テーマ【号外465】
研究者の待遇改善と基礎研究への投資を求める
ご要望
現在の日本の学術界は、短期主義と成果主義が蔓延し、
基礎研究を筆頭に研究費が削られていく中、
欧米の大学の研究者との熾烈な競争にさらされている。
しかし、日本の研究費は、欧米の大学と比べてはるかに低く、
そのような状況で短期間で成果を出すのは極めて難しい。
そして、現在どんどん研究費が削られている基礎研究に関しては、
いつどのようなときに役に立つかを判断することがそもそも難しい分野であるのに、
短期間で成果が出ないからといって研究費を削っていては、
日本の技術は世界から遅れをとってしまう。
そして何よりも、日本の研究者の研究環境は、
欧米の一流の研究者のそれと比べてはるかに劣る。
まず、学生への授業や入試問題の作成など、研究と関係のない雑務が多すぎる。
そして、サバティカル制度はあるもの休暇を取得しづらい現状があり、全体的に激務である。
加えて、欧米は研究者一人に対して、
事務員・技術員・研究秘書・規制専門家・知財専門家・広報専門家がつく一方で、
日本は研究者に対して事務員しかつかず、サポートがはるかに貧弱である。
このままでは、日本の技術は世界に追いつくどころか、
人材が流出し、日本の国力は衰退してしまう。
現に、ノーベル賞を受賞した中村修二氏はアメリカの大学に移り、
アメリカ国籍を取得したし、IT分野で先端的な研究をしていた日本の大学教授は、
台湾の大学から二倍のサラリーを提示され、大学を移ってしまった。
そこで、政府は短期主義と成果主義を改めて、基礎研究を含めて研究費を拡充し、
事務員・技術員・研究秘書・規制専門家・知財専門家・広報専門家を増やすなど
政府からのサポートを充実させるとともに、
学生への授業や入試問題の作成などの研究と関係ない雑務を減らすべきである。