官邸メール詳細
テーマ【号外388】
会計基準の見直しを求める
ご要望
日本は「世界が使っているから」という薄弱な根拠かつ間違った誤解に基づいて有価証券に原価会計ではなく時価会計を適用するようになった。
しかし、時価会計はさまざまな問題をはらんでいる。まず時価会計は、その時の価格、「今いくらで売れる」という金額を貸借対照表に載せるが、
売却しない限り価格は確定しないのだから、その価格で売れる保障はない。実際に売れた金額が時価よりもはるかに低かった場合、株価は暴落し、
証券市場に大きな悪影響を与えるため、リスクが大きい。
また、時価会計はもともと原価と時価が大きくはなれる可能性があるインフレの時に導入が議論されたのであり、デフレの時には適さない。
デフレの時に時価会計を適用し、評価損を出せば、さらにデフレの足を引っ張る。それに伴って金融機関などは株を売り続け、株価は暴落し、
企業は含み損が大きくなり、金融庁行政による厳しい資産査定によって、企業が次々に潰され、税収が激減してしまい、
ミクロ経済だけでなくマクロ経済にも大きな影響を与える。
また一時的に経営がうまくいっていない企業の株式保有、一時的にうまくいっていない事業への投資が抑制され、民間企業は設備投資をためらい、
技術力は低下し、長期的戦略を構築することはできなくなる。
三角合併などに見られるように、売却していないため実際に利益を生んでいるわけではないので、株価が上昇しても株主への配当が優先され、
従業員の給与増などの人材投資も抑制される。株価が上昇しても株主への現に株価がよくなったといわれる安倍政権になってからも、
メガバンクや保険会社は株式持ち合いを縮減し、民間企業の保有株式売却も加速している。
日本は満期には額面しか返ってこない国債にも時価会計を適用しているため、銀行が評価損を恐れて国債を売却し、その事実自体が国債価格を下げ、
金利を上昇させる事態が発生している。またエンロンなどの粉飾決算にみられるようにモラルハザードを起こす可能性がある。
現に経営が悪化している東芝ものれん資産の償却が原価会計であったなら、
ウェスティングハウスの買収という無謀なM&Aを実行しなかっただろうと言われている。したがって、時価会計よりも原価会計の方がよい。
また、時価会計導入の根拠となった「世界が使っているから」という理由も、アメリカの時価会計はアメリカ国内の企業はほとんど適用対象になっておらず、
ニューヨークの証券取引所に上場している国外企業しか対象になっていない。
また、日本は「国際会計基準の多数の項目の中に時価会計基準を選択できる項目がある」という話しを、
「国際会計基準を導入すると、すべての項目について時価会計が自動的に適用される」と勘違いして導入しており、
時価会計をほぼすべてに適用している国は日本だけである。現にドイツ、フランスなどは時価会計を外す議論を行い、国債についてもすでに原価会計に改めた。
また国際会計基準の時価会計の基準は、かつて暫定基準と呼ばれ、「この基準は(実務的に)使えません」と書いてあったものである。
したがって、「世界が時価会計を適用しているから日本も適用しなければならない」という根拠もまったくの誤解であり、
このような出来の悪い会計基準を放置していれば、ミクロ経済にもマクロ経済にも悪影響を与え、長期的に日本経済は衰退する可能性がある。
政府は会計基準を軽視しすぎている。会計基準を経済政策の一つとみなし、世界の会計基準戦争の戦略を構築すべきである。
したがって、政府は以下のことを検討すべきである。
・原則として会計基準に原価主義を採用し、漸進的に移行する
・欧米諸国にならって、株式会社を時価会計の適用対象から除外し、国債に原価会計を適用する
・会計基準を経済政策の一つとみなすとともに、国際会計基準への日本の影響力強化を目指す

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