官邸メール詳細
テーマ【号外316】
ILO条約の早期批准を求める
ご要望
現在の政府は、「働き方改革」や「女性活躍推進」など、日本経済の生産性向上や労働条件の改善に努めている。
少子化による生産年齢人口の減少の到来がほぼ確実である日本にとって、これらの改革はもちろん正しいことではあるが、
そもそも世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連最初の専門機関である国際労働機関(ILO)が採択した条約に
多くの先進国が批准している一方で、日本は4分の1が未批准であり、ILOからも早期批准を求められている。
日本はILO新宣言が最優先条約とした8条約のうち、強制労働の廃止や雇用及び職業における差別待遇禁止など極めて重要なものすら批准しておらず、
特に労働時間関連、母性保護関連、雇用形態関連のILO条約の批准に極めて消極的である。
例えば、日本の年次有給休暇の実態とILO条約が採択する年次有給休暇との乖離は典型的で、
ILO条約は「年次有給休暇は分割自体は可能であるが、必ず最低2週間の有給休暇を継続して付与しなければならない」、
「疾病を理由とした年次有給休暇の利用を認めず、疾病を理由とした欠勤は固有の制度で吸収する」、
「年次有給休暇の付与は労働者の請求にかかわらず使用者が義務として付与しなければならない」としているのに、
日本は「年次有給休暇を一日単位、時間単位に分割して使用することを認めており、それが常態化している」、
「疾病を理由とした年次有給休暇の利用が認められている」、
「年次有給休暇は労働者が請求しない限り実質的に使用者は付与しなくてもよい」となっており、
国際標準の年次有給休暇の本来の意味がなくなってしまっている。
このままでは、過労死などの日本の労働問題を解決することができないだけでなく、優良な外国企業や優秀な外国人人材が日本市場を敬遠し、
人手不足がますます深刻化する。現にさまざまな調査で、高度な能力を有する外国人人材が日本市場を魅力的に思っていないという結果も出ている。
また、優秀な日本人が海外に流出する恐れもある。
ILO条約を批准し、国際標準まで労働条件を改善すれば、優秀な人材が日本にもっと来るようになり、日本経済の生産性向上と活性化を達成できる。
また、外国人技能実習制度のように、使用者が安い労働力をこき使う人権侵害を平然と行うようなモラルハザードを減らすことも期待できる。
ILO条約を批准しないまま、「働き方改革」や「女性活躍推進」を唱えても有名無実である。
ILO条約を批准することこそ、まさに「働き方改革」であり、「女性活躍推進」である。したがって、政府はILO条約を早期批准すべきである。
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