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2292 ら特集島根県弁護士会⑤2(0)

引用元 

国選弁護人報酬増額等を求める総会決議
2004(平成16)年7月26日
ttp://www.shimaben.com/24.html
 1. 刑事裁判の大半が国選弁護によって担われているわが国の現状からすれば、国選弁護の充実こそ、被告人の弁護人依頼権(憲法37条3項)を実質的なものとするために必要不可欠なものといえる。しかし、現在国選弁護人の報酬は1件あたり約8万5000円と著しく低廉で、しかも実際に弁護人の費やした労力が報酬基準に反映されていないため、懸命に弁護活動をすればするほど国選弁護人が経済的持ち出しを余儀なくされ、十分な国選弁護活動が抑制されている状況にある。このような状況では、憲法上の権利である被告人の弁護人依頼権が実質的に保障されているとは到底認められず、これを改善する予算措置を講じることは国家の責務である。
2. そこで、島根県弁護士会は、国選弁護人に対する報酬の増額について、下記の事項を実現されるよう、強く要望する。

3.(1)国選弁護人報酬の支給基準を第1審標準事件1件あたり、金20万円以上とし、このために必要な予算措置を講じること。
 (2)国選弁護人報酬の支給基準を第1審標準事件1件あたり、金20万円以上とし、このために必要な予算措置を講じること。事件の難易度、審理の期間、法廷外の弁護活動など、実際に費やされる労力に応じた報酬及び日当を支給すること。特に、通訳を要する外国人の被告事件については、報酬を通常の事件の約1.5倍とすること。
 (3)弁護活動に要した記録謄写料、交通費、通信費等の実費を報酬に加算して支給すること。
 (4)長期間の審理が予想され弁護人の確保が困難な特別案件については、報酬の決定に当っては特別の配慮をすること。
以上決議する。
2004(平成16)年7月26日
島根県弁護士会 会長 中村 寿夫

司法修習給費制堅持を求める総会決議
2004(平成16)年7月26日
ttp://www.shimaben.com/23.html
 1. 司法試験に合格し、司法研修所に入所した司法修習生は、現在1年6月の修習を経て裁判官、検察官、弁護士となり、司法の現場を担うこととなっている。司法修習生に対しては国から給与が支給されている。ところが、政府の司法制度改革推進本部は、去る6月15日、給与を支給する制度(給費制)を廃止し、2006(平成18)年度から一定額を無利子で貸す制度(貸与制)を導入する方針を固めた。
2. 司法修習生は修習以外の業務に従事することは原則として禁止され、専ら修習に励むことが義務付けられているが、それは高度の専門的能力と職業倫理を兼ね備えた質の高い法曹を養成する為である。
3. 給費制がなければ経済的に恵まれない者は修習期間中の生活維持が困難となり、法曹への道を閉ざされかねない。それでは裕福な者のみが法曹資格を得ることとなり、公平性に欠け、広範な国民のなかから人材を確保することができず、質の高い法曹の養成は期待できない。とりわけ、法科大学院を卒業した者のみが司法試験の受験資格を得ることとなる新しい法曹養成制度においては、4年間の大学生活、3年間の法科大学院学生を経て、更に1年の司法修習期間を通じて多大の経済的負担を強いられるというケースが予想される。
4. 医師養成制度においては、本年4月卒業後臨床研修が義務化された半面、国費が研修指定病院を経て研修医に支給されることとなった。国民の生命、健康を守る医師の役割からして質の高い医師を養成する為、研修に専念することを経済的に支援しようとするものである。
5. 社会生活上の医師としての弁護士を含む法曹三者にも同様の制度が堅持されるべきである。それにより法曹の質が維持され、国民の社会生活の隅々にまで法の支配が及んで正当な権利が守られることとなる。
6. よって、島根県弁護士会は給費制の堅持を強く求めるものである。以上決議する。
2004(平成16)年7月26日
島根県弁護士会 会長 中村 寿夫

弁護士報酬敗訴者負担法案に反対する総会決議
2004(平成16)年7月26日
ttp://www.shimaben.com/22.html
 1.政府は、2001(平成13)年6月12日に公表された司法制度改革審議会報告書を踏まえ、2004(平成16)年3月2日「民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案」を国会に上程し、訴訟上の双方の訴訟代理人の合意による弁護士報酬敗訴者負担制度の導入を図ろうとしている。
2.もともと弁護士報酬敗訴者負担制度は、勝訴しても弁護士報酬を相手方から回収できないため訴訟を回避せざるを得なかった当事者にも、その負担の公平化を図って訴訟を利用しやすくする見地から提言された。
3.しかし、同制度は、消費者、労働者その他劣位的地位にある当事者が、裁判で争って敗訴した場合に相手方の弁護士報酬を負担することになるので、訴訟を回避することになりかねず、ひいては市民の裁判を受ける権利は抑制されることにつながって、司法制度改革が目指す司法へのアクセスの拡充の理念に反することになる。
4.そこで、島根県弁護士会は、これまで常議員会決議、反対署名の呼びかけ等によって、提案された弁護士報酬敗訴者負担制度の導入に反対し、そのための活動を行ってきた。
5.ところが、今般、すべての訴訟について各自負担を原則とするものの、訴訟提起後、弁護士等によって代理される訴訟当事者が訴訟上合意したときのみ敗訴者負担とするとの内容の法案が上程された。
6.この法案によっても、敗訴者負担の弊害は解決されない。訴訟上の合意によって敗訴者負担が可能となれば当事者間の裁判外での私的契約や約款などに「敗訴者負担条項」を記載することによる実質的な敗訴者負担制度が広がっていくことが懸念される。このようになれば劣位的地位にある者は、訴訟代理人報酬の敗訴者負担をおそれて訴訟を提起することも受けて立つことも躊躇されることになり、司法アクセスを更に萎縮させることになる。また、当事者双方に弁護士が代理人となっている場合、合意に応じないのは、敗訴を自認するものとして、裁判官の心証に悪影響を及ぼすこともなりかねない。
7.そこで、島根県弁護士会は、この敗訴者負担制度の導入は、たとえ合意を条件とするとしてもなお、司法へのアクセスを阻害する弊害は払拭できないと考えるものであり、その導入を内容とする上記法案には絶対に反対であり、廃案とすべきである。以上決議する。2004(平成16)年7月26日
島根県弁護士会会長 中村 寿夫

司法修習生の給費制堅持を求める会長声明
2003年9月26日
ttp://www.shimaben.com/21.html
 1.現在、財務省の財政制度等審議会が、司法修習生の給費制の早期廃止を提言し、法曹養成検討会でも、事務局によって貸与制への移行を示唆するとりまとめが行なわれるなど、給費制廃止・貸与制移行の動きが本格化しようとしている。
しかし、当会は、給費制の廃止に強く反対し、その堅持を求めるものである。
2.第1に、司法修習生の給費制は、戦後50余年にわたり、法曹三者の統一修習を行うことにより、法曹、とりわけ弁護士の公益性を経済的側面から支え、制度的に担保してきたものであり、これを廃止することは、基本的人権の擁護を使命とする法曹のあり方を変容させる危険性を孕んでいる。
3.第2に、給費制の廃止は、法曹資格を経済的富裕者にのみ与える結果を招きかねない。即ち、新たな法曹養成制度においては、法曹を志す者は、法科大学院在学期間、修習期間を通じて、自ら収入を得ることができないばかりか、高額の経済的負担を強いられることになり、その結果、経済的理由によって法曹となることを断念せざるを得ない事態が懸念されるが、かかる事態は、法曹に多種多様な人材を求めるという司法制度改革審議会意見書の趣旨にも背馳するものである。
4.第3に、司法修習生には、修習の実を挙げるため職務専念義務が課せられているが、かかる義務は質の高い法曹を養成するためにはやむを得ないものである。
5.一方、国は、司法制度改革の一環として、質の高い法曹を養成するために財政上の措置を講じる義務があるのであるから、修習のために他に生計の手段を持たない司法修習生に対し、国が俸給を支給するのは当然のことであり、国の財政事情は、給費制廃止の正当な理由にはなりえない。
6.なお、給費制に代えて貸与制を採用すべきとの意見があるが、新人法曹が多額の負債を抱えて職務に従事することは、経済的利益に結びつかない弁護士としての各種公益活動や公益的職務に積極的に取り組む妨げとなるなど、大きな弊害を生じるおそれがあり到底容認できないものである。
7.よって、司法修習生の給費制は今後も堅持されるよう、強く要望するものである。
2003年9月26日
島根県弁護士会 会長 錦織 正二

ヤミ金融の撲滅を求める会長声明
2003年8月4日
ttp://www.shimaben.com/20.html
 1. 近時、年利1000%以上の高金利で貸付を行う、いわゆる「ヤミ金融」による被害が、島根県内においても急増している。
2. ヤミ金融業者は、債務者の窮状に付け込み、ダイレクトメールや電話などで債務者を勧誘したり、債務者の口座に一方的にお金を振り込むなどして、巧みに債務者をその餌食にしようとしている。そして、ヤミ金融業者による脅迫的な取立は、債務者のみならず、その家族・親族・職場・近隣住民などにも及んでいる。ヤミ金融業者は、債務者らを精神的に追いつめることで、債務者の生活全体を破壊しており、ヤミ金融業者の撲滅は、緊急を要する重要課題となっている。
3. そこで、当会は、ヤミ金融の撲滅のために、出資法違反の高金利による貸付行為は犯罪行為であること、民事上は公序良俗違反で無効であり、元本に関しても不法原因給付にあたり返還する必要がないことを確認する。当会会員は、ヤミ金融業者に対しては、一切の支払をせず、既に支払っている場合はその返還を求め、刑事告発等を積極的に行うなど、ヤミ金融の撲滅を図り、被害者の救済活動を行っていく所存である。
4. 当会は、会員数24名の全国最小会員数の弁護士会であり、弁護士過疎・偏在の課題を抱えているが、ヤミ金融の撲滅・被害者救済も緊急かつ重大な課題であると考え、本日から8日までの連続5日間、18名の会員が参加して「ヤミ金110番」を行うこととした。この電話相談を契機に更なる活動を当会あげて行っていく決意である。
5. この課題は、もとより当会のみで担えるものではない。警察、消費者センターには多数の相談が寄せられていると聞く。司法・行政・民間の関係諸機関がこの課題について自らの社会的使命を十分に果たすとともに、相互の連携を図っていくことがきわめて重要であると考える。この意味から、現在、島根県が準備している消費者金融等被害防止のための関係諸機関による対策会議についても、時宜に適した活動として当会も積極的に参加するとともに、今後も関係諸機関との連携を強化していく。
 以上のとおり、当会としては、ヤミ金融の撲滅に向けた活動を強化していくことを表明するとともに、関係諸機関に対しても、それに向けて活動することを求めるものである。
2003年8月4日
島根県弁護士会 会長  錦織 正ニ

個人情報の保護に関する法律案の反対及び住民基本台帳ネットワークシステム施行の延期を求める会長声明
2002年7月17日
ttp://www.shimaben.com/17.html
 1.  「個人情報の保護に関する法律案(以下「個人情報保護法案」という)」は、現在衆議院において審議中である。 本法案に対しては、本年5月24日、日本弁護士連合会会長が反対の声明を出しているところ、そこにおいて指摘された表現の自由に対する侵害の危険性は依然払拭されないままである。
 高度情報化社会が進展する中、個人情報を保護する法制が必要であることは言うまでもない。しかしながら、本法律案は、民間事業者一般に対し具体的義務を課した上、個人情報保護のための独立した機関をおかず、主務大臣に助言、勧告、命令等の権限を持たせ、命令違反には罰則を設けており、個人情報保護の名の下に、公権力が表現の自由に関し必要以上の規制を可能ならしめるシステムを有している。マスコミ及び事業者(国民)に対する広範な介入を許容しているのである。さらに、本法律の運用者は政府であるところ、防衛庁の情報公開請求者リスト問題や様々な隠蔽事件で明らかになったとおり、秘密主義かつ個人情報の保護をないがしろにする政府に表現の自由と個人情報保護の調整を任せるわけにはいかない。
2.  また、今年3月に国会に提案された「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案」は、公的部門の個人情報において住民票コードによる名寄せを容認し、実質的な規制を放棄している。個人情報の取り扱いにおける官尊民卑を表しているのであり、到底許容することはできない。
 以上のとおり、両法案には看過できない重大な問題がある。小手先の若干の修正ではおよそ解決しうるものではなく、反対せざるを得ない。高度情報化社会における実効的な個人情報保護については、上記問題を解決しながら改めて検討すべきである。
3.  他方、住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)は、1999年8月に住民基本台帳法の改正により導入が決まった。住基ネットは国民すべてに11桁の番号を付し、全国的なコンピュータネットワークによって一元管理しようとするものである。特定の個人の情報の名寄せを技術的に容易にするシステムであり、それ故、プライバシー侵害の危険性が非常に高い制度でもある。
 行政機関の職員に対し、個人情報の取扱について、より高度の注意義務を課し、かつ、実行せしめることが当該システム運用の前提であり、時の政府も国会審議において、個人情報保護法制の整備を確約し、住民基本台帳法改正法付則にも同趣旨が掲げられている。
4.  かように個人情報保護法案等は、住民基本台帳法改正法施行に先立って個人情報保護法制を整備する必要があるために策定されたものである。しかしながら、先に述べたとおり両法案には重大な問題点があり、成立させるべきではない。このため、本年8月に予定されている住基ネットの実施も延期すべきである。
 日本弁護士連合会が行った地方自治体に対するアンケート結果によると、住基ネットの8月稼働には、調査した自治体の7割強が否定・懐疑的な意見を有している。また、6月12日に東京都国分寺市が首長としては全国で初めて実施時期の再考を求める要望書を総務省に提出し、7月10日には横浜市長が政令市で初めて住基ネット延期要望書を総務省に提出している。7月12日には、民主、自由、共産、社民の四党が住基ネット導入を延期するため、住民基本台帳法改正案を衆議院に提出してもいる。
かような状況下、8月5日からの実施を強行した場合、収拾のつかない混乱が生じることは必至である。住基ネットの実施は延期すべきである。
2002年7月17日
島根県弁護士会 会長  岡崎 由美子

人権擁護法案に対する会長声明
2002年5月28日
ttp://www.shimaben.com/16.html
政府が3月8日に国会に提出した人権擁護法案に対し、島根県弁護士会は、次の通り、意見を表明する。
1. 今回政府が提出した人権擁護法案においては、人権救済機関として設置される人権委員会は、独立行政委員会とされるものの、法務省の外局とされ、法務大臣が所轄する上、必要十分な専任職員を置かず、その事務を地方法務局長に委任するものとされている。これでは、過去に人権侵害を繰り返して来た入国管理局、刑務所及び拘置所、並びにこれらの人権侵害に関する国家賠償請求訴訟の代理を務める訟務部を所管する法務省の強い影響下に置かれることとなり、政府からの独立性が確保できず、政府による人権侵害が救済されないおそれがある。
また、中央にわずかな数の人権委員を置いたとしても、各地方における人権擁護活動の実効性は保障されない。
 日本政府は、1998(平成10)年11月には、国際人権(自由権)規約委員会から「警察や入管職員による虐待を調査し、救済のため活動できる法務省などから独立した機関を遅滞なく設置する」よう勧告された。しかるに、今回の法案による人権委員会は、この勧告に明白に反している。
そして、日本政府は、同規約委員会への個人通報制度を定めた選択議定書を未だに批准していないが、このように国家から独立した国際的人権救済機関に対しても忌避的である日本政府の態度は、本法案の人権委員会の致命的な欠陥と軌を一にしていると言わざるを得ない。
2. 人権擁護法案において、労働分野での女性差別や退職強要・いじめ等の人権侵害については、厚生労働省の紛争解決機関に委ねてしまい、特別人権侵害調査などの権限は、厚生労働大臣(船員は国土交通大臣)にあるものとされ、この分野における救済機関の独立性は全く考慮されていない。
 現行の都道府県労働局長による指導・助言や紛争調停委員会によるあっせん・調停は、人権侵害被害者の視点に立っておらず、人権救済のための実効ある役割を果たしていないとの批判がある。
 労働分野を人権委員会から切り離す理由はなく、これらについても救済対象に含めるべきである。
3. 政府からの独立性の保障されていない人権委員会が、報道機関に対して調査を行い、取材行為の停止等を勧告する権限を有することは、報道機関の取材・報道活動を規制して行政の監督下に置き、政府に批判的な報道に対する事前検閲に道をひらく可能性がある。ひいては、民主主義社会の基盤である市民の知る権利を侵害するおそれが強い。
また、報道による人権侵害として救済の対象となる基準が明確性を欠けば、恣意的運用を招き、報道の自由の制限に歯止めがなくなることも懸念されている。
よって、島根県弁護士会は、政府からの完全な独立性を有する人権救済機関の設置を求めるとともに、労働分野をも含め広く人権侵害を救済対象とする一方、報道や表現の自由ひいては市民の知る権利を侵害することのないよう、法案の見直しを求めるものである。
2002年5月28日
島根県弁護士会 会長  岡崎 由美子

「有事法制」法案に反対する会長声明
2002年5月23日
ttp://www.shimaben.com/15.html
本年4月17日、政府は、衆議院に対し、「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(案)」、「安全保障会議設置法の一部を改正する法律(案)」及び「自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律(案)」(以下、併せ「有事法制三法案」という。)を上程した。
しかしながら、これらの法案には次のような重大な問題点が存する。
1.いわゆる有事体制として平常の統治体制と異なる体制が執られる「武力攻撃事態」に、「武力攻撃のおそれのある事態」や「事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」までもが含まれており、その範囲・概念が極めて曖昧である。
2. 内閣により、いったん、「武力攻撃事態」の認定が行われると、陣地構築、軍事物資の確保等のため、一片の「公用令書」の交付だけで、私有財産の収用・使用、軍隊・軍事物資の輸送や戦傷者治療等のための役務の強制処分が可能となる。また、取扱物資の保管命令違反には6か月以下の懲役が科されるとともに、立入検査拒否、妨害等に対しては20万円以下の罰金が科されるなど刑罰による強制も予定されている。
このような手続・措置では、先に記載した「武力攻撃事態」概念が曖昧であることと相まって、憲法が保障する私有財産等基本的人権の制限について、その適否を判断する実体的要件を不要としてしまう危険性がある。また、憲法の定める適正手続きである事前の告知・弁解・防御の機会の保障も確保されていない。
さらに、公務員・民間人に対して行政措置・業務命令・罰則により軍事行動への協力を強制するのは、憲法に定める思想・信条の自由、意に反する苦役を科されない自由、幸福追求権、平和的生存権などの基本的人権を侵害する重大なおそれがある。
3. また、有事法制三法案は、自衛隊の憲法適合性、自衛隊の権限・出動範囲の拡大と集団的自衛権行使等、憲法9条に定める平和原則にかかわる重要な諸問題について、議論を尽くさないまま、有事の非常事態を制度化しようとするものである。憲法が定める平和原則への抵触の可能性も高い。
4. 内閣の定める「対処基本方針」は、国会の承認を要するとはされているが、国会における修正権限や、承認後に国会が内閣又は内閣総理大臣の権限濫用を抑制する権限・手段が明確にされていない。
5. 有事法制三法案では、政府に「武力攻撃事態」の認定権限を与え、内閣総理大臣に対し、武力の行使、情報・経済統制を含む「事態対処措置」という強大な権限を与えている。このことは、行政権は内閣に属するとの憲法の規定に反している可能性がある。また、内閣総理大臣には、地方公共団体に対し対処措置実施の指示をする権限や地方公共団体が行う措置を直接実施する権限も与えられているが、これは地方公共団体の独立・自主性を否定しており、憲法の保障する地方自治に反しているとの疑いが強い。
6. 有事法制三法案では、日本放送協会(NHK)などの放送機関を指定公共機関とし、内閣総理大臣に指定公共機関に対する指示・代執行権限を付与している。このため、政府が、放送メディアを統制下に置き、知る権利及び報道の自由など民主主義の基礎となる基本的人権を容易に侵害し得る危険性を有している。
 以上のとおり、今時、政府によって上程された有事法制三法案は、極めて深刻かつ重大な問題を有している。
 他方、小泉内閣総理大臣が「現在のところ、ご指摘のような、(日本が侵害をうける)事態について、我が国に脅威を与えるような特定の国を想定しているわけではない」(2002年2月8日参議院本会議)と答弁しているとおり、我が国を取り巻く状況は、有事法制三法案を直ちに制定させねばならない程、緊迫しているわけではない。
 有事法制については、国民が十分に論議し、その意思が国会に反映された時点で、法案の上程の適否及びその内容が吟味されるべきと考えるところ、政府の今回の有事法制三法案の上程は、この点でも国民を軽視する性急・拙速なものと言わざるを得ない。
よって、当会としては、このたびの有事法制三法案に対しては、強く反対し、かつ、同法案の廃案を求めるものである。
2002年5月23日
島根県弁護士会 会長  岡崎 由美子

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