現在の日本の学術界は、短期主義と成果主義が蔓延し、
基礎研究を筆頭に研究費が削られていく中、
欧米の大学の研究者との熾烈な競争にさらされている。
しかし、日本の研究費は、欧米の大学と比べてはるかに低く、
そのような状況で短期間で成果を出すのは極めて難しい。
いつどのようなときに役に立つかを判断することがそもそも難しい基礎研究に関しては、
短期間で成果が出ないからといって研究費を削っている状態で、
日本の技術は世界から遅れをとってしまう。
そして何よりも、日本の研究者の研究環境は、
欧米の一流の研究者のそれと比べてはるかに劣る。
まず、学生への授業や入試問題の作成など、研究と関係のない雑務が多すぎる。
加えて、日本は研究者に対して事務員しかつかず、サポートがはるかに貧弱である。

そこで、政府は短期主義と成果主義を改めて、基礎研究を含めて研究費を拡充し、
事務員・技術員・研究秘書・規制専門家・知財専門家・広報専門家を増やすなど
政府からのサポートを充実させるとともに、
学生への授業や入試問題の作成などの研究と関係ない雑務を減らすべきである。