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2018-01-08 00:39 0 comments

2212 ら特集⑧秋田弁護士会資料①(0)

引用元 

ら特集⑧秋田弁護士会資料
秋田弁護士会①1
ttp://akiben.jp/statement/2016/02/post-105.html
外国籍の調停委員・司法委員・参与員の採用を求める会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2017/12/post-124.html
1 2003年10月に兵庫県弁護士会が、神戸家庭裁判所からの家事調停委員推薦依頼に対し、韓国籍の会員(弁護士)を推薦したところ、同家庭裁判所から推薦の撤回を求められたことに端を発し、最高裁判所はこれまで仙台弁護士会など六弁護士会から延べ30人以上に上る外国籍会員(弁護士)の調停委員への推薦の採用を拒否し続けている。また、2003年3月には東京弁護士会が韓国籍の会員(弁護士)を司法委員に推薦したところ、その採用が拒否され、2011年12月には岡山弁護士会が韓国籍の会員(弁護士)を参与員に推薦したところ、同じように拒否されている。このように2003年から外国籍会員の調停委員、司法委員、参与員の司法参加が閉ざされた状態が続いている。
2 この問題について、最高裁判所事務総局人事局任用課は、日本弁護士連合会の照会に対し、「公権力の行使に当たる行為を行い、もしくは重要な施策に関する決定を行い、又はこれらに参画することを職務とする公務員には日本国籍を有する者が就任することが想定されていると考えられるところ、調停委員・司法委員にはこれらの公務員に該当するため、その就任のためには日本国籍が必要と考えている」と回答している。しかし、法律にも最高裁判所規則にも調停委員、司法委員、参与員について日本国籍を要するとの規定はない。調停委員及び司法委員は、当事者の合意をあっせんし、解決に導くことをその職務内容とするものであり、参与員は裁判官に意見具申することをその職務内容とするものである。いずれも公権力の行使をするものでも、重要な施策に関する決定を行うものでもなく、これらに参画することを職務とするものでもない。家事調停や民事調停における調停事件、あるいは司法委員が参画する民事訴訟においては、日本国籍を有しない人が当事者であることもあり、こうした事件の場合、他国の文化と日本の文化の相違について身をもって感じている外国籍の調停委員、司法委員、参与員の知見が、異国で生活している当事者の共感を得て事件の解決に大きく寄与することもある。最高裁判所の対応は、調停委員、司法委員、参与員の具体的職務内容を問うことなく、日本国籍の有無で一律に異なる取り扱いをするものであって、国籍を理由とする不合理な差別であり、憲法14条、自由権規約26条及び人種差別撤廃条約5条の平等原則に反するものである。
3 この問題については、日本弁護士連合会は、2009年3月に「外国籍調停委員・司法委員の採用を求める意見書」、2011年3月には「外国籍調停委員任命問題について(要望)」をそれぞれ最高裁判所に提出しており、2011年7月に秋田市で開催された東北弁護士会連合会定期弁護士大会においても「日本国籍を有しない調停委員任命を求める決議」を採択し、1に述べた採用拒否された全国各弁護士会からは同様な会長声明が出されている。また、国連人種差別撤廃委員会では、2010年3月の最終所見、2014年8月の総括所見において、日本国籍を有しない者が調停委員として活動できるように日本国の見解を見直すことを勧告している。このように国内のみならず、国連からも最高裁判所に見直しの意見や勧告がなされているにもかかわらず、昨年10月から11月にかけ、大阪弁護士会、兵庫県弁護士会が推薦したそれぞれの外国籍弁護士の調停委員採用が拒否されており、現在に至るまで、長期間にわたって、日本国籍を有しない者の調停委員、司法委員、参与員就任は実現していない。
1 よって、当会は、最高裁判所に対し、国籍を理由とする不合理な差別を改め、民事調停委員及び家事調停委員規則、司法委員規則、参与員規則に定める要件を充足する者であれば、日本国籍の有無にかかわらず積極的に調停委員、司法委員、参与員に採用するよう求める。
2017年(平成29年)12月18日 秋田弁護士会会長 三 浦 広久

いわゆる共謀罪を創設する改正組織的犯罪処罰法の成立に対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2017/06/post-115.html
2017年6月29日 公開
本年6月15日,いわゆる共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法が,参議院で可決され成立した。本法による共謀罪の処罰は,内心の自由に踏み込むもので,表現の自由などの国民の基本的人権を侵害し権利行使を萎縮させる危険が大きい。しかも,その捜査のための通信傍受が常態化することで,捜査権限の濫用により適正手続に重大な脅威を生ずる危険もある。そのため,当会は,これまで4度にわたり,会長声明を発して本法の制定に反対してきた。今国会の審議を通じても,本法により市民団体や労働組合等の正当な活動が捜査機関の恣意的な判断で捜査の対象とされ,基本的人権が侵害されるとの懸念は,全く解消されなかった。実際,衆議院通過後の世論調査では,衆議院での審議が不十分であった,法案への国民の理解が深まっていないという意見が多数を占めていた。加えて,国連人権理事会特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏から,プライバシー権への制約のおそれなどの本法案に対する懸念を表明する書簡が提出されるとの経緯もあった。参議院においては,これらの国内外から表明された懸念や意見を踏まえ,慎重の上にも慎重な審議が求められていたはずである。それにもかかわらず,政府及び与党は,参議院法務委員会での議論を尽くさず,同委員会の採決を省略する異例な手法を用いて参議院本会議の採決に付し,本法を成立させた。政府及び与党が,国内外から表明された反対や懸念を押し切り,国会における審議を十分に尽くさないまま,性急かつ強引に本法を成立させたことは,議会制民主主義をないがしろにするものと言わざるをえない。当会は,基本的人権の擁護という我々の使命を果たすため,共謀罪処罰が恣意的に行われないよう注視し,また,全国の弁護士及び弁護士会と連帯して,本法の廃止に向けた取組を行う所存である。2017年(平成29年)6月29日秋田弁護士会会長 三浦広久

いわゆる「共謀罪」法案の衆議院での採決に対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2017/05/post-114.html
2017年5月31日 公開
本年5月23日,衆議院本会議において,いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)が採決され,衆議院を通過した。本法案は,内心の自由を含む国民の基本的人権を侵害し,国民の権利行使を萎縮させる危険が大きい。また,その捜査のため通信傍受が常態化することで適正手続に重大な脅威を生ずる危険もある。そのため,当会は,本法案に強く反対している。衆議院の審議によっても,本法案により市民団体や労働組合等の正当な活動が捜査機関の恣意的な判断で捜査の対象とされ,基本的人権が侵害されるとの懸念が全く解消されていない。衆議院通過後の世論調査によっても,衆議院での審議が不十分であった,法案への国民の理解が深まっていないという意見が多数を占めている。当会は,良識の府である参議院においては,本法案を否決し,廃案とすることを強く求めるものである。2017年(平成29年)5月31日秋田弁護士会 会長 三 浦 広 久

いわゆる「共謀罪」法案に反対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2017/04/post-112.html
2017年4月27日 公開
1. 政府は,組織的犯罪処罰法を改正し,「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画」の罪を新設する法案(以下「本法案」という。)を,今国会に提出した。これは,過去3回にわたって政府が国会に提出し廃案となった共謀罪法案に,若干の修正を加えたものである。
2. いわゆる共謀罪により処罰されることになれば,意思形成のための発言や相談,会議等が,広く捜査の対象となるので,憲法が保障する思想信条の自由,表現の自由,集会・結社の自由などの基本的人権が不当に侵害され,また,これらの権利の行使に萎縮効果を与えるおそれがある。さらに,電話による通話内容が犯罪を構成することになるため,これを察知するための盗聴(電話傍受)が常態化するなど,適正手続に重大な脅威を及ぼすおそれがある。ゆえに,当会は,2005年10月25日に「共謀罪の新設に反対する会長声明」を,2016年10月28日に「いわゆる共謀罪法案の提出に反対する会長声明」を発表し,一貫して共謀罪の制定に反対してきた。
3. 本法案においては,①共謀ないし計画がテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の活動として行われることが必要とされ,また,②共謀ないし計画に加えて「準備行為」を行うことが処罰条件として必要とされている。さらに,③共謀ないし計画の対象犯罪が277罪に減少している。これらにより,本法案は,過去の共謀罪法案と比べ,人権侵害の懸念に対して一定の配慮をしたようにも見える。
4. しかし,上記①の要件については,テロリズム集団は組織的犯罪集団の例示として掲げられているに過ぎない。政府は,もともと正当な活動を行っていた団体についても,団体の結合の目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には,組織的犯罪集団に当たり得ることとするのが適当であるものと考えている,と説明しており,やはり,通常の市民団体や労働組合等の正当な活動が,捜査機関の恣意的な判断で捜査の対象とされるおそれが排除されず,むしろ,その懸念は,政府の説明によって以前よりも強まっている。
5. また,上記②の要件については,予備罪における予備ないし準備行為とは異なり,対象犯罪の結果発生の危険を含まない些細な日常行為で足りると解釈される可能性が高く,可罰的行為を限定する要件として機能するとは考えられない。そもそも,共謀ないし計画に参加した一部の者が,他の者の知らないところで準備行為を行った場合でも全員が処罰されると考えられており,共謀そのものを処罰することとほとんど異ならない。
6. さらに,上記の③についても,従来は既遂に至るまで処罰されず,又は,未遂・予備段階の処罰で足りるとされていた277もの対象犯罪について,その計画段階での処罰の必要性を個別に吟味せず一括して処罰の対象とすることの不当性は,全く変わらない。
7. たしかに,テロリズム集団による組織的犯罪を未然に防止する必要性は否定されない。しかし,我が国の現行法上,刑法以外にも,例えば,ハイジャック防止法,サリン等人身被害防止法など,個別の法律にテロと関連しうる各種の予備・陰謀罪が定められており,必要な対策はなされているといえる。仮に,テロ対策が未だ不十分な分野があるとしても,個別の立法措置を行うのが当然であって,前記のとおり277もの対象犯罪について一括して共謀罪を制定する理由にはならない。そもそも,277の対象犯罪の中には,森林法違反や著作権法違反などのテロと無縁の犯罪が依然として含まれており,政府がテロ対策から本法案の必要性を説明することには疑問がある。
8. 加えて,政府は,国際組織犯罪防止条約を批准するために本法案の成立が必要であるとするが,日本弁護士連合会の「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」( 2017年(平成29年)2月17日)に詳しく述べられているとおり,既にテロと関連しうる各種の予備・陰謀罪が処罰の対象とされている我が国においては,同条約批准のため,必ずしも新たな共謀罪を制定する必要は認められない。そもそも,2005年段階においては,政府は,同条約締結のためには,共謀罪の対象犯罪について「犯罪の内容に応じて選別することは条約上できない」と説明し,4年以上の懲役・禁錮の刑を定める676罪全てを対象犯罪としなければならないとしていたのだが,本法案においては,前記のとおり対象犯罪が277に減らされた。かかる経緯も考え合わせると,同条約批准のために必要という政府の主張に説得力があるとは言いがたい。
1. 以上のとおり,本法案の危険性は,過去の共謀罪法案と全く異なるところがなく,また,政府が説明するような必要性は認められない。当会は,本法案に,強く反対する。
2017年(平成29年)4月27日
秋田弁護士会 会長 三 浦 広 久

いわゆる共謀罪法案の提出に反対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2016/10/post-108.html
2016年10月28日 公開
1. 報道によれば,政府は,組織的犯罪処罰法を改正し,「組織的犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設する法案(以下「提出予定新法案」という)を,次期通常国会に提出することを検討しているとされる。これは,過去3回にわたって政府が国会に提出し廃案となった「共謀罪法案」に,若干の修正を加えたものである。なお,提出予定新法案は今秋の臨時国会に提出される見込みと報じられていたが,次期通常国会に先送りされたものである。
2. 過去の政府提出法案における共謀罪法案は,長期4年以上の懲役・禁固刑が法定刑と定められている犯罪行為について,「団体の活動として」「当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を共謀した者」を処罰する内容であった。共謀の内容としては,犯罪を遂行しようとした意思を合致させる謀議,あるいは謀議の結果としての合意があれば足りるとされ,基本的犯罪の実行行為の着手どころか,その準備行為や合意を推進する行為も犯罪の成立要件とはされていなかった。
3. 提出予定新法案を過去の法案を比べると,①組織的犯罪集団の活動として,②具体的・現実的な計画を立て,さらに③実行の準備行為を行うことが必要とされるなど,犯罪成立要件が追加され,改善されたようにも見える。
4. しかし,提出予定新法案においても,共謀そのものを処罰の対象とするという本質的危険性に全く変わりがない。すなわち,共謀罪の立証のため,意思形成のための発言や相談,会議等が,広く捜査の対象となるので,憲法が保障する思想信条の自由,表現の自由,集会・結社の自由などの基本的人権が不当に侵害され,また,これらの権利の行使に萎縮効果を与える恐れがある。また,共謀罪においては,電話による通話内容が犯罪を構成することになるため,これを察知するための盗聴(電話傍受)が常態化する等,適正手続に重大な脅威を及ぼすおそれがある。
5. そして,提出予定新法案で追加される犯罪成立要件は,上記の懸念をいささかも減じない。「組織的犯罪集団」「具体的,現実的な計画」「実行の準備行為」の各要件は,いずれも抽象的かつ曖昧であって,捜査機関による恣意的解釈や運用がなされるおそれを排除できない。特に「実行の準備行為」は,犯罪発生の危険性をほとんど含まない些細な行為にまで広げて解釈される可能性が高く,可罰的行為を限定する要件としては機能しないと考えられる。
6. 当会は,2005年10月25日,政府による3度目の法案提出に際し,「共謀罪の新設に反対する会長声明」を発しているが,同声明で反対の理由とした諸点は,今回提出予定とされる法案にも依然として妥当する。提出予定新法案は,わが国刑法の基本原則に反し,基本的人権の重大な脅威となる点において,過去の提出法案と何ら異ならないものであるから,当会は,提出予定新法案の国会提出に,強く反対する。以上 2016年(平成28年)10月28日 秋田弁護士会会長 外 山 奈央子

共謀罪の新設に反対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2005/10/post-49.html
2005年10月25日 公開
1 2003年の第156通常国会及び先に閉会した第162通常国会と2度にわたり廃案となった「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するために刑法の一部を改正する法律案」(以下,「本法案」という)が,今国会に提出され,10月14日には衆院法務委員会で審議入りしました。本法案には,いわゆる「共謀罪」の新設が盛り込まれています。
2 同法案の共謀罪とは,長期4年以上の刑が定められている犯罪行為について、「団体の活動として」「当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を共謀した者」を処罰するものです。この共謀罪が成立するためには,犯罪を遂行しようとした意思を合致させる謀議,あるいは謀議の結果としての合意があれば足りるとされ,犯罪の実行行為の着手どころか,準備行為や合意を推進する行為も要求されていません。しかも,現刑法は予備罪ですら,強盗などの重罪に限られているのに,共謀罪の前提となる犯罪は,このような重罪に限定されず,窃盗,傷害,背任,公職選挙法違反等など600以上にも及ぶ広汎なものとされています。これは,原則として客観的,外形的な実行行為があって初めて犯罪として成立するというわが国刑法の大原則に反するものです。
3 しかも,共謀罪は,意思形成段階を処罰の対象とすることに加え,「共謀」という概念が非常に不明確なため,意思形成のための発言や相談,会議などが,その犯罪成立の対象となりますが,これによって,思想信条の自由,表現の自由,集会・結社の自由などの基本的人権が大きな脅威を受けることになります。
4 また,共謀罪は,具体的な法益侵害行為ではなく,会話,電話,メールなどあらゆるコミュニケ-ションの内容が犯罪を構成することになるため,捜査において,その内容を察知するため盗聴(電話傍受)が常態化し,また合意を立証するため自白偏重をもたらす危険性など,適正手続に重大な脅威を及ぼすおそれがあります。
5 さらに,本法案は,「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に基づき,その国内法化を図るためとされています。しかし,本法案は,同条約でいう「性質上越境的なもの」で「組織的な犯罪集団が関与するもの」として対象団体の限定がなされていないため,いわゆる「越境的組織犯罪集団」とは無関係な市民団体,労働組合,企業,政党等の活動もその対象とされかねないもので,同条約の趣旨ともかけ離れています。
6 以上のとおり,共謀罪の新設はわが国刑法の基本原則に反し,基本的人権の重大な脅威となるものですから,本法案の成立には強く反対するものです。2005年10月25日 秋田弁護士会    会長 面 山 恭 子

「有事法制」法案に反対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2002/05/post-15.html
2002年5月21日 公開
政府は、4月17日、衆議院に、「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」、「安全保障会議設置法の一部を改正する法律案」及び「自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」(以上を「有事法制3法案」という)を上程した。日本弁護士会連合会は、4月20日の理事会において、憲法原理に照らし、以下の重大な問題点と危険性が存在するとして、有事法制3法案に反対し、同法案の廃案を求める決議を採択した。
1.「武力攻撃のおそれのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予想されるに至った事態」までが「武力攻撃事態」とされており、その範囲・概念は極めて曖昧である。政府の判断によりどのようにも「武力攻撃事態」を認定することが可能であり、しかも国会の承認は「対処措置」実行後になされることから、政府の認定を追認するものとなるおそれが大きい。
2.いったん内閣により「武力攻撃事態」の認定が行われると、陣地構築、軍事物資の確保等のための私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物資の輸送、戦傷者治療等のための市民に対する役務の強制、交通、通信、経済等の市民生活・経済活動の規制などを行うことにより、市民の基本的人権を大きく制約することとなるが、これは憲法規範の中核をなす基本的人権保障原理を変質させる重大な危険性を有する。
3.曖昧な概念の下で拡張された「武力攻撃事態」における自衛隊の行動は、憲法の定める平和主義の原理、憲法9条の戦争放棄、軍備及び交戦権の否認に抵触するのではないかとの重大な疑念が存在する。また、周辺事態法と連動して、米軍が主体的に関与する戦争あるいは紛争に我が国を参加させることにより、日米の共同行動すなわち個別的自衛権の枠を超えた「集団的自衛権の行使」となり、我が国に対する攻撃を招く危険を生じさせる。
4.武力の行使、情報・経済の統制等を含む幅広い事態対処権限を内閣総理大臣に集中し、その事務を閣内の「対策本部」に所掌させることは、行政権は合議体である内閣に属するとの憲法規定と抵触し、また内閣総理大臣の地方公共団体に対する指示権及び地方公共団体が行う措置を直接実施する権限は地方自治の本旨に反し、憲法が定める民主的な統治構造を大きく変容させ、民主主義の基盤を侵食する危険性を有する。
5.日本放送協会(NHK)などの放送機関を指定公共機関とし、これらに対し、「必要な措置を実施する責務」を負わせ、内閣総理大臣が、対処措置を実施すべきことを指示し、実施されない時は自ら直接対処措置を実施することができるとすることにより、政府が放送メディアを統制下に置き、市民の知る権利、メディアの権力監視機能、報道の自由を侵害し、国民主権と民主主義の基盤を崩壊させる危険を有する、等である。
 以上のように、有事法制3法案は、武力または軍事力の行使を許容するための強大な権限を内閣総理大臣に付与する授権法であり、基本的人権侵害のおそれ、平和原則への抵触のおそれだけではなく、憲法が予定する民主的な統治構造を変容させ、地方公共団体、メディアを含む指定公共機関の責務と内閣総理大臣の指示権、直接実施権及び国民の協力・努力義務を定めることにより、国家総動員体制への道を切りひらく重大な危険性を有するものである。また、有事法制の必要性及びその内容については、様々な意見が存するところであり、広く国民的な議論を尽くしたうえで国会に上程するべきであり、今回の法案の国会上程は、極めて拙速であるといわざるを得ない。当弁護士会は、基本的人権尊重主義、平和主義、国民主権原理という憲法原理に抵触するのではないかという重大な疑義がある有事法制3法案について、同法案の問題点を国民に明らかにし、国民が十分に議論する機会が保障されないままでの同法案の成立に反対するものである。平成14年5月21日  秋田弁護士会    会長 柴 田 一 宏

秘密保全法制定に反対する会長声明
ttp://akiben.jp/statement/2012/05/post-7.html
2012年5月21日 公開
2011年(平成23年)8月8日、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」は、「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」を発表し、これを受けて、政府は秘密保全法制の法案化作業を進めてきた。今国会への法案提出は見送るとの報道はなされたものの、政府による正式表明ではなく、法案化が断念されたわけではない。以下で述べるとおり、報告書が整備を求める秘密保全法制(以下、「当該秘密保全法制」という)は、国民主権原理から導かれる知る権利を侵害するなど、憲法上の諸原理と正面から衝突する多くの問題点を有しており、当会としては、このような重大な問題を孕む当該秘密保全法の制定に反対するものである。
1 当該秘密保全法制は、対象となる秘密(特別秘密)について、その対象を「国の安全」、「外交」、「公共の安全及び秩序の維持」の3分野としている。しかし、その概念、特に「公共の安全及び秩序の維持」という概念は曖昧であり、解釈・運用によっては、あらゆる分野の事項が対象となりかねない。さらに、特別秘密の指定権者は当該行政機関等とされており、第三者がチェックする仕組みもないことから、行政機関等の恣意的判断・運用により、国民が必要とする情報が秘匿される危険性がある。
2 特別秘密の概念が曖昧かつ広範であることから、その漏洩行為に対して厳しい罰則規定を設けることは、罪刑法定主義の観点からも大いに問題がある。さらに、禁止行為として、故意の漏洩行為はもとより、過失による漏洩、未遂、共謀、独立教唆及び扇動のほか、不正な方法で「特別秘密」にアクセスすることを「特定取得行為」として、その共謀や扇動までも処罰しようとしており、そこでの禁止行為は極めて不明確かつ広範であることから、処罰の対象となるのか国民には予測し得ず、その結果、国民の行動の自由が抑制される危険性がある。また、報道機関の正当な取材活動すら処罰対象となりかねず、言論の自由に対する委縮効果が大きく、国民の知る権利を侵害するおそれが極めて高い。
3 加えて、秘密保全法違反を理由に起訴された場合、対象となる「特別秘密」の内容が明らかにされないまま、裁判手続が進行してしまうことが懸念され、公開の法廷における適正な手続に従って裁判を受ける権利を侵害するおそれもある
4 当該秘密保全法制は、特別秘密を取り扱う者(対象者)自体の管理を徹底することが重要であるとし、「適性評価制度」の導入を提案している。しかし、同制度における調査事項は、外国への渡航歴や信用状態など広範に及び、また、対象者のみならず、配偶者など対象者の行動に影響を与え得る者に対してまで調査を許容するものとなっており、関係者のプライバシー情報が過度に侵害される危険性がある。さらに、当該秘密保全法制は適性評価の観点として、「我が国の不利益となる行動をしないこと」を掲げているが、何が「我が国の不利益」なのかは実施権者の裁量に委ねられており、その者の恣意的判断により、思想・信条を理由とした差別的取扱いがなされるおそれもある。
5 そもそも、当該秘密保全法制検討のきっかけとなった尖閣沖漁船衝突事件に係る映像流出は、国家機密の漏洩とは到底言えないものであり、むしろ政府が情報公開を適切に行わなかったことにより生じた事案であったと考えるべきである。当該秘密保全法制は立法を必要とする理由を欠いており、仮に国家秘密とされるべきものがあるとしても、国家公務員法等の現行の法制度で十分対応可能であることから、秘密保全のための新たな法制を設ける必要性は存しない。
 以上の理由から、当会は当該秘密保全法の制定に反対するものであり、かかる法案が国会に提出されないよう強く求めるものである。
2012年(平成24年)5月21日  
秋田弁護士会    会長 近 江 直 人

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