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2018-01-17 21:45
2298 ら特集鳥取弁護士会①(0)
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鳥取県弁護士会
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【会長声明】死刑執行の報に接し、改めて死刑制度の見直しを求める会長声明
2017(平成29)年7月13日、広島拘置所において34歳の男性死刑囚1名、大阪拘置所において61歳の男性死刑囚1名に対し、死刑が執行された。今回の死刑執行は第2次安倍内閣以降11回目で、合わせて19人となる。また、2006(平成18)年の第1次安倍内閣と合わせると安倍政権下における死刑執行は29人となる。
 死刑は、生命をはく奪する刑罰であり、国家の国民に対する重大かつ回復不可能な人権侵害である。しかも、刑事司法制度は不完全な人が作り、これを運用するものであるから、常に誤判・えん罪の危険が存在する。再審無罪判決がなされた4件の死刑確定事件(免田事件、財田川事件、島田事件、松山事件)は刑事司法制度の不完全性を如実に示している。
 また、死刑制度の犯罪抑止力に関しては長く議論されてきたところであるが、死刑制度が他の刑罰よりも犯罪抑止力があることについて疑問の余地なく実証された研究はない。むしろ、その効果に疑問を呈するデータ結果もある。死刑制度については、その廃止も含めた見直しをする必要がある。
 他方で、死刑制度に対しては、その存続を求める声も多くある。犯罪により生命を奪われた被害者は、痛みとともに死の恐怖に襲われ、そして輝かしい未来が奪われる。遺族もまた、被害者の無念を想い、地獄の苦しみが続く。このような重大犯罪は決して許されるものではなく、犯罪被害者の遺族が厳罰を望むことは自然なことである。死刑制度について検討する際、我々は当事者である犯罪被害者及び遺族の心情に真摯に向き合うことを決して忘れてはならない。
 確かに、死刑制度の存廃は非常に難しい問題であり結論を容易に出すことができない。しかし、引き続き犯罪被害者及び遺族に対する支援を推し進め、またできるだけ犯罪被害者及び遺族の心情に沿った代替刑を検討しながら、死刑制度について廃止も含めた抜本的な検討を行い、見直しをしていくべきである。そして、国は、そのような議論に資するため、死刑執行の基準、手続、方法等の情報を十分に公開しなければならない。
 鳥取県弁護士会は、2013(平成25)年と2014(平成26)年に、死刑制度の存廃を含めた国民的議論と国家的検討の施策を講じること、及びその間の死刑執行の停止を求める会長声明を発してきたが、国において、これまで何らの措置もとられることなく時が経過し、事務的に死刑が執行され続けていることは極めて遺憾である。
 当会は、このたびの2名の死刑執行の報に接し、このような現状に強く抗議するとともに、死刑制度についての全社会的な議論を求め、この議論が尽くされるまでの間、死刑執行を停止するために必要な措置を直ちに講じることを改めて強く要請する。
2017(平成29)年9月22日
鳥取県弁護士会 会長 岸 田 和 久

【会長声明】いわゆる共謀罪を含む改正組織的犯罪処罰法の成立に抗議する会長声明
本年6月15日,いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下,「本法案」という。)が,参議院の法務委員会の裁決が省略されるという異例の手続きにより,参議院本会議で採決され,成立した。このこと自体,数の力による暴挙であり,立法府の劣化との批判を免れない。
 これまで当会は,対象犯罪が277にも及び組織犯罪やテロ犯罪とは無縁の犯罪も含まれること,一般市民も捜査対象になりうること,日常的行為も準備行為とされるため処罰対象に歯止めがかかっていないこと,市民の社会生活に影響を及ぼす監視社会になることなどを理由に,一貫して本法案の制定に反対してきた。国会のこれまでの審議を経てもなお,本法案がテロ犯罪以外に適用されることは明白であるうえ,一般市民が捜査の対象になることや捜査機関による権限濫用の懸念は払しょくされていない。さらに,本法案の危険性はもとより,そもそも本法案の内容や立法の必要性自体が,市民に理解されたとは言い難い。確かに,世界各地でテロが頻発する状況の中,自由が一定程度制約されたとしても,犯罪のない安全な社会を求める声がある。しかし,本法案がこれらの声に応えることができるわけではない。何より,本法案の成立により,健全な民主主義社会が崩壊することが強く危惧される。なぜなら,健全な民主主義は,少数意見も含めた多様な意見が自由に表明され,議論されることにより担保されるが,例えば,時の政府の進める安全保障政策やエネルギー政策に反対する市民が,監視・捜査対象となることを懸念し,意見表明やその準備行為をすること自体を委縮または自制することになりかねないからである。本法案の審議経過により,かかる懸念はより強固なものとなった。
よって,当会は,本法案の成立に強く抗議するとともに,引き続き,成立した法律の廃止に向け取り組みを行っていく所存である。
2017年(平成29年)6月22日
鳥取県弁護士会  会長 岸 田 和 久

【会長声明】「共謀罪」と趣旨が同じ「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法改正法案の国会への提出に強く反対する会長声明
政府は、過去に3回も廃案になった共謀罪と何ら趣旨が変わらないテロ等準備罪を今通常国会に提出する予定であると報道されている。
 安倍首相は、テロ等準備罪について、本年1月23日の国会答弁において、「共謀罪と呼ぶのは間違い」と述べ、その創設に強い意欲を示しているが、報道されている法案では、共謀段階で犯罪成立という基本的枠組みが全く変わっていない以上、両者は基本的に同一のものである。
 このテロ等準備罪については、以下のような問題点がある。
 第1に、政府はテロ対策の必要のためにテロ等準備罪が必要と説明している。しかしながら、既に日本国内においては、充分にテロ対策はなされている。
 すなわち、日本は、政府も認めるように、テロ防止関連諸条約13本を批准し、これに対応する立法が既になされている。また、国内法においては、爆発物取締罰則(陰謀罪)、化学兵器、サリン、航空機の強取、銃砲刀剣類所持等取締法など、未遂以前の共謀や予備の段階からの処罰が可能となっており、しかも、これらについて講学上の共謀共同正犯も認められる以上、テロ対策のために新たにテロ等準備罪を設ける必要はない。テロ等準備罪については、そもそも、その創設の必要性(立法事実)自体が明らかでない。
 第2に、政府は、テロ等準備罪は、「組織的犯罪集団」(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が重大な犯罪又は国連越境犯罪防止条約が定める犯罪を実行することにあるもの)という要件を加えるので、処罰対象は限定されると説明している。しかしながら、この「組織的犯罪集団」の要件には犯罪行為についての「常習性」や「反復継続性」の要件が課されておらず、また、「組織的犯罪集団」かどうかが問題となるのは、あくまで犯罪の共謀を行ったときである。したがって、もともと適法な活動を目的とする市民団体や労働組合等であっても、その構成員の一部がある時点で違法行為を共謀したとされた場合にはその時点でその団体等の全体が「組織的犯罪集団」になったものとして捜査対象にされてしまう危険性がある。「組織的犯罪集団」の概念、要件は全く不明確というよりほかなく、結局は、取り締まる側の恣意的な運用を禁じることができないのであって、「組織的犯罪集団」の要件は、何の限定にもなっていないのである。なお、政府は、テロ等準備罪の対象となる犯罪を原案の676の罪から277に絞り込むとの見解を明らかにしている。しかし、政府は、従前、共謀罪を創設するべき根拠としていた「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を批准するため」には犯罪数を絞り込むことはできないと説明していた。現在の見解は過去の説明と矛盾する内容を平然と述べているものであって、政府の説明にはまったく信頼性がない。
 第3に、政府は、テロ等準備罪は共謀罪と異なるもので、共謀段階ではなく、準備行為があってはじめて処罰されると説明している
 しかし、政府の国会答弁は、準備行為が構成要件であるのか、あるいは処罰条件であるのかの説明が不明瞭であり、このことからしても、テロ等準備罪が共謀罪と全く異なるとの説明自体、とうてい信用できない。さらに「準備行為」の定義は、「資金または物品の手配、関係箇所の下見その他」と規定する方針とのことなのであり、この「その他」の文言が盛り込まれることで拡大解釈に歯止めがなくなり、準備行為の要件による範囲の限定は期待できない。
 この間、政府は、テロ等準備罪について、「一般の方々がその対象になることはあり得ない」ことを強調しているが、その対象が既存のテロ組織などに限定されていない以上、一般市民が対象となることは明らかである。かつての治安維持法も、「社会運動が法案のため抑圧されることはない」として成立したにもかかわらず、その後、結果的に多くの者が処罰されるに至っている。
 以上の次第で、当会は、創設の必要性すら十分に説明できない、また、拡大適用のおそれがあり、過去3回も廃案になった共謀罪と何ら変わらないテロ等準備罪の国会提出には、強く反対するものである。
2017年(平成29年)3月3日
鳥取県弁護士会 会長 大田原 俊輔

南スーダンに派遣される自衛隊に新任務を付与する閣議決定等に抗議し、安保法制の廃止を求める会長声明
1 政府は、2016年(平成28年)11月15日、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に国際連合平和維持活動(PKO)として派遣される自衛隊に対して、新たに「駆け付け警護」の任務を付与する閣議決定を行った。また、併せて国家安全保障会議において「宿営地の共同防護」の任務を付与することも確認している。
 「駆け付け警護」とは、昨年3月29日に施行された安保法制のうち、改正PKO法に基づくもので、離れた場所で武装勢力に襲撃された国連職員やNGO関係者などを助けに向かう任務である。また、「宿営地の共同防護」とは、同じく改正PKO法に基づくもので、自衛隊と他国のPKO部隊の共同宿営地が襲撃を受けた際に他国PKO部隊と共同して宿営地を防護するものである。いずれの任務もこれまでの武器使用基準が緩和され、他国のための武器使用が認められており、敵対勢力との戦闘行為から憲法第9条が禁止する「紛争解決のための武力の行使」に発展する危険性を孕むものである。
2 南スーダンでは昨年7月に首都ジュバにおいて大統領派と反政府勢力による武力衝突が発生し、PKO部隊と政府軍との間で一時交戦があったともされ、多数の市民に加え中国のPKO隊員も死亡し、国連施設も破壊された。そして、同年10月12日にUNMISSは「国内各地で暴力と武力衝突の報告が増加し、非常に懸念している」との声明を発表し、同年11月1日に発表された国連独立調査団報告書では2015年(平成27年)8月の停戦合意は上記7月の武力衝突によって崩壊したと述べられている。このような南スーダンの情勢からすれば、そもそも憲法に合致した活動であることを担保するPKO参加5原則の1つである「紛争当事者間での停戦合意の成立」を欠いているとの疑いが強いと言わざるを得ず、派遣している自衛隊を撤退させ、新たな派遣を見送ることを検討すべきところ、政府は自衛隊を南スーダンに派遣することを前提に、さらに危険な「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」の任務を付与した。
そして、上記国連独立調査団報告書によれば、政府軍兵士によってUNMISS要員のいるテラインキャンプにおいて殺人、脅迫、性暴力などが行われたことも報告されている。もし自衛隊員がこれらの場で「駆け付け警護」の任務に伴って武器を使用すれば政府軍との間で戦闘になることは明らかである。また、「宿営地の共同防護」についても「武力の行使」を行う他国のPKO隊員とともに共同して宿営地を防護しながら、自衛隊員のみが「武力の行使」ではなく、武器の使用にとどまることなど考え難い。
 戦闘行為を行う相手方が政府軍・反政府勢力のいずれであっても、これらは「国家または国家に準ずる組織」といえ、自衛隊が憲法第9条が禁止する「紛争解決のための武力行使」を行うことになる。そして、自衛隊員が政府軍や反政府勢力の兵士を殺傷したり、自らも犠牲になることが現実化しかねない。
3 このように安保法制は憲法第9条に反する可能性が高いにもかかわらず憲法第96条の改正手続を経ることなく解釈変更を行った上で安全保障にかかわる立法を行うもので立憲主義に反すると言わざるを得ない。このような点から「駆け付け警護」及び「宿営地の共同防護」の任務自体そもそも容認できないものである。
これまで当会は安保法制が恒久平和主義、立憲主義に反するものであることを指摘し、その廃止を求めてきたが、今回の閣議決定等は恒久平和主義、立憲主義違反を具体化するものであり、到底許容できるものではない。
 よって、当会は、南スーダンに派遣する自衛隊に対して、「駆け付け警護」及び「宿営地の共同防護」の任務を付与した閣議決定等の撤回及び自衛隊の即時撤退を求めるとともに安保法制の速やかな廃止を求めるものである。
2017年(平成29年)1月27日
鳥取県弁護士会 会長 大田原俊輔

少年法の「成人」年齢引下げに反対する会長声明
2015年(平成27年)6月17日、参議院本会議により、選挙権年齢を20歳から18歳に引き下げる公職選挙法の改正が可決、成立した。同改正の附則11条では、「少年法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。」とされ、これを踏まえ、自民党の「成年年齢に関する特命委員会」では、少年法の適用年齢の引き下げに向けて、本格的に議論を開始した。
 しかし、公職選挙法の選挙権年齢と少年法の適用年齢を連動させる必然性は全くない。法律はそれぞれ個別の目的を持っているのであり、法律の適用年齢を定める際も、その個別の目的を踏まえて慎重に検討しなければならない。
 少年法は、若年者の可塑性に鑑み、若年者の健全な育成を期し、非行を行った若年者に性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的とする法律である。そして、この目的を達成するため、少年事件(20歳に満たない者が行った犯罪事件、触法事件、及び虞犯事件)については、全件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所調査官による社会調査と少年鑑別所による資質鑑別といった人間行動科学に基づく専門的調査を経て、保護観察、少年院送致などの保護処分がなされるなど、成人とは異なり、若年者の更生に向けた手厚い処遇が用意されている。少年法の適用年齢が18歳未満に引き下げられた場合、18歳、19歳の若年者が、このような手厚い処遇を受けられないことになるが、検察統計年報によれば、2013年(平成25年)に検察庁が新しく通常受理した少年被疑者のうち44.9%を18歳、19歳の若年者が占めている。すなわち、少年法の適用年齢が18歳未満に引き下げられれば、これまで少年法の適用を受けていた若年者のうち40%以上が少年法の適用から排除され、通常の刑事手続きで処理されてしまうのである。刑事手続きとして処理された場合、比較的軽微な事件については、起訴猶予または罰金刑という処分になり、当該若年者は、教育的・保護的処遇を全く受けることなく社会に戻ることになる。懲役刑に処せられた場合でも、刑務所では少年院のように人格の内面に踏み込んだきめ細かい指導を受けることはできない。したがって、少年法の適用年齢が18歳未満に引き下げられると、多くの若年者が十分な教育的・保護的処遇を受けることのないまま社会復帰をせざるを得なくなり、若年者の健全な成長を期すという少年法の目的を大きく損なう危険がある。社会的実態としても、20歳未満の若年者の刑法犯の検挙人数は、2004年(平成16年)から減少し続け、この10年間で約6割減少しており、また、殺人・強盗・放火などの凶悪犯も約半数に減少している。すなわち、現行の少年法制は有効に機能しているのであって、適用年齢引き下げを裏付ける立法事実はないのである。むしろ、現在の若年者は、精神的・社会的自立が遅れる傾向にあるとの指摘もあるところであり、それにもかかわらず、少年法の適用年齢を引き下げるのは、このような社会的実態を全く無視するものである。
 現行の少年法では凶悪事件を起こした若年者に対して甘すぎるという指摘がなされることがある。しかし、現行少年法の下でも、一定の重大事件については、原則として裁判員裁判により刑事罰が科される。その上、2014年(平成26年)の少年法改正でも若年者に対する刑罰の上限が引き上げられている。現行少年法が凶悪事件を起こした若年者に対して甘すぎるということはない。
 以上のように、少年法の適用年齢の引き下げは、立法事実による裏付けがないだけでなく、かえって少年法の目的を大きく損なう危険があるものであって、当会は、これに対し強く反対する。
2015年(平成27年)8月7日
鳥取県弁護士会 会長 足立珠希

夫婦同氏の強制及び再婚禁止期間についての最高裁判所大法廷判決を受けて民法における差別的規定の改正を求める会長声明
2015年(平成27年)12月16日,最高裁判所大法廷は,夫婦同氏を強制する民法750条について憲法13条・14条・24条のいずれにも違反しないと判断した。
 一方,女性にのみ再婚禁止期間を定める民法733条については,100日超過部分について憲法14条1項に違反するとともに,憲法24条2項にも違反すると判断した。民法750条について,法廷意見は,夫婦が同氏であることの合理性のみを判断し,同条について合憲との判断を下している。
 しかし,木内道祥裁判官の意見が正しく指摘する通り,「ここで重要なのは,問題となる合理性とは,夫婦が同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性であり,立法裁量の合理性という場合,単に,夫婦同氏となることに合理性があるということだけでは足りず,夫婦同氏に例外を許さないことに合理性があるといえなければならない」のである。近時,婚姻前の氏を通称として使用することが社会的に広まっていることについては法廷意見も認めるところである。便宜的なものに過ぎない通称使用が広まりを見せていることは,婚姻によって変動した氏では当該個人の同一性の識別に支障があること、及び夫婦別氏制度が合理的な制度として社会的に認識されていることの証左であり,夫婦同氏に例外を許さないことに合理性があるとは到底考えられない。
 今日に至るまで,夫婦別氏制度を含む民法改正案が度々国会に提出され,同制度の採用について,国会において質疑が繰り返され,我が国が1985年(昭和60年)に批准した「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」に基づき設置された女子差別撤廃委員会からは,2003(平成15年)以降,繰り返し,我が国の民法に夫婦の氏の選択に関する差別的な法規定が含まれていることについての懸念が表明され,その廃止が要請されるに至っている。
 最高裁判所大法廷も,自らの判断が,選択的夫婦別氏制度について合理性がないと断ずるものではないことを敢えて明らかにしているのであるから,直ちに,国会において夫婦別氏制度の導入について議論がなされるべきである。
 民法733条について,法廷意見が同条を違憲であるとした点については評価できるが,100日の再婚禁止期間を設ける部分については,国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものではなく,憲法14条1項にも憲法24条2項にも違反するものではないとし,また,同条を改廃する立法措置をとらなかった立法不作為については,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないと判断した。
しかし,現行の父性の推定の規定を前提とすると,100日の再婚禁止期間を設けなければ父性の推定の重複が生じる状態での子の出生があり得るとしても,このような父性の推定の重複が生じる状態での子の出生は,統計的に見れば例外的である。また,DNA検査技術が発達し,生物学上の父子関係を容易かつ正確に判定することができるようになっていることからすれば,父性の推定の重複が生じる状態での子について,事後的に法律的な父を確定することは可能である。そうすると,配偶者の相続権について何ら手当のないまま,離婚等により前婚を解消した女性に一律に一定期間再婚を禁止するという過剰な制約を課するよりも,父性の推定が重複する子が生まれたときには,事後的,個別的な救済手続に委ねることの方が,婚姻の自由を確保するという見地から合理性を有することはあきらかである。法制審議会は,1996年,男女とも婚姻適齢を満18歳とすること,女性の再婚禁止期間の短縮及び選択的夫婦別姓制度の導入を答申した。また,国連の自由権規約委員会は民法733条及び民法第731条(婚姻年齢)について,女性差別撤廃委員会はこれらの各規定に加えて民法第750条について,日本政府に対し重ねて改正するよう勧告を行ってきた。しかし,国会は,長年,上記各規定を放置してきたものである。
 当会は,国に対し,民法750条及び民法733条並びにこれらの規定とともに民法731条を速やかに改正することを強く求める。
2016年(平成28年)2月2日
鳥取県弁護士会  会長  足 立 珠 希

司法修習生に対する給付型の経済的支援を求める会長声明
司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当の創設については、これまで、日本弁護士連合会と各弁護士会宛てに多くの国会議員から賛同するメッセージが寄せられており、このたび、その総数が衆参両院の合計議員数717名の過半数である359名を超えるに至った。与野党を問わず、司法修習生への給付型の経済的支援に対する理解が得られつつあるものといえる。
そもそも司法制度は、法の支配を社会に行き渡らせ市民の権利を擁護するための社会制度であるから、国は、こうした公共的価値の実現を目的とした司法制度を担う法曹となるべき司法修習生を公費で養成するべき立場にある。ところが、経済的支援を要する司法修習生に対して修習資金を貸与する制度(貸与制)が2011年11月に施行され、終戦直後から続いていた司法修習生に対する給費制が廃止されるに至った。
このため、司法修習生のなかには、大学や法科大学院における奨学金の債務に加えてこの修習資金の債務を負う者が多く、その合計額がきわめて多額にのぼる者も少なくない。司法修習生の69%が修習を行う上での経済的不安を感じ、21%が修習辞退を考えたことがあるとしている。法曹を志す者は年々減少の一途をたどっており、2009年度には2万5071名であったものが2015年度には3517名に減少しているところ、こうした重い経済的負担が法曹志願者の激減の一因だと指摘されている。
こうした事態を重く受け止め、法曹に広く有為の人材を募り、法曹になろうとする者が経済的理由によって志望を断念することがないよう、また、司法修習生が安心して修習に専念できる環境を整えるために、司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当が早急に創設されるべきである。
 平成27年6月30日、政府の法曹養成制度改革推進会議が決定した「法曹養成制度改革の更なる推進について」には、「法務省は、最高裁判所等との連携・協力の下、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえ、司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するものとする。」との一節が盛り込まれた。法務省及び最高裁判所等の関係各機関は、司法修習生に対する給付型の経済的支援の実現に向けて直ちに前向きで具体的な検討に入るべきである。
 司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当の創設に国会議員の過半数が賛同のメッセージを寄せており、また、政府においても上記決定がなされたことをふまえ、当会は、国会に対し、司法修習生に対する給付型の経済的支援の創設を内容とする裁判所法の改正を求めるものである。
2016年(平成28年)1月20日
鳥取県弁護士会 会長 足 立 珠 希

憲法違反の安保法制法案の参議院における採決強行に抗議する会長声明
本日、参議院本会議における採決の強行により、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下、あわせて「安保法制法」という)が成立した。
安保法制法の内容が憲法違反であることは、当会をはじめとする全国の弁護士会、日本弁護士連合会及び各地方の弁護士会連合会が繰り返し指摘してきただけでなく、多数の憲法学者、元長官を含む元最高裁判所裁判官や歴代の元内閣法制局長官も明言しているところである。国民に対する説明義務が果たされていないという世論も強い中で、衆議院に続き参議院においても採決を強行して同法を成立させたことは暴挙と言わざるを得ない。
 日本国憲法は、前文で平和的生存権を定め、第9条では戦争放棄、戦力不保持、及び交戦権否認を定めるなど徹底した恒久平和主義を基本原理としている。また、政府は、こうした日本国憲法の下、長年にわたり、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権について、これを行使することは憲法第9条に違反し許されないとの解釈を堅持してきた。この点、現政権も、当初は従来の解釈に立った上で、集団的自衛権行使のために、まずは憲法第9条を改正しようとし、また、これに先行して改正手続要件規定である憲法第96条を改正しようとした。
 ところが、これらについて国民の総意が得られず憲法改正困難であるとみるや、今度は、従来の政府の憲法解釈を閣議決定により変更したとして、集団的自衛権行使を国会の法律で認めさせ、憲法改正手続を経ずして憲法違反の結果を実現しようという政治手法に出たのである。私たちは、国民主権をないがしろにし、立憲主義を正面から否定するこのような憲法破壊行為を断じて許すことはできない。
 当会は、現政権の今回の採決の強行に対して厳重に抗議するとともに、この度成立した安保法制法に対し、今後も多くの市民とともに、速やかな廃止を求め続けていくものである。
2015年(平成27年)9月19日
鳥取県弁護士会 会長足立 珠希

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