テーマ【号外8311】
国の基金の用途の精査を求める
ご要望
2021年9月3日の日本経済新聞朝刊1面に「基金の支出計画、需要無視」という記事がありました。日本経済新聞が2015~19年度の公開資料を分析したところ、国の基金の30事業で支出実績が計画の3割にも届いていませんでした。見通しが甘くなるのはなぜなのでしょうか。
日経新聞は個別の基金事業の運営状況をまとめた国の資料で、事業費の見込みと実績を調べました。比較可能な185件の15~19年度分が対象で、30件は毎年度の平均で実績が3割に満たず、うち10件は1割を下回っていました。すべての年度で計画に届いていなかったのも111件ありました。
具体例が、国土交通省が07年度に始めた港湾地区の再開発支援事業です。国交省は事業者や自治体からの相談内容と進捗を精査せず、支援計画に丸ごと反映していました。結果、基金の活用は進みませんでした。港湾地区は用途が定められていることが多く再開発が難しかったためで、支援は14年間で1件にとどまっています。
計画を過大に見積もる基金が多い背景に、需要を高めに設定し資金を維持しようとする各省庁の意図が浮かんできます。計画を大きく示せば需要があるように見せられ、国にお金を返すのが遅れて本当に必要な事業に回りにくくなります。見通しは外れることもありますが、検証を怠れば過大な見積もりが繰り返されます。
必要な省に予算が回らなくなる。(特に防衛予算)基金の用途等内容のさらなる精査を求める。
参考:
www.nikkei.com/article/DGXZQODL027VX0S1A900C2000000/
www.nikkei.com/article/DGKKZO75408960T00C21A9MM8000/
www.nikkei.com/article/DGXZQODL292AZ0Z20C21A8000000/