ジャイアントパンダ(以下単にパンダ)は、絶滅に瀕する種だ。 自然界の動物にとって生息地こそが最適の場所である。 野生動物を保護するワシントン条約の制限があるとは言え、金銭で(一頭当たり 一億円と言う)パンダを各国に向けて送り出す貸主の中国政府と借主の各国は、 本来自然保護団体から厳しく糾弾されて然るべきであろうが、そのような動きは 見えない。 この動物が日本で飼育される切っ掛けは、米ソ間の冷戦期間に中国との関係修復が 喫緊だった時勢の政治的な案件だ。 しかし二十一世紀の日中関係は尖閣諸島の所属などを巡り悪化の一途だ。 パンダ飼育は、本来の目的に全く寄与しない。既に政治的取引の産物である援助金と 同等なのだ。 日本政府は上野動物園他で展示されるパンダ全ての貸借を、動物愛護の観点から 見ても、もう打ち切るべき時だ。