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2018-01-31 05:45 0 comments

2332 こめびつわさび茨城県弁護士会③(0)

引用元 

日弁連は、死刑執行があるたびに抗議声明を出しており、それはかつての民主党政権時代でも同じでした。
茨城県弁護士会のサイトに、2009年から2017年にまで、67の声明・決議が掲載されています。そのうち死刑執行に関するものが、7件あります。
掲載されている死刑関係の声明が、民主党政権が倒れ、第二次安倍政権になってから、2013年以降のものだけというのが、笑っていいのやら構成員がいったい何者か恐ろしいやら。今回も、7件について題目を列挙してから各文書の内容を挙げていきます。
2017年(平成29年)8月9日 死刑執行に関する会長声明 阿久津正晴
2016年(平成28年)3月29日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明  木島千華夫
2015年(平成27年)12月28日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 木島千華夫
2015年(平成27年)7月8日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 木島千華夫
2014(平成26年)8月29日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 後藤直樹
2014(平成26年)6月30日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 後藤直樹
2013(平成25年)12月12日 死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 佐谷道浩

■死刑執行に関する会長声明2017年(平成29年)8月9日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/97563cae05d1d8eaeff70ad11a3bd094-1.pdf
※「広く国民に開かれた場での死刑制度の存廃も含めた幅広い議論をすることにある。」・・いわゆる議論のための議論、ですかね。

平成29年7月13日,大阪拘置所,広島拘置所において,それぞれ1名に対して死刑が執行された。
大阪拘置所で死刑が執行された者は再審請求中であるが,再審請求中の死刑執行は平成11年12月以来であり,極めて異例である。
死刑は命を絶つ刑罰であり,一度執行されてしまえば,死刑判決が誤りだったとしても,取り返しがつかないという問題を抱えている。
これまで,死刑判決がいったん確定した四つの事件(いわゆる免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件)において,再審が開始されて無罪判決が確定しており,近年でも,平成26年3月27日,いわゆる袴田事件において,再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定が出されている。死刑判決のような重大事件においても誤判のおそれが存在することは客観的な事実である。
誤判を生じるに至った制度上や運用上の問題点について抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
そもそも死刑制度については,そのあり方について様々な意見があるところであり,今,求められているのは,死刑の執行を急ぐことではなく,広く国民に開かれた場での死刑制度の存廃も含めた幅広い議論をすることにある。
当会は,死刑制度に関して広く国民に開かれた全社会的議論の開始を求めるとともに,議論が尽くされ死刑制度に関する改善が行われるまでの間,死刑執行を停止するよう,強く求めるものである。
平成29年8月9日 茨城県弁護士会会長  阿久津正晴

■死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明 2016年(平成28年)3月29日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/b85f7dcf54ca2dfaaf03d478037f3410.pdf
※この文書から遡ること、会長3代にわたって計6回、ほとんど定形文章のコピーが使われていたようです。
※「死刑は,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰」それに値する罪を犯したものが処されるのでは。
平成28年3月25日,大阪拘置所及び福岡拘置所において,それぞれ1名に対して死刑が執行された。岩城光英法務大臣は,平成27年12月の執行に次いで2度目の死刑執行を命じたことになった。
1 死刑は,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,平成25年2月12日には当時の谷垣禎一法務大臣に対し,平成27年12月9日には岩城光英法務大臣に対し,それぞれ「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会においても,平成25年12月12日,平成26年6月26日,平成26年8月29日,平成27年6月25日,平成27年12月18日に行われた死刑執行に対し,会長声明を発している。当会としては,以上の要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,平成26年3月27日には,静岡地方裁判所が袴田事件につき再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。また,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
5 そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
裁判員制度の下,市民が死刑判決に関わらざるを得なくなっている一方で,死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽したのか,あらためて問われなければならない。
当会は,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。
平成28年3月29日
茨城県弁護士会 会長 木島 千華夫

■死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明2015年(平成27年)12月28日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2015/12/e8263c4a9a55e5395f3eb1c8d159e826.pdf
平成27年12月18日,東京拘置所及び仙台拘置支所において,それぞれ1名に対して死刑が執行された。岩城光英法務大臣は,平成27年10月に就任して以来,初めて死刑執行を命じたことになり,上川陽子前法務大臣が平成27年6月に執行して以来約半年ぶりの死刑執行である。
1 死刑は,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,平成27年12月9日には岩城法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会においても,平成25年12月12日,平成26年6月26日,平成26年8月29日,平成27年6月25日に行われた死刑執行に対し,会長声明を発している。当会としては,以上の要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,平成26年3月27日には,静岡地方裁判所が袴田事件につき再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。また,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
5 そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
平成27年12月18日に死刑執行された者のうち1名は,裁判員裁判において死刑判決を受けた者であるが,裁判員裁判での死刑判決による死刑執行はこれが初めてである。市民の判断により人の死という結果が現実に発生したにもかかわらず,現在もなお死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽したのか,あらためて問われなければならない。当会は,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。

平成27年12月28日 茨城県弁護士会 会長 木島 千華夫
■死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明2015年(平成27年)7月8日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2015/07/20150710_2.pdf
平成27年6月25日,名古屋拘置所において,1名に対して死刑が執行された。上川陽子法務大臣は,昨年10月に就任して以来,初めて死刑執行を命じたことになり,谷垣禎一前法務大臣が昨年8月に執行して以来約10カ月ぶりの死刑執行である。
1 死刑は,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,平成25年2月12日,法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会においても,平成25年12月12日,平成26年6月26日,平成26年8月29日に行われた死刑執行に対し,会長声明を発している。当会としては,以上の要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,平成26年3月27日には,静岡地方裁判所が袴田事件につき再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。また,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
5 そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
裁判員制度の下,市民が死刑判決に関わらざるを得なくなっている一方で,死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽したのか,あらためて問われなければならない。
当会は,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。
平成27年7月8日 茨城県弁護士会 会長 木島 千華夫

■死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明2014(平成26年)8月29日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/20140831.pdf
平成26年8月29日,仙台拘置支所,東京拘置所において,それぞれ1名に対して死刑が執行された。谷垣禎一法務大臣は,平成24年12月に就任後,11人の死刑執行を命じたことになる。
1 死刑は ,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,平成25年2月12日,谷垣法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会においても,平成25年12月12日,平成26年6月26日に行われた死刑執行に対し,会長声明を発している。当会としては,以上の要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,平成26年3月27日には,静岡地方裁判所が袴田事件につき再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。また,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
5 そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
裁判員制度の下,市民が死刑判決に関わらざるを得なくなっている一方で,死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽したのか,あらためて問われなければならない。
当会は ,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。
平成26年8月29日 茨城県弁護士会 会長 後藤 直樹

■死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明2014(平成26年)6月30日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/20140630.pdf
平成26年6月26日,大阪拘置所において,1名に対して死刑が執行された。谷垣禎一法務大臣は,平成24年12月に就任後,9人の死刑執行を命じたことになる。
1 死刑は,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,平成25年2月12日,谷垣法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会においても,平成25年12月12日に執行された死刑に対し,同日会長声明を発している。当会としては,以上の要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,平成26年3月27日には,静岡地方裁判所が袴田事件につき再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。また,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず,誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。
5  そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
裁判員制度の下,市民が死刑判決に関わらざるを得なくなっている一方で,死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽したのか,あらためて問われなければならない。
当会は,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。
平成26年6月30日 茨城県弁護士会 会長 後藤 直樹

■死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明2013(平成25年)12月12日
ttp://www.ibaben.or.jp/wp-content/uploads/2014/09/20131212.pdf

平成25年12月12日,東京,大阪の各拘置所において,それぞれ1名に対して死刑が執行された。谷垣禎一 法務大臣は,平成24年12月に就任後,8人の死刑執行を命じたことになる。
1 死刑は ,かけがえのない生命を奪い,人間の存在を完全に否定するという不可逆的な刑罰である。また,罪を犯した人の更生と社会復帰の可能性を完全に奪うという取り返しのつかない刑罰であるという問題点を内包している。
2 日本弁護士連合会は,2011年10月7日,第54回人権擁護大会において「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択したほか,2013年2月12日,谷垣法務大臣に対し,「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し,死刑の執行を停止するとともに,死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して,死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し, 死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
当会は ,その要請に対して何らの配慮もせずなされた死刑執行を到底容認できない。
3 国際社会においては,死刑廃止が趨勢となっている。最近では,死刑廃止国が140か国(事実上の廃止国を含む。)であるのに対し,死刑存置国は58か国に過ぎない。日本政府は,国連関係機関からも,死刑の執行を停止し,死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう繰り返し勧告を受けている。
4 わが国では死刑事件について4件の再審無罪判決が確定しているうえ,近時,足利事件, 東電社員殺人事件の再審において誤判が明らかとなったほか,当会所在の水戸地裁管内においても布川事件の再審で無罪判決が出されている。
各再審事件において誤判を生じるに至った制度上及び運用上の問題点について,抜本的な改善は図られておらず, 誤った死刑判決に基づく執行の危険性は依然として残されたままである。さらに, すでに死刑が執行されてしまった飯塚事件のように,科学的証拠に基づく判断であってもその後の科学技術の発達により事実認定の見直しがなされる可能性が高くなっているものもあり,誤判の可能性は過去のものとは到底言えないものである。
5 そのうえ,事実認定に問題のない事案であっても,死刑と無期刑との量刑について裁判所間で判断が分かれる事例も相次いでおり,明確な判断基準が存在しているとは言い難い状況である。このような状況で直ちに死刑が執行されることにも重大な問題がある。
裁判員制度の下,市民が死刑判決に関わらざるを得なくなっている一方で,死刑制度そのものの存廃についての公の議論は何ら行われないままである。
6 以上のような状況において,死刑を執行する必要性があったのか,更には死刑執行について熟慮を尽くしたのか,あらためて問われなければならない。
当会は ,今回の死刑執行に対し強く抗議する。あわせて法務大臣に対し,死刑制度の廃止についての国民的議論の開始と死刑執行の停止に向けて誠実な対応をするよう,重ねて求めるものである。
平成25年12月12日 茨城県弁護士会 会長 佐谷道浩

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