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2018-01-15 19:41
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どんたく岐阜弁護士会
平成15年3月28日教育基本法「改正」に反対する声明
ttp://www.gifuben/org/oshirase/seimei/seimei030328.html
中央教育審議会(中教審)は、本年3月20日、教育基本法の「改正」について文部科学大臣に「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について」と題する答申(最終答申)を行った。
 教育基本法は、現憲法と同じ1947年に施行され、憲法の理想の実現を「教育の力にまつ」という理念に基づき、憲法に照らして教育がなすべきことと行ってはならないことを定めたもので、準憲法的な性格を持つものである。また、国際人権規約・子どもの権利条約(児童の権利条約)など、時代の進展や国際的な人権意識の向上にも十分対応できる法律である。従って、その改革には、その必要性を含め、十分かつ慎重な対応が必要である。
 ところで中教審は、現在の教育現場に「いじめ、不登校、中途退学、学級崩壊」などさまざまな問題を解決するために教育基本法の見直しをするとした。しかしながら、最終答申は、「人格の完成を目指し、心身ともに健康な国民の育成を期して行われるものであるという現行法の基本理念を引き続き規定することが適当」である、つまり教育の「危機的状況」は教育基本法に原因があるのではないとしており、改正の理由は消滅したと言える。ところが最終答申は、現行法の基本理念に加えて「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、道徳心、自立心の涵養」や「日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心の涵養」などを、新たな教育の基本理念として規定することが必要であるとしている。しかしながら、これらは個人の内心の問題であり、しかも意味内容もあいまいである。これらの理念が教育基本法に規定されれば、それが強制されることとなり、憲法で保障された思想・良心の自由を侵害するおそれがある。現に、国旗・国歌法の制定以後、学校現場や地域社会で「日の丸・君が代」が事実上強制されている現状がある。
 また、最終答申は、男女共学に関する教育基本法第5条は削除するのが適当としている。しかし、学校教育の現状は、固定的性別役割分業意識や職業での差別分離を生じさせているなど、真の男女平等教育実現の観点からは数多くの問題があり、男女共学はより一層推進されるべきであって、削除するのは問題がある。
 さらに、最終答申は、教育振興基本計画の策定の根拠を教育基本法に設けることとしている。しかし、教育振興基本計画には学校教育・家庭教育・生涯教育など市民生活全般にわたって教育の在り方や内容についての施策が盛り込まれるのであり、教育内容に対する積極的な国家介入を可能にする道が開かれることになる。
 現在の教育における問題は、教育基本法にあるのではなく、むしろそれに反する画一的な教育やエリート養成教育等にあるのであり。教育基本法の掲げる理念に近づける努力が引き続き必要なのである。今、教育基本法を「改正」する必要はないものといわなければならない。
 当会は、こうした意味で、この最終答申には重大な問題があるし、教育基本法の理念を後退させる「改正」には反対であることを表明する。
2003年(平成15年)3月28日  
岐阜県弁護士会 会長 河合良房
 

平成14年12月7日心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療および観察等に関する法律案に反対する声明
ttp://www.gifuben.org/oshirase/seimei/seimei021207-1.html
政府は、本年3月15日国会に提出したものの継続審議となった「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療および観察等に関する法律案」(以下、政府案という)を、12月6日衆議院法務委員会において修正のうえ強行可決させ、成立させようとしている。
この政府案の骨子は、殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ及び傷害の行為に当たる行為(対象行為)を行い、心神喪失または心神耗弱であることを理由に、不起訴処分を受けたり、無罪判決あるいは執行猶予付き有罪判決を受けた者について、継続的な医療を行わなくても再び対象行為を行う恐れが明らかにないと認められる場合を除き、検察官は原則として裁判所に対し審判を求めなければならず、裁判所は、裁判官1名と精神科医師1名との合議体で、「医療を行わなければ心神喪失又は心神耗弱の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合」には、入院ないし通院決定を行うというものである。
そして、修正案は、この「再び対象行為を行うおそれ」を削除して、「同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するため、医療を受けさせる必要がある場合」としたのである。
しかし、この政府案及び修正案には多くの問題点が存在している。
 1.政府案の「再び対象行為を行うおそれ」とは再犯のおそれにほかならず、修正案の「同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するため、医療を受けさせる必要がある場合」も結局は再犯の予測であって、これを予測することは医学的にも困難なものとされている。従って、その信頼性の極めて乏しい、不確実な再犯予測を前提に、入院期間の更新により無期限に及ぶことのあるような身柄拘束を可能とすることは重大な人権侵害となるおそれがある。また、その判断に当たっては、精神障害者の治療よりも治安のための隔離が優先され、予防的な拘禁になるおそれもある。
2.政府案・修正案によれば、事実の取調、責任能力の有無の認定手続は、非公開であり、職権主義的であり、弁護士である付添人や本人に証拠取調請求権を認めていないし、遡及処罰の禁止や二重処罰の禁止を定めていない。重大な人権制限を課する手続であるにもかかわらず、憲法31条以下の適正手続が保障されていないのである。
3.政府案・修正案は、退院した対象者を保護観察所の監督に服させて通院を確保しようとしている。しかし、保護観察所は、元来刑事政策を担当する機関であり、精神医療の専門機関ではない。同所の監督によって、精神医療の現場に対し、刑事政策的影響が強まる危惧を払拭し得ないのである。
4.政府案・修正案は、重大な他害行為を行った精神障害者を入院・通院において他の精神障害者から分離して処遇しようとしている。しかし、精神治療という観点からは、重大な他害行為を行った精神障害者と他の精神障害者の間で違いはないと言われているのである。
5.そもそも、精神障害者による犯罪行為に当たる事件は、一般市民のそれと比べて、発生率、発生件数ともに高くはなく、再犯率に至っては極端に低いと言われている。時として起こる不幸な事件は精神医療の提供がなく、もしくは医療の中断という事態の中で生じているのである。従って、緊急不可欠な課題は、これら不幸な事件を防止するための精神医療の改善・充実であり、地域における精神障害者に対する偏見や差別をなくし、人権に配慮した地域精神医療体制を確立することである。
 ところが、政府案・修正案は、精神医療の改善・充実策を全く提示しないまま、「犯罪」をおかした精神障害者を隔離し、上記のような人権侵害のおそれの強い特別な処遇を定めようとするものである。それどころか、「精神障害者は危険である」という差別・偏見を助長するものとなりかねない。
 よって、当弁護士会は、政府案・修正案に反対するとともに、早急に精神医療の改善・充実が図られることを求めるものである。
2002年(平成14年)12月7日  
岐阜県弁護士会 会長 河合良房

 

平成15年4月12日個人情報保護法案に対する会長声明
ttp://www.gifuben.org/oshirase/seimei/seimei030412.html
 民間部門を対象とする個人情報保護法案と行政機関を対象とする行政機関個人情報保護法案の審議が、4月8日に衆議院ではじまった。前者については主にメディアの取材・表現の自由・国民の知る権利を侵害するものとして、後者については情報の収集制限、不正行為者に対する罰則規定がないなど民間に比べ行政機関に甘い法案であるとして、市民、メディア、弁護士会からの強い批判を受けた。岐阜県弁護士会では、前者については2002年(平成14年)6月7日に、後者については2002年(平成14年)5月30日に、両法案の根本的な見直しを求める会長声明をおこなった。その結果、昨年秋の臨時国会で廃案となった経緯がある。
 政府はこれらの批判を受け、個人情報保護法案についてはメディアに対する一定程度の配慮をし、行政機関個人情報保護法案については個人情報の不正な提供行為に罰則規定を設けるなどの修正をしたが、いずれも以下に述べる通り、個人情報の保護について看過できない重大な問題のある法案といわざるを得ない。
1.個人情報保護法案について
 法案は、依然として、すべての民間部門を一律に規制するという基本構造をとっているが、民間部門の中には、一方でメディア、弁護士、NGOその他の団体ないし個人があり、他方で個人信用情報を悪用する名簿業者などがある。これらを一律に規制する法案の構造は、前者については規制が厳しすぎその本来的な活動を抑制してしまうことになり、後者については規制としての実効性がなく、名簿業者等を野放しにする結果となる。
 法案は、メディアの取材・表現の自由に対する配慮をしたとするが、「出版」が適用除外から外されており、また「報道」の定義の解釈につき、主務大臣が「客観的事実の報道ではない」と判断をすれば政府が取材・報道に事前に介入できる余地があるなど、以前としてメディアの取材・表現の自由に対する侵害のおそれがある。
 インターネットその他の通信手段の急激な発展にともない、メディアのみならず、弁護士・弁護士会、NGO、個人などが情報を収集し、意見表明をする比重が高まっている現状を前提にすれば、個人情報保護法が、弁護士・弁護士会、NGO、個人などの情報収集、意見表明の妨げとなることは許されない。法案は、すべての民間部門を主務大臣の監督下においているので、これらの団体や個人の表現の自由を侵害する危険性がある。
 そこで当面は、個人信用情報、医療情報、教育情報など、国民だれもが強い不安を感じている個人情報の侵害の危険性の高い分野についてだけ、その特性を考慮した上で、必要な限りで罰則を伴った分野別個別法の立法がなされるべきである。
2.行政機関個人情報保護法案について
 ほとんどの自治体の個人情報保護条例では、思想、信条、病歴、犯罪歴などの他人に知られたくないセンシティブ情報の収集制限を規制しているが、法案はこれを規制していない。
 法案は、「相当な理由」があれば、個人情報を目的外に利用したり、他の行政機関に提供することを認めているが、その判断は第三者機関ではなく当該行政機関が行うため、利用提供制限の歯止めにはならないと考えられる。
 更に昨年8月に稼働を開始した住民基本台帳ネットワークシステムでは、国民全員に対し11桁の番号が付番されたが、法案では、この番号をマスターキーとして個人情報が一元管理されることになる。これでは個人情報は保護されず、本年8月からの住基ICカードの交付など住民基本台帳ネットワークシステムの本格稼働により、国民総背番号制を導く危険性が高い。
 そこで今般の法案についても、以上の点の抜本的修正が為されない限り、岐阜県弁護士会は法案の成立に反対する。
2003年(平成15年)4月12日 
岐阜県弁護士会 会長 安藤友人

 

平成14年5月30日「有事法制」法案に反対する会長声明
ttp://www.gifuben.org/oshirase/seimei/seimei020530-4.html
4月17日、政府は衆議院に「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」(「武力攻撃事態」法案という)、「安全保障会議設置法の一部を改正する法律案」(安全保障会議設置法「改正」法案という)、「自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」(自衛隊法等「改正」法案という)を上程した(以上を有事法制3法案という)。
 しかし、この有事法制3法案には、憲法原理に照らし、少なくとも以下に指摘する重大な問題点と危険性が存在する。
1.「武力攻撃のおそれのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」までが「武力攻撃事態」とされており、その範囲・概念は極めて曖昧である。政府の判断によりどのようにも「武力攻撃事態」を認定することが可能であり、しかも国会の承認は「対処措置」実行後になされることから、政府の認定を追認するものとなるおそれが大きい。
2.いったん内閣により「武力攻撃事態」の認定が行なわれると、陣地構築、軍事物資の確保等のための私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物質(資)の輸送、戦傷者治療等のための市民に対する役務の強制、交通、通信、経済等の市民生活・経済活動の規制などを行なうことにより、市民の基本的人権を大きく制限することとなるが、これは憲法規範の中核をなす基本的人権保障原理を変質させる重大な危険性を有する。
3.憲法上の疑義がある自衛隊が、周辺事態法と連動し、且つ曖昧な概念の下で拡張された「武力攻撃事態」において行動することになれば、憲法の定める平和主義の原理、憲法9条(戦争放棄、軍備及び交戦権の否認)に抵触するのではないかとの重大な疑念は一層大きくなる。
4.武力の行使、情報・経済の統制等を含む幅広い事態対処権限を内閣総理大臣に集中し、その事務を閣内の「対策本部」に所掌させることは、行政権は合議代である内閣に属するとの憲法規定と抵触し、また内閣総理大臣の地方公共団体に対する指示権及び地方公共団体が行なう措置を直接実施する権限は地方自治の本旨に反し、憲法が定める民主的な統治構造を大きく変容させ、民主政治の基盤を侵食する危険性を有する。
5.日本放送協会(NHK)などの放送機関を指定公共機関とし、これらに対し、「必要な措置を実施する責務」を負わせ、内閣総理大臣が、対処措置を実施すべきことを指示し、実施されない時は自ら直接対処措置を実施することができるとすることにより、政府が放送メディアを統制下に置き、市民の知る権利、メディアの権力監視機能、報道の自由を侵害し、国民主権と民主主義の基盤を崩壊させる危険を有する。
 以上のように、有事法制3法案は、武力又は軍事力の行使を許容するための強大な権限を内閣総理大臣に付与する授権法であり、基本的人権侵害のおそれ、平和原則への抵触のおそれだけでなく、憲法が予定する民主的な統治構造を変容させ、地方公共団体、メディアを含む指定公共機関の責務と内閣総理大臣の指示権、直接実施権及び国民の協力・努力義務を定めることにより、国家総動員体制への道を切りひらく重大な危険性を有するものである。
 従って、当弁護士会は、法案の持つ重大性、危険性に鑑み、法案の問題点を国民に明らかにすると共に、上記理由に基づき、有事法制3法案に反対し、同法案を廃案にするように求めるものである。
2002年(平成14年)5月30日  
岐阜県弁護士会 会長 河合良房

 

平成14年5月30日住民基本台帳ネットワークシステムの稼働の延期を求める声明
ttp://www.gifuben.org/oshirase/seimei/seimei020530-3.html
1.1999年(平成11年)8月、住民基本台帳法が改正され、新しく住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)
が全国3300の市町村(特別区を含む。以下同様)で採用されることになり、今年8月から施行されることになった。
 住基ネットは、市町村に住民登録している国民全員に11桁の住民票コードをつけ、行政事務手続において本人確認手段として機能させようとするものである。コンピューターによる情報管理が進んでいる行政実務において、住民票コードは本人確認を必要とする行政事務の効率化に
著しく寄与するものと期待されている。電子政府化を進めている中央省庁の期待は特に大きい。
2.しかし、他方、この制度には人権、セキュリティ、コスト、地方分権などに関して多くの疑問がある。住基ネットによるとあらゆる行政分野で特定の個人は特定の番号で情報が管理されることになるので、行政機関にとって特定の個人の情報を集中することが従来に比べて技術的に
極めて容易になり、法律上も行政個人情報保護法案が行政機関同士での個人情報の相互提供を広く認めていることから、行政機関が個人を総合的に監視することが可能になってしまう。番号を変更しても従来の番号と照合する仕組みになっているので、過去の情報を生涯管理され続けることになる。のみならず、コンピューター管理されることで次世代、次々世代までもずっと個人情報が管理され続けることになる。このような個人情報の管理は人間の尊厳(憲法13条)を侵すものである。
 住基ネットのセキュリティが極めて脆弱であることは、住基ネットの実態を知るコンピューター専門家が異口同音に指摘するところである。
すなわち、コンピューターは情報の流通においては極めて便利であるが、情報管理については現時点ではまだ極めて不十分なレベルにあり、日本は世界的レベルからみるとかなり低いところにあるから、容易にハッカーに侵入される。3300の市町村が高度に同一レベルのコンピューター管理を形成し維持し続けることは不可能であり、日常的にハッカーに侵入されることになり、ときには悪質な情報の書換えなどで大事件が起こるだろう。
 これらに的確に対処するためには常に新たなセキュリティにコストをかけなければならなくなるが、現在の国及びすべての市町村にとって
際限のないセキュリティに費用をかけ続けるだけの財政的な余力があるのかという点も疑問である。
 日弁連が昨年11月から12月にかけて実施した全国市町村アンケートの結果によれば、プライバシー侵害に関する危惧を抱いている市町村が少なくなかった。セキュリティを高めるための経費が高額になることに不安を抱いている市町村も多かった。各市町村が独自の判断で住基ネットに入るか否かを選択しているのであれば、問題が起こったときにその自治体の責任において対応するということでよいが、住民基本台帳
 法は市町村の独自の判断による加入非加入の自由を認めていない。これは地方自治の本旨(憲法93条)を侵害する可能性がある。
3.コンピューターネットワークシステムは世界中が強い関心を抱く魅力的な仕組みではある。しかしバラ色の側面だけに目を奪われると取り返しのつかない重大な問題を引き起こしかねない。だからこそ他国では技術的に可能であっても未だ日本の住基ネットと同じ制度を採用していないのである。日本がここで拙速に「電子政府」の夢に向かって爆走すべき理由はない。人権、セキュリティ、コスト、地方自治などについて多分野の専門家が継続的多面的に検討しながら、堅実な電子政府を構築して行くべきである。
 今年8月からの住基ネットの施行を延期するとともに、新たな電子政府、電子自治体の構想づくりとその構想に基づく仕組みが検討されるべきである。
2002年(平成14年)5月30日  
岐阜県弁護士会 会長 河合良房

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