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2018-01-13 15:49 0 comments

2271 ら特集10仙台弁護士会⑤21(0)

引用元 

平成15年03月24日 アメリカとイギリスによるイラクへの武力攻撃に反対する会長声明
2003年3月24日仙台弁護士会長 犬飼健郎
ttp://senben.org/archives/573
平成15年02月22日 有事法制3法案の廃案を求める決議
ttp://senben.org/archives/575
政府・与党が、第154回国会に上程し、第156回通常国会において成立を図ろうとしている有事法制3法案には、憲法原理に照らし、少なくとも以下に指摘する重大な問題点と危険性が存在する。第1に、「武力攻撃事態」法案では「武力攻撃のおそれのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」までが「武力攻撃事態」とされており、その範囲・概念は極めて曖昧である。政府の判断によりどのようにも「武力攻撃事態」を認定することが可能であり、しかも、国会の承認は「対処措置」実行後になされることから、政府の認定を追認するものとなるおそれが大きい。第2に、いったん内閣により「武力攻撃事態」の認定がなされると、陣地構築・軍事施設・軍事物資確保等のための私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物資の輸送、軍事施設の建設、戦傷者の治療等のための市民に対する役務の強制、交通・通信・経済等の市民生活・経済活動の規制がなされることになる。これは憲法規範の中核をなす基本的人権保障原理を変質させる重大な危険性を有する。
 第3に、曖昧な概念の下で拡張された「武力攻撃事態」における自衛隊の行動は、憲法の定める平和主義の原理、憲法九条の戦争放棄、軍備及び交戦権の否認に抵触するのではないかとの重大な疑念が存在する。またいわゆる「周辺事態法」と連動して、米軍が主体的に関与する戦争あるいは紛争に我が国を参加させることにより、日米の共同行動すなわち個別的自衛権の枠を超えた「集団的自衛権の行使」となって、周辺諸国から我が国が対外的脅威とみなされるおそれがある。このことは、我が国に対する攻撃を招く危険を生じさせることにさえなる。
 第4に、武力の行使、情報・経済の統制等を含む幅広い事態対処権限を内閣総理大臣に集中し、その事務を閣内の「対策本部」に所掌させることは、行政権は内閣に属するという憲法規定と抵触する。更に、内閣総理大臣の地方公共団体に対する指示権及び地方公共団体が行う措置の直接執行権は、地方自治の本旨に反する。この法案は、内閣総理大臣に強大な権限を付与するものであり、憲法が定める民主的・権力分立的な統治構造・地方自治制度を変質させるものである。
 第5に、日本放送協会(NHK)などの放送機関を指定公共機関とし、これらに対し、「必要な措置を実施する責務」を負わせ、内閣総理大臣が、対処措置を実施すべきことを指示し、実施されないときは自ら直接対処措置を実施することができる。これは、政府が放送メディアの権力監視機能、報道の自由を侵害し、国民主権と民主主義の基盤を崩壊させる危険を有するものである。仙台弁護士会は、法案の持つ重大性、危険性に鑑み、法案の問題点を国民・県民に明らかにし、上記理由に基づき、有事法制3法案に反対し、廃案にすることを改めて強く求めるものである。以上のとおり決議する。
2003年(平成15年)2月22日仙台弁護士会会長 犬飼健郎

平成15年02月22日 簡易裁判所判事及び副検事経験者に対して「準弁護士」資格を付与することに反対する決議
ttp://senben.org/archives/577
最高裁判所と法務省は,簡易裁判所判事(以下「簡裁判事」という)及び副検事経験者に対し,次のとおり簡易裁判所(以下「簡裁という」)管轄の事件を中心に弁護士業務を行うことが出来るいわゆる「準弁護士」資格を付与することを提案している。すなわち,刑事に関しては簡裁判事及び副検事経験者とも,①簡裁における被告人の弁護,②法定刑に死刑または無期懲役がある罪以外の被疑者(少年を含む)の弁護,③上記①及び② に関わる示談,④刑事事件に関する法律相談が出来るものとされ,民事に関しては,簡裁判事経験者には,①簡裁における民事訴訟等の代理,②法律相談(訴額による制限なし),③裁判外の和解代理(訴額による制限なし)が出来るものとされている。今次の司法改革は,法科大学院を中核とする新しい法曹養成制度のもとで,高い資質,能力を確保しつつ,法曹人口を大幅に増員し,法曹が社会生活上の医師として社会の多様なニーズに対応することをめざしている。法曹資格を取得するには,これまで以上にプロセスを重視した養成課程を経ることが強く要求され,司法試験合格者数も平成22年以降は毎年3000人となり,法曹人口が急速かつ大幅に増加していくことが見込まれている。このようなときに,官公庁内部の登用試験で採用された簡裁判事や副検事に,本来の法曹養成課程を経ない「準弁護士」なる資格を創設,付与することは,上記改革の理念に反し,改革の流れに逆行するものである。しかも官公庁の内部試験を経た特定の公務員のみに,「準弁護士」の資格まで与えることは,司法制度改革審議会の意見書がいう「簡裁判事,副検事の専門性の活用」の範囲を明らかに逸脱するものであり,むしろ官の優遇策,退職者の天下り先確保策との批判を免れない。「準弁護士」のように,取扱い業務が極めて限定され,本来の弁護士とは異質な資格者が存在することは,利用者である国民からみても極めてわかりにくく,混乱を生ぜしめ,ひいては司法への不信を招く恐れすらある。また,法曹養成課程を経ない簡裁判事や副検事経験者が被告人や被疑者の弁護人となることは,憲法上保障された弁護人依頼権の保障の観点からも,到底容認し難いものである。なお,これら準弁護士資格の付与は,地方における弁護士不足解消のために必要であるとの意見もあるが,そもそも司法試験合格者は平成22年度までに飛躍的に増大することが確実となっており,弁護士不足の問題が日弁連・弁護士会が取り組んでいる全国の法律相談センター活動,公設事務所の推進,地域司法計画の展開,事務所法人化,法律扶助制度の拡充等により解決することのできる問題であることからすれば,準弁護士資格を付与する制度を新設する必要性はこの点においても全くないものといわざるを得ない。以上の理由により,当会は準弁護士制度を新設し,簡裁判事及び副検事に準弁護士資格を付与することに強く反対する。以 上 以上のとおり決議する。
2003年(平成15年)2月22日仙台弁護士会会長 犬飼健郎

平成15年02月22日 弁護士報酬の敗訴者負担制度導入に反対する決議
ttp://senben.org/archives/579
弁護士報酬の一般的な敗訴者負担制度は、市民の司法へのアクセスを抑制するおそれがあり、また裁判の人権保障機能及び法創造機能を損なうものであるから、当会はその導入に強く反対する。以上のとおり決議する。2003年(平成15年)2月22日仙台弁護士会会 長  犬飼健郎

平成14年06月20日 個人情報保護各法案に反対し、住民基本台帳ネットワークシステム施行の延期を求める仙台弁護士会会長声明
ttp://senben.org/archives/583
6月19日までの今国会の会期が延長された中、政府は、個人情報保護法案及び行政機関個人情報保護法案が成立しない場合であっても、住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネットシステム」という)の8月施行を実施したいとしている。個人情報保護法案は、メディアの活動を不当に規制するのみならず、弁護士、弁護士会を含む民間事業者一般に対し具体的義務を課した上、個人情報保護のための独立した機関をおかずに主務大臣が助言、勧告、命令等の権限を持ち、命令違反には罰則を設けているなど、事業者に対する広範な介入を招くおそれが高い。また、行政機関個人情報保護法案も、利用目的の変更、目的外利用や行政機関同士の情報提供を広く認める反面、その必要性・相当性についてチェックできる手続的配慮がなく、罰則も一般の守秘義務違反等しかない。 このように、個人情報保護法各法案には、重大な欠陥がある。昨今の、防衛庁における、職員が情報公開請求者のリストをデータ化して、他部局に流し、発覚するや削除した事件は、情報の収集、目的外利用及び内部の情報提供等について、まさに、上記必要性・相当性によるチェックが全く働かないことを、如実に示している。もとより高度情報化社会では、個人情報保護法制は必要である。OECD8原則を受けた、ネットワーク社会の個人情報保護を目的とするEUデータ保護指令は、その要求水準を満たす個人情報保護法制のない第三国へのデータの移転を禁止すらしている。情報化社会において取り残されないという面からも、上記水準を満たす個人情報保護法制の整備は不可欠であるが、前記個人情報保護各法案は、到底そうした水準を満たすものではない。翻って言えば、住基ネットシステムは、200を超える行政事務に使用できる共通番号を国民全員に付し、オンラインによりネットワーク化するというものである。技術的には、個人の付番号をいわばマスターキーにして、当該個人に関するあらゆる情報の集積が可能となるシステムである。法制の整備を含む十分なセキュリティ措置なしには、取り返しのつかないプライバシー侵害が起きるおそれが大きい。そこで、1999年の住民基本台帳法改正の際には、附則1条2項で「この法律の施行にあたっては、政府は、個人情報保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする」と定められた。しかるに、前記個人情報保護各法案は、上記附則にいう所要の措置を満たすものではない。 ましてや個人情報保護法制の整備を待たずに住基ネットシステムを稼働させるというのは、プライバシー保護の見地からは、暴挙とすら言いうるものである。以上、当会としては、個人情報保護各法案には前記重大な欠陥を払拭する抜本的修正が必要であり、また、そうした個人情報保護が十分になされるような法整備がなされない限り、住基ネットシステムの施行も延期されるべきである。
2002年(平成14年)6月20日仙台弁護士会会長 犬飼健郎

平成14年05月15日 「有事法制」法案に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/586
現在国会で「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」、「安全保障会議設置法の一部を改正する法律案」、「自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」(以上を有事法制3法案という)が審議されている。 政府与党は、今国会でこれらの法案を成立させる構えを示している。しかし、有事法制3法案は、以下に述べるような極めて重大な問題点と危険性を有している。また、国民への事前の十分な説明と国民的議論がなされないままに審議がなされている。これらのことから仙台弁護士会は、この3法案に反対の意思を表明するものである。
 第1に、「武力攻撃事態」法案では「武力攻撃のおそれのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」までが「武力攻撃事態」とされており、その範囲・概念は極めて曖昧である。 政府の判断によりどのようにも「武力攻撃事態」を認定することが可能であり、しかも、国会の承認は「対処措置」実行後になされることから、政府の認定を追認するものとなるおそれが大きい。
 第2に、いったん内閣により「武力攻撃事態」の認定がなされると、陣地構築・軍事施設・軍事物資確保等のための私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物資の輸送、軍事施設の建設、戦傷者の治療等のための市民に対する役務の強制、交通、通信、経済等の市民生活・経済活動の規制がなされることになる。これは憲法規範の中核をなす基本的人権保障原理を変質させる重大な危険性を有する。
 第3に、曖昧な概念の下で拡張された「武力攻撃事態」における自衛隊の行動は、憲法の定める平和主義の原理、憲法9条の戦争放棄、軍備及び交戦権の否認に抵触するのではないかとの重大な疑念が存在する。またいわゆる「周辺事態法」と連動して、米軍が主体的に関与する戦争あるいは紛争に我が国を参加させることにより、日米の共同行動すなわち個別的自衛権の枠を超えた「集団的自衛権の行使」となって、周辺諸国から我が国が対外的脅威とみなされるおそれがある。 このことが、我が国に対する攻撃を招く危険性を生じさせることにさえなる。
 第4に、武力の行使、情報・経済の統制等を含む幅広い事態対処権限を内閣総理大臣に集中し、その事務を閣内の「対策本部」に所掌させることは、行政権は内閣に属するという憲法規定と抵触する。更に、内閣総理大臣の地方公共団体に対する指示権及び地方公共団体が行う措置の直接執行権は、地方自治の本旨に反する。 この法案は、内閣総理大臣に強大な権限を付与するものであり、憲法が定める民主的・権力分立的な統治構造・地方自治制度を変質させるものである。
 第5に、日本放送協会(NHK)などの放送機関を指定公共機関とし、これらに対し、「必要な措置を実施する責務」を負わせ、内閣総理大臣が、対処措置を実施すべきことを指示し、実施されないときは自ら直接対処措置を実施することができる。 これは、政府が放送メディアを統制下に置き、市民の知る権利、メディアの権力監視機能、報道の自由を侵害し、国民主権と民主主義の基盤を崩壊させる危険を有する。 最後に、この法案は、法律施行後2年以内に有事法制の整備を総合的かつ効果的に実施することを国会に義務付けており、戦前の国家総動員体制と類似する国家体制を生じさせるおそれがある。このような重大な問題点を含む有事法制3法案が、その具体的内容が事前に国民に知らされることなく、したがって国民的議論が尽くされることもなく今国会に上程され、審議されていることは、国民主権に基づく民主的手続の点からも重大な問題を含むものであり、性急・拙速といわざるを得ない。 また、この間の国会における審議においても、「武力攻撃事態」の概念についての政府の説明に不統一がある等、上記にあげた種々の問題点が解明されたとは言い難い状況にある。以上の危険性及び手続き的問題点に鑑み、仙台弁護士会としては、有事法制3法案に反対し、同法案を廃案にするように求めるものである。
2002年(平成14年)5月15日仙台弁護士会会長犬飼健郎

平成14年05月15日 民事法律扶助事業に対する抜本的財政措置を求める声明
ttp://senben.org/archives/588
民事法律扶助法は、民事法律扶助事業の統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行のために必要な措置を講ずることを国の責務とし、民事法律扶助事業の全国的に均質な遂行の実現に努めることを指定法人の義務としている。民事法律扶助事業の実施の指定を受けている財団法人法律扶助協会は、国に対し、平成13年度の民事法律扶助事業の補助金として、59億8000万円の要望をした。 これに対する国の決定額は25億7500万円弱であり、その後に認められた補正額2億8000万円を加えても約28億5500万円にとどまった。 一方、同年度に扱った財団法人法律扶助協会の事業のうち、代理援助の件数だけでも29,855件に及んでおり、財源不足のため、年度末には同協会の各支部において受付窓口を閉鎖したり、全国30以上の支部で自己破産の利用を制限したり、申込みは受け付けても扶助決定を4月以降とするなどの状況を呈するに至った。そこで、財団法人法律扶助協会は法務省に対し、平成14年度の民事法律扶助事業の補助金として66億円余の予算要望を行い、法務省は36億円の概算要求をまとめたものの、内閣府及び財務省の査定を受け、平成14年度の予算は要望額の半額以下である、約30億円しか認められなかった。しかしながら、30億円の国庫補助金では償還金等を加算しても平成13年度の事件数にしか対応できず、代理援助の件数が40,000件に近づくことが予測されている平成14年度は、前年度と同様、年度途中で財源不足のために、再び同協会の全国の各支部で援助申込受付を中止せざるをえない深刻な事態となることが予想され、このままでは民事法律扶助制度は破綻し、経済的弱者の司法へのアクセスが閉ざされることとなる。現に、同協会仙台支部においても、自己破産事件については平成13年度時点で既に希望者の半数程度しか援助決定ができておらず、更に本年度は一般民事事件についても件数制限を真剣に検討せざるを得ない状況にある。民事法律扶助制度は、憲法第32条の「裁判を受ける権利」を実質的に保障する制度であり、平成13年6月12日に発表された司法制度改革審議会の意見書では、「民事法律扶助制度については、対象事件・対象者の範囲、利用者負担の在り方、運営主体の在り方等について、更に総合的・体系的な検討を加えた上で、一層充実すべきである」とし、民事法律扶助の拡充を求めている。仙台弁護士会及び財団法人法律扶助協会仙台支部は、国に対し、国民の裁判を受ける権利を保障し、利用しやすい司法を実現するために、民事法律扶助事業に対する補正予算を計上するなど直ちに必要な財政措置を講ずることを強く求めるものである。
2002年(平成14年)5月15日
仙台弁護士会会長犬飼健郎
財団法人法律扶助協会仙台支部
支部長   渡 邊 克 彦

平成17年12月02日 平成17年12月2日会長声明
ttp://senben.org/archives/513
2005(平成17)年11月17日、政府(国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部)は、FATF(国際的なテロ資金対策にかかる取組みである「金融活動作業部会」の略称)勧告実施のための法律整備について、FIU(金融情報機関)を金融庁から警察庁に移管する等の決定を行った。 この決定について、当会は、下記の経緯に鑑みて、到底容認することができず、日弁連とともに、反対運動を展開していくことを決意する。2003年6月、FATFは、マネーロンダリング及びテロ資金対策のために、ひとつの勧告を行った。それは、規制対象を金融機関から弁護士当に拡大して、不動産売買等一定の取引について、FIUへの報告を義務付けるものであった。これを受け、政府(国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部)は、2004(平成16)年12月に、「テロの未然防止に関する行動計画」を策定し、上記勧告の完全実施を決定した。このFATF勧告は、弁護士に対し、依頼者の疑わしい取引の報告を義務付けるものであり、守秘義務に抵触するおそれがあり、ひいては依頼者の弁護士に対する信頼を崩壊させるものであって、弁護士制度の根幹を揺るがす内容であった。そこで、世界の弁護士は、この勧告の実施に反対し、日弁連も、勧告の完全実施のための国内法整備に反対を表明した。しかし、一方、テロ対策の必要性を否定することはできず、また、日本においては、金融庁にFIUが設置されており、日弁連が弁護士からの報告を審査して、金融庁に通知するという構造であれば、市民の弁護士に対する信頼や弁護士自治にとって、より侵害的でない制度の構築も可能ではないかとの判断から、日弁連も法務省との間で協議を続けてきた。そして、この協議は、FIU(金融情報機関)が金融庁に置かれる構造を当然の前提としてなされてきた。ところが、冒頭に述べたとおり、今般、FIU(金融情報機関)を金融庁から警察庁に移管する等の政府決定がなされた。弁護士会が警察庁に通知する制度構造は、弁護士・弁護士会が国家権力から独立したものであることの大きな障害になるものであって、市民の弁護士に対する信頼や弁護士自治を侵害するものと言わざるを得ない。したがって、今回の政府決定は、到底容認することができないものであり、当会は、市民の理解を得る努力を行いつつ、日弁連とともに、反対運動を展開していくことを決意する。
2005(平成17)年12月2日会長 松坂英明

平成17年10月21日 共謀罪の新設に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/category/statement2005
政府は、いわゆる共謀罪に関する法案を、今特別国会において審議する予定であったが,これを断念し,改めて次の国会における成立を目指すものと報じられている。この法案は、解散前の通常国会において提案され、廃案となったものとほぼ同じ内容であり、構成要件の明確性を欠き、更に処罰時期を著しく早め、処罰範囲を一気に拡大して、事実上刑法を全面改悪するに等しい。これは刑法の原則である罪刑法定主義に反し、憲法上の言論の自由、結社の自由などの基本的人権に対する重大な脅威である。当会は、本年7月、この共謀罪の新設の法案に反対する意思を表明した。共謀罪とは、団体の活動として、組織により行われるものの遂行を共謀したことだけで処罰するものである。死刑又は無期若しくは長期10年を越える懲役若しくは禁錮の刑が定められている犯罪について共謀した場合には5年以下の懲役又は禁錮の刑に処するものとし、長期4年以上10年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている犯罪について共謀した場合には2年以下の懲役又は禁錮の刑に処するものとされている。しかし、共謀罪、犯罪の実行行為の着手がないばかりでなく、予備行為さえも行っていない段階で、共謀をしたというだけで処罰するものとなっており、処罰時期を著しく前倒しにするものである。したがって、抽象的危険の存否すら不明な段階であろうとも、会話ないし通信をしたことだけで刑罰を科されることになりうる危険がある。しかも、現行刑法では、予備行為が処罰されているのは殺人ないし放火などの重大犯罪に限られているところ、この共謀罪では、長期4年以上の刑罰が科せられる犯罪について成立が認められていることから、500以上にものぼる非常に広範囲な犯罪が実行前において処罰の対象とされてしまう。また、「共謀」という不明確な概念を構成要件としているため、刑罰法規の明確性原則に反する。共謀は抽象的概念であるため、特定の行為からその認定は困難であり、行為者の会話のみならず内心にまで踏み込まなければ判断できない以上、行為者の思想、信条、主義にまで捜査機関が調査権限を及ぼすことを招き、その結果、国民の思想、信条の自由を侵害してしまうことになりかねない。そして、思想、信条を表現するための通信、出版などの情報伝達及び外部公表行為に対する萎縮的効果を極めて甚大となる。また、共謀の事実を捜査するためとして、捜査機関が、市民の一般的な会話や電話、そして電子メールのやりとりなどに対する監視ないし管理を強化していくという事態をももたらしかねない。このように、共謀罪の新設は、民主主義を支える表現の自由、そして個人として最も尊重されるべき思想信条の自由を侵害するおそれがあり、到底受け入れることができないのである。そもそもこの法案は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条例」(以下「犯罪防止条約」という。)の批准のための国内法を整備するため上程された。それであれば、法規制は犯罪防止条約が求める範囲においてなされれば足りる。ところが、犯罪防止条約においては、その適用範囲は「性質上越境的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するもの」に限定されているにもかかわらず、共謀罪ではこの「越境性」「組織的な犯罪集団の関与」を要件としていない。もって、条約批准に伴う国内法整備という範囲を超えて、過度にその適用範囲を拡大しているものである。よって、当会は、あらためて、この共謀罪の新設に強く反対するものである。以上
2005年(平成17年)10月21日仙台弁護士会会長松英明

平成17年09月21日 平成17年9月21日 憲法改正国民投票法案に関する会長声明
ttp://senben.org/archives/517
仙台弁護士会は、日本国憲法の平和主義、国民主権、基本的人権保障などの原則を尊重する立場から、これらの諸原則に反する疑いのある法案や政府の行為に対し、批判や反対の意見を表明してきた。近時、政府与党は、国会での憲法改正国民投票法案成立を目指している。法案の内容は、2004年12月3日、国民投票法等に関する与党協議会の実務者会議において、2001年11月に発表された憲法調査推進議員連盟の日本国憲法改正国民投票法案に若干の修正を加えて日本国憲法国民投票法案骨子(案)(以下「法案骨子」という。)を策定し、この「法案骨子」を基に法案化するとのことである。しかしながら、この「法案骨子」には、国民主権、基本的人権の保障という憲法の基本原則からして、以下の重大な問題がある。
 1 「法案骨子」は、憲法の複数の条項について改正案が発議された場合に、全部につき一括して投票しなければならないのか、あるいは条項ごとに個別に投票できるのかについて明らかにしていない。この点については、国民主権の原理に則り、条項ごと又は問題点ごとに個別の賛否の意思を問う発議方法及び投票方法がとられるべきである。
 2 「法案骨子」は、国民投票運動について、広範な制限禁止規定を定め、不明確な構成要件により刑罰を科すものとなっている。その主なものを挙げると、① 公務員の運動の制限、②教育者の運動の制限、③外国人の運動の制限、④国民投票の予想結果の公表の禁止、⑤新聞・雑誌の虚偽報道の禁止、⑥新聞・雑誌の不法利用の禁止、⑦放送事業者の虚偽報道の禁止等である。しかし、国民投票にあたっては、表現の自由が最大限保障されるべきであり、国民投票運動は基本的に自由でなければならない。上記のような規制が広範かつ不明確な構成要件のまま設けられるならば、憲法改正国民投票という主権者が最も強く関与すべき事項について、主権者に十分な情報が伝わらず、また、国民の間で自由な意見交換がなされないまま国民投票が実施されることになるおそれがある。「法案骨子」の制限禁止規定は、表現の自由、報道の自由及び国民の知る権利を著しく制限するものであるといわなければならない。
 3 「法案骨子」は、国民投票の期日については、国会の発議から30日以降90日以内の内閣が定める日としている。しかし、国民が的確な判断をするために必要かつ十分な期間が確保されなければならず、この期間はあまりにも短い。
 4 「法案骨子」は、憲法改正に対する賛成投票の数が有効投票総数の2分の1を越えた場合に国民投票の承認があったものとする。また、国民投票が有効に成立するための投票率に関する規定を設けていない。しかし、少なくとも改正に賛成する者が、全投票総数の過半数を超えたときに、改正についての国民の同意があったとされるべきであり、国民投票が有効となる最低投票率に関する規定も設けるべきである。
 5 「法案骨子」は、国民投票無効訴訟についてさだめているものの、提訴期間を投票結果の告示の日から起算して30日以内とし、一審の管轄裁判所を東京高等裁判所に限定している。しかし、この提訴期間は憲法改正という極めて重要な事項に関するものとしては短すぎるし、管轄の限定も国民の裁判を受ける権利を制限するものであって不倒である。
 1 「法案骨子」は、軽微な選挙違反により公民権停止者の投票権を認めず、「衆議院及び参議院の選挙権を有する者は国民投票の投票権を有するものとする」としている。また、18歳以上の未成年者についても、これを認めないとしている。しかし、公民権停止中の者に対して憲法改正の投票権を否定する理由に乏しく、また、18歳以上の未成年者については十分な議論がなされるべきである。いうまでもなく、憲法改正国民投票は、主権者である国民が、国の最高法規である憲法のあり方について意思を表明するという国民の基本的な権利の行使にかかわる国政上の重大な問題である。よって、国政参加のどの機会に増して、国民には自由な議論の時間と方法が保障されることが必要であるし、投票結果には国民の意思が正確に十分に反映される手続が保障されるべきである。しかるに、「法案骨子」は、上記のとおり、民主的な手続的保障への配慮を欠いているといわざるを得ず、このまま拙速に進めば、国民の基本的人権を侵害したまま、国民の意思が正確に反映されないまま、国の最高法規たる憲法が改正されてしまう危険がある。このような「法案骨子」に基づく憲法改正国民投票法案が国会に提出されることは到底容認することができない。よって、仙台弁護士会は、国民主権、基本的人権尊重などの基本原則を尊重する立場から、「法案骨子」に基づく憲法改正国民投票法案が国会に提出されることに強く反対するとともに、広く国民の間で、真に国民主権に根ざした憲法改正国民投票法案のあり方について十分な議論がなされることを求めて、活動していくものである。以上
2005年(平成17年)9月21日 仙台弁護士会 会長松坂英明

 

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