テーマ【号外766】
権力化するBPOに対する懸念と対応について
ご要望
NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったとされる問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表、その中でNHKを厳重注意した総務省と事情聴取した自民党を「極めて遺憾」、「圧力そのもの」などと厳しく批判したとのことです。
総務省が所管するNHKに対し放送法第4条に照らして注意するのは当然の職責であり、そもそもNHKと民放連が自主的に組織した法的根拠を持たないBPOが提言する先はNHKと民放連であり、筋違いです。
BPOはもともとはテレビ業界内部向けに「意見」や「勧告」などを通じて改善を促すという「規制色の薄い」機関だったが、昨今ではBPOから指摘を受けた放送局の上層部は過剰に反応し、制作現場に向けては「とにかく、これだけはやらないように」という“対処療法的な注意”が繰り返され、制作現場には不満の声が漏れ聞こえているという現状について言及するとともに、「今後はBPOの動きが制作現場を過度に萎縮させてしまう側面も考慮しなければならないだろう」と述べています。
任意団体のBPOの批判に対し聴収や注意のしようがありませんが、法的根拠のあるBPOの設置や放送法への罰則規定、同4条への禁止事項の追加等放送法の改正を考慮しつつ、今後とも放送局に対し適時適切な指導等を要望いたします。