというところで、非常に適切な意見を言っていただいているということでございますので、我々としては十分賛成でございます。」と述べていました。
なお、千葉市議会の会派別人数は自民17、民進12、公明8、共産7、市民ネット3、無所属3。
●日本共産党 盛田真弓議員 2017.7.10(第2回定例会)
ttps://www.city.chiba.jp/shigikai/documents/zanteiban-290710.pdf(議事録暫定版)
2、地域交流事業について
【もりた真弓議員】
千葉市は、今年4月に、千葉朝鮮初中級学校への補助金について、交付を取り消すと発表しました。補助の対象事業の美術展などで「地域交流事業の目的に反する内容が含まれていた」などとの理由で補助金が突然打ち切られたことについて、学校関係者はもちろん、市民からも落胆の声が寄せられています。
第11回のユネスコ総会は、世界人権宣言の「無差別の原則を主張し、かつ、全て人は教育を受ける権利を有すると宣言していることを想起し」「教育における差別待遇はいかなる形態のものも排除する義務」「教育の機会及び待遇の平等をすべての人のために促進する義務」を有することを認識し、「教育における差別待遇の防止に関する条約」を採択しています。採択された「教育における差別待遇の防止に関する条約」の第3条には「自国の領域内に居住する外国人に対し、自国民に対して与えるものと同じ教育の機会を与えること」とあります。
加えて、「民族教育に関する国際人権諸条約」では、「子どもの権利に関する条約」の第29条の教育の目的に「子どもの親、子ども自身の文化的アイデンティティ、言語及び価値の尊重、子どもが居住している国および子どもの出身国の国民的価値の尊重、ならびに自己の文明と異なる文明の尊重を発展させること」「すべての諸人民間、民族的、国民的および宗教的集団間ならびに先住民間の理解、平和、寛容、性の平等および友好の精神のもとで、子どもが自由な社会において責任ある生活を送れるようにすること」とあります。
そこで、うかがいます。1つに、「外国人学校地域交流事業補助金」の目的と、この間の交付の経過、千葉県と千葉市の実施内容についておたずねします。
2つに、この補助金の全国の政令市の交付状況について、その目的と実施している市についてお示しください。
3つに、ユネスコの「教育における差別待遇の防止に関する条約」との関係について、また「民族教育に関する国際人権諸条約」との関係についてどう考えているのかうかがいます。
4つに、千葉市議会では、超党派の女性議員が協力して、子どもたちの教育環境の改善を求め、要望書の提出などにも携わっていますが、そうした活動も否定されてしまうのでしょうか。お答えください。
【こども未来局長答弁】
まず、外国人学校地域交流事業補助金の目的とこの間の交付の経過、千葉県と千葉市の実施内容についてですが、本市補助金は、外国人学校における地域交流の取組みを促進し、在籍する児童及び生徒の健やかな成長と自立を促すことを目的としております。
次に、交付の経過についてですが、平成26年度41万4千円、平成27年度45万5千円を交付しています。なお、千葉県は、「私立学校経常費補助金」として、教員人件費、教育研究費、運営に関する経常費として、補助金を交付しており、これに対し、本市は、地域交流事業に必要な経費の一部を補助する事業補助であり、目的が異なるものです。
次に、この補助金の全国の政令市の交付状況、その目的と実施している市についてですが、政令市20市の中、12市が朝鮮学校を対象としており、補助内容は、施設整備をはじめ、教職員研修、教材等の購入費、地域交流など、様々な形態となっております。
次に、「教育による差別待遇の防止に関する条約」及び「民族教育に関する国際人権諸条約」との関係についてですが、本市が、千葉朝鮮初中級学校に対する平成28年度補助金の交付決定を取り消したのは、要綱の交付条件に該当するかどうかを法的に公正に判断した結果であります。従いまして、今回の交付決定の取り消しは、学校に対する差別には当たらず、結果として、地域交流事業の経費の一部を不交付としても、民族教育に関する権利等を不当に制限することにはならないと考えます。
最後に、千葉市議会の超党派の女性議員の要望活動についてですが、今回の交付決定の取り消しとは関連がなく、そのような要望活動を否定するものではありません。
※局長の回答を受けて、「3、学校施設について」の質問時間にも聞いてました。
【もりた真弓議員】
つぎに地域交流事業についてです。千葉市は、地域交流事業経費の一部を不交付にすることは、民族教育に関する権利等を不当に制限することにはならないと答弁しましたが、補助金対象の事業は、学校の美術展と芸術発表会でした。
こどもの権利に関する条約でうたわれている、子ども自身の文化的アイデンティティや異なる文明尊重の発展を阻むことにならないのか。
【こども未来局長答弁】
本市が、補助金交付決定を取り消したには、要綱の交付要件に該当するかどうかを法的に公正に判断した結果であり、文化的アイデンティティや異なる文明の発展を阻むものではありません。
【もりた真弓議員】
対象事業は、学校の児童生徒が多種多様なテーマで作品を展示し、美術を介して朝鮮学校について広く知ってもらう、地域との交流を深める目的で行なわれたもので、「外国人学校における地域交流の取り組みを促進し、在籍する児童及び生徒の健やかな成長と自立を促すこと」という千葉市の補助金の目的にも則しています。
補助金は、要綱のどこに該当しなかったため不交付だったのか。また、不交付となった地域交流事業のほかに、補助対象事業はあるのでしょうか。
【こども未来局長答弁】
補助金交付決定取消の理由は、平成28年度の事業が、要綱に規定しております、「児童及び生徒の地域住民との交流に資するもの」とは言えず、「その他の市長が適当でないと認めるものでないこと」の交付要件を満たさないと判断したものです。なお、本補助事業のほかに、補助対象となる事業は、現在ありません。
【もりた真弓議員】
地域交流事業は唯一の補助対象事業です。義務教育でありながら補助金がない朝鮮学校の運営が大変厳しい事は、毎年、超党派の女性議員も参加している千葉地区日朝女性の会の「千葉朝鮮学校初中級学校への支援の拡充を求める要望書」が提出されており、市長も状況を把握していました。朝鮮学校のオモニ会の方から、これまで地域住民との交流に資する事業として、子どもたちの描いた絵の展示作業に関わってきたが「子どもたち同士の交流だったのに本当に残念」「急に子どもの気持ちが切られてしまった」との思いや、決定の前に「もう少し何とかならなかったのか」との声をうかがいました。こうした声に寄り添い、地域支援の事業をともに進めることを求めますがどうか。
【こども未来局長答弁】
市民の中には、様々なご意見があることは承知しておりますが、平成28年度補助金交付決定の取り消しを行った経緯から、当面、本制度は凍結することとし、今後、制度見直しを含めて検討して参ります。
【もりた真弓議員】
子どもの成長発達を暖かく見守り支えることに民族の違いはありません。交付目的や対象事業は違っても、12の政令市が補助金の対象としています。何らかの支援事業を行なうことを求めておきます。
●「千葉地区日朝女性の会」
・中村公江 千葉市議(共産党) ・松井佳代子 千葉市議(市民ネット)
・近藤千鶴子 千葉市議(公明党)
今のところ検索で引っかかったのは上記です。(また余力があるときにでも調べてみます)