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2251 ら特集10仙台弁護士会⑤2(0)
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仙台弁護士会
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平成26年08月19日 「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見書
ttp://senben.org/archives/5493
「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見書
2014年(平成26年)8月19日
内閣官房特定秘密保護法施行準備室「意見募集」係 御中
仙 台 弁 護 士 会
会長 齋 藤 拓 生
仙台市青葉区一番町2丁目9番18号
電話 022-223-1001
第1 はじめに
特定秘密保護法は,国民の知る権利やプライバシー権等の人権を侵害し,国民主権にも抵触する重大な問題をはらんでいる。したがって,同法は廃止されるべきであり,少なくとも抜本的な見直しがないままの施行は許されない。そして,法律自体に憲法上の問題がある以上,それに基づく施行令も制定されるべきではない。また,この点を置くとしても,2014年7月24日付けで,内閣官房特定秘密保護法施行準備室において公表され,意見募集がなされている「特定秘密保護法に関する法律施行令(案)」(以下「施行令案」という。)にも看過し難い問題があるため,以下のとおり意見を述べる。
第2 意見
1 総論
そもそも法律で定めるべき重要事項を政令及び運用基準において定めているという法形式自体に問題がある。政令及び運用基準は,法律の委任を受けて政府が定めるとされているが,白紙委任に等しい項目もあり,国民の権利義務に直結する重要事項は法律で定めるべきとの原則に照らしても問題がある。また,政令や運用基準が,法律と異なり,国会の議論を経ることなく改廃できる点においても大きな不安が残る。
 2 施行令案第3条第1号(法第3条第1項ただし書の政令で定める行政機関の長)について
(1)意見
法務省及び金融庁を施行令案第3条第1号に加えるべきである。
(2)理由
 2012年12月31日時点で法務省が保有していた特別管理秘密文書等の件数は,0件であった(平成25年3月12日衆議院議員赤嶺政賢君提出 特別管理秘密及び秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対する答弁書)。したがって,法務省については特定秘密の指定機関に加える必要性がない。同様に,2012年12月31日時点で金融庁が保有していた特別管理秘密文書等の件数は,49件に過ぎず(同上),特定秘密の指定機関に加える必要性は乏しい。また,同庁が国家の安全保障に関する情報を取り扱っているとも考えがたい。
 3 施行令案第3条第2号(法第3条第1項ただし書の政令で定める行政機関の長)について
(1)意見
原子力規制委員会を施行令案第3条第2号に加えるべきである。
(2)理由
 原子力規制委員会は,国民の生命・健康の安全に重大な影響を及ぼす原子力発電に関する情報を扱っている。同委員会が特定秘密の指定機関となり,これらの情報を特定秘密に指定できるようになると,これらの情報にアクセスしようとする取材活動までもが刑事罰の対象になりかねず,国民が知るべき情報を入手できなくなってしまうおそれがある。公開するのが好ましくない情報については情報公開法の不開示情報該当性の問題として扱うことで十分であり,情報漏えい策としては公文書管理システムの適正化を徹底することで対応できる(日弁連2013年10月23日付け「秘密保護法制定に反対し,情報管理システムの適正化及び更なる情報公開に向けた法改正を求める意見書」参照)。
4 特定秘密保護法第4条第4項第7号について
(1)意見
 施行令案には,特定秘密保護法第4条第4項第7号の政令で定める情報が規定されていないが,今後も規定すべきではない。また,法第4条第4項第7号は削除すべきである。
(2)理由
 特定秘密保護法第4条第4項第7号は,同項第1号ないし第6号以外の情報でも政令で定めることができるとしている。しかし,これでは60年を超えて秘密指定できる情報の範囲が無限定に広がりかねない。したがって,今後も同号に基づき政令で定める情報を規定すべきではない。
また,そもそも同号のように政令に白紙委任するような規定は国会によるチェックを無にしてしまうものであって適切ではないから,このような規定は削除すべきである。
5 施行令案第12条(行政機関の長による特定秘密の保護措置)について
(1)意見
 特定秘密の保護措置は,政令や運用基準に委ねるのではなく特定秘密保護法で明記すべきである。
また,施行令案第12条第1項第10号は特定秘密の漏えいのおそれがある緊急事態に際して特定秘密文書等の廃棄を定めているが,これは法律の委任の範囲を逸脱するものであるから削除すべきである。
(2)理由
 特定秘密の保護措置は,特定秘密の保護を目的とする法律の中心的な事項であるから,本来法律で明記すべき事項である。にもかかわらず,政令や運用基準に委ねることは,国会によるチェックを無にしてしまうものであって適切ではない。また,施行令案第12条は特定秘密保護法第5条第1項に基づくものであるところ,同項では政令への委任の範囲として特定秘密文書等の廃棄にまでは言及していない。にもかかわらず,政令で廃棄を規定することは法律による委任の範囲を逸脱するものである。
6 施行令案第21条(評価対象者に対する告知等)について
(1)意見
書面による告知及び同意は,包括的なものになるおそれがあり適切ではない。
(2)理由
 施行令案第21条は,評価対象者に対する告知及び同意は「書面により行う」としている。しかし,同意書は適性評価の調査実施前に取り付けることとされているところ,運用基準案で示されている同意書の内容は包括的なものであり,具体性に欠ける。これではどのような事項について,どのような調査(調査のためにどこに照会するのか,どのような内容の調査をするのか等)が具体的に分からないまま同意書提出を余儀なくされてしまいかねず,プライバシー保護としては不適切である。以 上

 平成26年07月11日 死刑執行に断固抗議し,死刑執行を停止するとともに,死刑に関する情報を広く公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を求める会長声明
2014年(平成26年)7月10日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生
ttp://senben.org/archives/5270

平成26年07月01日 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に強く抗議しその即時撤回を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/5254
本日,安倍晋三内閣は,従来「自衛権発動の三要件」の第1要件とされていた「我が国に対する武力攻撃が発生した場合」に加え,「又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これにより我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」にも自衛権を行使できるとする閣議決定を行った。これは,集団的自衛権の行使を容認するものであり,従来の政府の憲法解釈の変更である。自国が攻撃されていないにもかかわらず,他国間の戦争に軍事的に関与することを可能にする集団的自衛権の行使は,前文で平和的生存権を確認し,第9条で戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認を定めた恒久平和主義をとる日本国憲法の下では許されない。それ故,日本政府も過去数十年にわたり,集団的自衛権については憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難いとして,その行使は憲法上許されないとの見解を示してきた。従来の政府解釈を変更し,集団的自衛権の行使を容認する本日の閣議決定は,日本国憲法の基本原理である恒久平和主義に反する。同時に,閣議決定により憲法による歯止めを緩和させる解釈変更は,憲法によって国家権力を制約するという立憲主義に反するとともに,厳格な憲法改正手続を定めた第96条を潜脱して実質的に憲法改正を行おうとするものである。当会は,このような憲法に違反する閣議決定に強く抗議するとともに,その即時撤回を求める。
2014年(平成26年)7月1日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生

平成26年06月12日 行政書士法改正に反対する会長声明
2014(平成26)年6月12日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生
ttp://senben.org/archives/5221
平成26年06月12日 地方教育行政法改正案に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5225
2014年(平成26年)5月20日,教育委員会制度を見直すことを主たる内容とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正案(以下,「本改正法案」という)が衆議院本会議で可決され,現在参議院で審議されている。本改正法案は,現行教育委員会制度を根本的に変更し,①現行の教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」をおき,②首長にその任免権を与える(新「教育長」の任期は3年に短縮),そして,③首長が主宰する常設機関として「総合教育会議」を設置し,同会議において,政府の教育基本振興計画を参酌して教育行政の大綱的方針を決定することなどを内容としている。これは,自治体の首長が教育行政の中身に直接関与できるようにするものであり,更には,地方教育行政についての国(文部科学大臣)の関与権が強化されているものである。しかし,こうした教育委員会制度の根本的変更の必要性については,十分に検証されているとは言いがたい。現行の教育委員会について,何らかの改善が必要とされる点があるとしても,現行教育委員会制度を本改正法案のような内容に変更しなければならない必要性については疑問がある。まして,首長が教育行政の中身に直接関わり,国の関与権が強化される制度に改正する必要性は見いだせない。また,そもそも現行の教育委員会制度が採用された際の基本理念は,①地方教育行政の政治的中立性の確保の要請,②教育行政の継続性・安定性の確保の要請,③地方教育行政への住民意思の反映の要請という点にあり,これらの要請は,教育への不当な支配・介入を禁止し,自主性・自律性という教育の本質的要請に応え,ひいては子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等の基本的人権の十分な保障を確保しようとするものであった。本改正法案のように,教育委員会制度が根本的に変更され,自治体の首長が教育行政の中身に直接関わるようになれば,教育は,国家から管理統制されたり,政治の介入により偏向することになりかねない。そうなれば,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害されるおそれがあり,日本の教育の将来に大きな禍根を残すことが強く懸念される。当会は,これまで,教育基本法の改正の際にも,一貫して,教育に対する国家の管理統制と政治の介入に反対してきたところである。今また,当会は,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害される危険性をはらむ,政治による教育への不当な支配・介入が行われるおそれの大きい本改正法案に強く反対する。
2014年(平成26年)6月12日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生

平成26年05月23日 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法」)に反対する会長声明
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1 2013年(平成25年)12月、国際観光産業振興議員連盟(通称「IR議連」)に所属する有志の議員によって、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」案(以下「カジノ解禁推進法案」という。)が国会に提出され、今国会において審議されると報道されている。
 2 IR議連は、観光振興、地域振興に資する成長戦略の一つとしてカジノ解禁推進法案を位置づけており、いわゆる「IR方式」(統合型リゾート方式。ここでは、カジノ施設、会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設を一体として設置する手法をいう。)を用い、複合施設を作ることで、観光振興と国・地方の経済の活性化、財政への寄与が期待されるとしている。一方、暴力団の介入や犯罪の温床になることへの懸念、マネーロンダリングへの懸念、地域風俗環境の悪化、公序良俗の乱れへの懸念、青少年に対する悪影響への懸念、ギャンブル依存症患者の増大等の社会的な懸念要因については、カジノを設置運営する民間事業者を適切に管理すること等により払拭できるとする。
 3 しかし、カジノ先進国であるアメリカ議会上院の調査報告(米国ギャンブル影響調査委員会報告書:National Gambling Impact Study Commission Report 1999)によれば、カジノ建設によって税収と雇用の増加は認められるものの、他方で多くのギャンブル依存症(病的賭博)患者が生み出されるほか、犯罪、破産、自殺、抑鬱症などの病気が増加し、社会的サービス費用(失業保険や精神治療にかかる費用)、政府の規制費用等の社会的コストが増大することが指摘されている。特にギャンブル依存症については、その治療困難性がつとに指摘されており、カジノ解禁により確実に生じるであろうギャンブル依存症患者にかかる社会的コストは軽視できない。カジノ解禁は、一面では経済振興をもたらすとしても、社会的コストの増加も回避できず、有効な経済成長戦略といえるか、疑問を禁じ得ない。また、カジノへの暴力団や反社会的集団による介入を完全に排除することは困難であり、したがって、カジノ施設及びその周辺において、犯罪の温床となる、地域風俗環境が悪化する、公序良俗が乱れる、青少年健全育成が阻害される等の悪影響等を引き起こす懸念は大きい。そもそもカジノは賭博場そのものである。我が国においては、賭博行為は、国民に怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、勤労の美風を害するばかりでなく、犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあるとして禁止されている(刑法第185条及び刑法第186条)。カジノ解禁によってもたらされる悪影響については、この賭博罪の立法趣旨も踏まえ十分かつ慎重な検討がなされるべきであって、経済振興のみをもって推進することは国の政策として失当であると言わざるを得ない。
 4 また、被災地においては、住居や職を失った喪失感などから、被災者がギャンブル依存に陥る例が少なくないとされる。ギャンブル依存症が、被災者個人の生活の再建を遅らせかねない。
 5 以上のとおり、カジノが解禁されれば、刑事罰をもって賭博を禁止してきた立法趣旨が損なわれ、上記のようにギャンブル依存症患者や、犯罪、破産、自殺等の増加等さまざまな弊害や悪影響が現実化するおそれがある。また、カジノ解禁の唯一の根拠である経済振興自体、同時に生み出される社会的コストを考慮すれば、法案を成立させる根拠となりえない。よって、当会はカジノ解禁推進法案に断固反対する。

2014年(平成26年)5月23日仙台弁護士会会長  齋 藤 拓 生

平成26年05月16日 法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会「事務当局試案」に関する会長声明
ttp://senben.org/archives/5148
2014年(平成26年)4月30日に開催された,法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会(以下「特別部会」という)の第26回会議において,事務当局試案(以下「本試案」という)が公表された。しかし,本試案には以下のとおりの問題がある。
1 取調べの可視化が不十分である
本試案には,取調べの可視化の対象について,裁判員制度対象事件の取調べに限定するA案と,裁判員制度対象事件に加えて全身柄拘束事件における検察官取調べとするB案が併記されている。A案では,特別部会設置の契機とされた郵政不正事件のほか,志布志事件,パソコン遠隔操作事件,痴漢えん罪事件など多くの事件が可視化の対象とならない上,裁判員制度対象事件は全公判事件の2パーセント未満に過ぎないことから,可視化は原則ではなく,例外的に行われるものとなってしまう。B案でも,司法警察職員の取調べや身柄拘束のない事件における検察官取調べを対象としておらず,えん罪の原因となってきた密室における取調べが残存することとなり,取調べの適正化を図り,被疑者の黙秘権を保障しようとする可視化制度の目的を達成することは不可能である。また,本試案は「記録をすることが困難であると認めるとき」「記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき」等を可視化の例外事由としており,取調官の判断により可視化されない場合を広く認める余地を残している。本試案が示す取調べの可視化制度は,これまで当会が求めてきた,取調べの全事件全過程の例外なき可視化とはほど遠いものであって,容認できない。
2 通信傍受の対象拡大・手続簡略化には反対する
本試案には,「通信傍受の合理化・効率化」として,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(以下「通信傍受法」という)の適用対象となる犯罪を,一定の要件のもとで現住建造物放火,殺人,傷害,逮捕・監禁,略取・誘拐,窃盗,強盗,詐欺,恐喝にまで拡大し,さらに,現行の通信傍受法が通信傍受時における通信事業者の立会を要件として規定している点を変更して,捜査機関が通信事業者の立会なくして通信を傍受できる制度が示されている。しかし,現行の通信傍受法が定める通信傍受それ自体が,憲法が国民に保障する通信の自由をはじめとして,思想の自由,言論の自由,結社の自由,プライバシー権等の基本的人権を侵害する「盗聴」であり,また,通常の捜査とは異なり,捜査の対象となる通信が特定されず,かつ,事前に捜査の対象者に令状が提示されない点で憲法35条が定める令状主義に違反している疑いが強いものである。通信傍受法制定時にも同様の議論があり,その結果として通信傍受の対象は組織的銃器犯罪や組織的薬物犯罪などごく一部の犯罪に絞られているのである。そのような通信傍受について,対象犯罪を現行法よりも大きく拡大し,さらに通信事業者の立会を不要とする内容に改正することは憲法違反となる可能性が非常に高いのであり,許されるものではない。本試案が法案要綱案としてこのまま取りまとめられたとすれば,国民の通信の秘密の保障やプライバシー権が侵害される事態が生ずる懸念がきわめて強い。当会は,通信傍受の対象拡大・手続の簡略化については断固反対するものである。
3 証拠開示制度が不十分である
本試案には,証拠の一覧表の交付制度が示されているが,この一覧表には文書の要旨(内容を識別できる程度の事項)の記載が求められていないから,その内容が不明である。また,同制度は公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件のみに適用されるものであるから,被疑者・被告人の権利保障の観点からは不十分と言わざるを得ない。当会が従前求めてきた全面的証拠開示制度の創設が検討されるべきである。
4 被告人の虚偽供述禁止規定は被告人の黙秘権・防御権を侵害する
本試案には,被告人の虚偽供述禁止の規定が示されているが,この規定があることによって,起訴事実を否認する被告人が黙秘をした場合には,裁判官・裁判員に,「黙秘するのは,犯行を否認する供述をすると虚偽供述禁止規定に違反するからだ。犯行否認が虚偽だから黙秘している。」との心証を抱かせるおそれが高まり,そのため被告人は,実際上,黙秘権を放棄して被告人質問に応じざるを得なくなることから,被告人の黙秘権,防御権を侵害する危険性が高い。
 以上のとおり,本試案には,捜査の適正化という特別部会の設置趣旨を踏み外し,取調べの可視化や証拠開示は不十分なものにとどまり,さらに通信傍受という憲法違反の疑いのある捜査手法を拡充する等という,重大な問題がある。当会は,特別部会に対し,被疑者・被告人の権利保障を実質化する法制度を確立するという出発点に立ち戻っての議論を行うことを強く求めるものである。
2014年(平成26年)5月16日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生

平成26年05月03日 憲法記念日に当たって集団的自衛権の行使容認に改めて反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5138
本日,日本国憲法が施行されてから67年目の憲法記念日を迎えた。日本国憲法は,近代立憲主義に基づき,国民主権及び基本的人権の尊重を基本原理とするとともに,第二次世界大戦の痛切な反省を踏まえ,前文で平和的生存権を確認し,第9条で戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認を定めるなど徹底した恒久平和主義を基本原理として採用し,戦後日本の平和国家としての発展を支えてきた。ところが,昨年来,政府は,憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する動きを急速に進めている。いわゆる安保法制懇は本年5月中旬にもこれを容認すべきとする報告書をまとめ,政府もこれを容認する閣議決定をする予定であると報道されている。自国が攻撃されていないにもかかわらず実力を行使することを正当化する集団的自衛権は,その本質は他国防衛にほかならず自衛権とは全く別物であって,これを認めることは,他国間の戦争に日本が軍事的に関与する可能性を著しく増大させ,平和国家としての国のあり方を根本から変えることになる。政府は,過去数十年にわたって,日本国民の平和的生存権や,憲法第13条が生命等に対する国民の権利を国政上尊重すべきとしている趣旨を根拠に,外部からの武力攻撃によって国民の生命等が危険にさらされるような場合,すなわち我が国に対して武力攻撃が加えられた場合には,これを排除するために必要最小限度の範囲で実力を行使すること(個別的自衛権の行使)は憲法に違反しないと説明する一方,集団的自衛権については,国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり,憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難いとして,その行使は憲法上許されないとの立場を堅持してきた。集団的自衛権の行使を容認しようとする今般の政府の動きは,恒久平和主義に反するとともに,憲法の基本原理に関わる解釈の重大な変更を一内閣の判断で行おうとする点で,憲法により国家権力を制約するという立憲主義に反する。また,閣議決定により実質的に憲法改正を行うものとして,厳格な憲法改正手続を定めた憲法第96条を潜脱するものである。当会は,2013年(平成25年)10月18日付け会長声明において,憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に強く反対する旨表明したが,施行から67年目の憲法記念日を迎えるに当たり,日本国憲法の立憲主義の意義を再確認するとともに,恒久平和主義という基本原理を解釈変更によって実質的に改変し,集団的自衛権の行使を容認しようとする動きに対し,改めて強く反対する。

2014年(平成26年)5月3日仙台弁護士会 会長齋藤拓生

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