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2019-03-18 14:00 0 comments

0004 懲戒請求は違法行為か

引用元 

現在進行中の裁判は、異様にも原告がすべてが弁護士であり、懲戒請求者が被告であるのでその形で記述する。

 そもそも、懲戒請求書に記載した懲戒事由の「違法である」という論評の直接の対象は「朝鮮人学校補助金支給」であるから、原告らの主張は当を得ていない。被告は、朝鮮学校補助金支給は違法であるから、公共性の強い強制加入の公的団体である弁護士会がそれを要求する声明を出すことも法人の目的の範囲外の行為であって違法であり、それに賛同したり、その活動を推進する弁護士個人の行為も弁護士法1条に照らし違法性を帯びると考えているが、違法か否かは法的評価の問題であり論評に属することである上、懲戒請求は違法行為に限らず「品位を失うべき非行」があればできることになっているから(弁護士法56条1項)、違法行為をしていない旨の弁明主張だけでは請求原因事実として不十分である。本件訴訟の争点は、被告が上記のように考えそれが懲戒事由に当たると思料して懲戒請求したことが、「事実上又は法律上の根拠を欠いた場合であって、そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことにより知り得た」かどうかである。

    懲戒請求に疎明資料添付は要求されていないのである。(弁護士法58条1項)

 

    懲戒請求が不法行為を構成する要件について

~平成23年最判によるH19年最判の実質的見直し~

(1)はじめに

本件で不法行為の成否を検討するにあたっては、原告が引用するH19年最判に加えて、最高裁平成23年07月15日判決(山口県光市母子殺人事件弁護団が橋下徹氏を訴えた事件。乙5)を踏まえる必要がある。これは、予め印字された同一内容の書式により多数人から懲戒請求が出されたことに関して不法行為責任を論じた事件である。

H23年判決は、懲戒請求そのものではなく、テレビで懲戒請求を広く呼び掛けた行為の不法行為責任が争われた事件であるから、本件と全く同じではないが、600通もの懲戒請求を受けた弁護団の損害の評価について判断がなされているから、その部分の判示は本件の直接の先例となるはずである。

またH23年判決は、損害が弁護士の受忍限度の範囲内であることから、ひいては呼びかけ行為の不法行為該当性そのものを否定している。

したがって、H23年最判は本件に直結する最判である。

原告らが、訴状でこの有名な最判に全く言及せず、H19年最判だけを引用しているのは、失当としか言いようがない。民事第7部8(ワ)26006号裁判では三木素子裁判長は本件はH19年最判によって判決すると法廷で述べて結審している。

これでは裁判官の質の低さに止まらず、司法の信頼ががた落ちになるだろう。この件はH23年最判に拠って審理判断されるべきである。

 

(2)事案の共通性

 H23年最判の事案でも、懲戒事由とされた行為について、懲戒請求人らはもちろん呼び掛けた橋下氏も、報道等により知り得たもの以上の情報を有していなかった。また広島弁護士会の綱紀委員会は、一括して事案の調査をした上、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をした。これらの点で、本件と全く同じ事案と言える。

 

(3)不法行為該当性のあてはめ

 事実上又は法律上の根拠に欠けるのにそのことを知りながら、という要件のあてはめが重要である。

橋下氏が報道等で知り得た以上の情報を有していなかったにもかかわらず、最高裁は、「(橋下氏)としては、(光市弁護団)の本件弁護活動が本件被告人に不利益な弁護活動として、懲戒事由に該当すると考えていたとみるのが相当であって、(光市弁護団)に対する懲戒請求に理由がないことを知りながら本件呼び掛け行為をしたとの原審の上記事実認定は、経験則に反する」と判示した。

つまり、最終的に広島弁護士会は懲戒しないという判断に至ったのであるが、橋下氏が報道等の伝聞情報だけをもとに、自分なりの判断で懲戒事由に該当すると思料したことは、根拠が無いとか、理由が無いことを知りながら、とは評価されなかったのである。判決文において、橋下氏の判断の軽率さ、不適切さがしつこいほど強調されているにもかかわらず、である。

このことからすれば、弁護士でもない一般人が懲戒請求するに当たり求められる事実上及び法律上の根拠の調査というのは、相当にハードルが低いと言える。

 

(4)相当の根拠の調査義務について

 そもそも「何人も」懲戒請求できるということは、伝聞情報しか持ち合わせていない一般人の懲戒請求を想定しているということである。一般人が何の権限も無いのに、事実の調査など出来るわけがない。そのことからすれば、事実上の根拠の調査は、直接体験した事実であって直接確認できる事柄でない限り、伝聞情報で足りるというべきである。

 また、法律上の根拠の調査などは、それこそ弁護士会の責務である。一般人の家には六法全書も無いし、あっても六法全書に全ての法律が載っているわけではないし、ネット環境が無い者もいるし、どの法令を調べていいのかも通常はわからないし、難解な条文を読んでも普通は意味がわからないし、条文の意味がわかってもその適用具体例(判例)の入手方法も知らないし、どの判例が生きているのかも、一般人にはわからないからである。したがって、法律上の根拠の調査はまず不要と解すべきである。「ネットで見たけど、あれって何か法律に違反するのではないか? そうだとしたら問題だ」という程度で十分である。

 そもそも弁護士の懲戒事由は「品位を失うべき非行」と思料されればよく、違法であることを要しない。この意味でも、法律上の根拠の調査義務の要件は、不要であると解すべきであり、H19年最判は変更されるべきと考える。

 この点、H23年最判の竹内行夫裁判官の補足意見が重要であるから引用する。

「懲戒請求権が何人にも認められていることの意義

弁護士に対する懲戒については、その権限を自治団体である弁護士会及び日本弁護士連合会に付与し国家機関の関与を排除していることとの関連で、そのような自治的な制度の下において、懲戒権の適正な発動と公正な運用を確保するために、懲戒権発動の端緒となる申立てとして公益上重要な機能を有する懲戒請求を、資格等を問わず広く一般の人に認めているものであると解される。これは自治的な公共的制度である弁護士懲戒制度の根幹に関わることであり、安易に制限されるようなことがあってはならないことはいうまでもない。日本弁護士連合会のインターネット上のホームページにおいても、“懲戒の請求は、事件の依頼者や相手方などの関係者に限らず誰でもでき、その弁護士等の所属弁護士会に請求します(同法58条)”と紹介されているところである。

 懲戒請求の方式について、弁護士法は、“その事由の説明を添えて”と定めているだけであり、その他に格別の方式を要求していることはない。仮に、懲戒請求を実質的に制限するような手続や方式を要求するようなことがあれば、それは何人でも懲戒請求ができるとしたことの趣旨に反することとなろう。

 また、“懲戒の事由があると思料するとき”とはいかなる場合かという点については、懲戒請求が何人にも認められていることの趣旨及び懲戒請求は懲戒審査手続の端緒にすぎないこと、並びに、綱紀委員会による調査が前置されていること及び綱紀委員会と懲戒委員会では職権により関係資料が収集されることに鑑みると、懲戒請求者においては、懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠なく懲戒請求をすることは許されないとしても、一般の懲戒請求者に対して上記の相当な根拠につき高度の調査、検討を求めるようなことは、懲戒請求を萎縮させるものであり、懲戒請求が広く一般の人に認められていることを基盤とする弁護士懲戒制度の目的に合致しないものと考える。制度の趣旨からみて、このように懲戒請求の“間口”を制約することには特に慎重でなければならず、特段の制約が認められるべきではない。」

  以上のとおり、懲戒請求の制度趣旨に照らし、間口は広くしなければならず、事実上及び法律上の相当な根拠の調査について、高度の義務が課されるべきではない。

 

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