テーマ【号外8380】
金持ち優遇の保釈制度の見直しを求める
ご要望
( www.yomiuri.co.jp/editorial/20200115-OYT1T50295/ より引用)
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が保釈中に海外逃亡した事件は、日本の保釈制度の脆ぜい弱じゃくさを浮き彫りにした。逃亡を防ぐ仕組みの検討を急がねばならない。
保釈は、起訴された被告の身柄拘束を、判決が出るまで解く手続きだ。刑事訴訟法では、証拠隠滅の恐れなどがある場合を除き、請求があれば、原則として許可しなければならないと定めている。
近年、裁判所が保釈を柔軟に認める傾向が強まっている。保釈率は2008年の14%から、18年には33%に上昇した。
被告の利益を守る観点からは、不必要な身柄拘束を避けるのは妥当だと言えよう。
問題は、保釈された被告の逃亡や証拠隠滅を防ぐ手立てが十分でない点だ。現行制度は、保釈保証金を被告に納めさせ、逃亡すれば没収することで抑止を図るという考え方に立っている。
15億円の保釈保証金を納めていたゴーン被告の逃亡を見れば、保釈保証金のみでは逃亡を防ぐのに限界があるのは明らかだ。
欧米には、GPS装置などを活用する仕組みがある。米国の多くの州は、被告の足首などにGPS装置を取り付けて監視する。フランスでは、自宅に電子機器を置いて定期的にボタンを押させ、在宅を確認しているという。
日本でも、被告本人の同意を前提に、監視システムの導入について検討を始める必要があるのではないか。海外の事例を参考に、プライバシー保護とのバランスや、誰が監視を担うのかといった課題を洗い出すことが求められる。
そもそも現在は、保釈中の被告が逃亡しても、その行為を直接処罰できる法律がない。刑法の逃走罪は、刑務所や拘置所などで身柄を拘束中の受刑者や被告らが逃げた場合のみが対象だ。
法務省は刑法などを改正し、保釈中の被告が逃亡したり、裁判所の呼び出しに応じなかったりした場合に罰則を科す規定を新設する方針だ。法の不備は早急に是正しなければならない。
1審で実刑判決を受けた被告が控訴後に保釈され、2審の判決期日に姿を見せないまま逃げてしまう事案もある。現行制度では、2審への被告の出廷義務がないが、少なくとも判決期日に出頭を義務付ける必要があるだろう。
保釈中の被告が再犯に及ぶケースも目立つ。窃盗や覚醒剤事件が多いが、殺人事件も起きている。治安の悪化を防ぐ上でも、裁判所の適切な判断が欠かせない。(引用ここまで)
アメリカでも制度の見直しが検討されている。これを機に日本でも検討するべきである。また、GPSの装着は必要である。
参考:
www.sankei.com/affairs/news/200221/afr2002210043-n1.html
headtopics.com/jp/204453732035211331332-11458981
news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20200105-00157675